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2011年8月18日 (木)

戯れ歌

 NHKが終戦記念日に前後して、戦争記録の特番など、再放送を含め頻繁に行っている。戦場証言などを見聞きするのはあまり好きではないが、新発掘のデータなどが明らかにされるとなると、やはり見ておきたい。

 Dscf3484_2 写真のタイトルのものは、録画しておいたものである。内容は、開戦後1年ほどは目覚ましい戦果をあげ、当初目的としていた東南アジアの石油をはじめとする鉱物資源をほぼ手中にしたところから始まった。

 そこで、戦争終結を陸軍を中心にはかろうとしたが、海軍がアメリカの反攻必至と見て、勢いに乗って戦線を拡大、ニューギニアからオーストラリア、さらにハワイを視野に入れた主戦論を展開して大本営がまとまらなかった。

 結局、双方の主張をまぶした方向性の定まらない官僚の作文でお茶を濁すことになった。陸海の激しい競争意識、予算、資源、徴用物資や開発利権などの奪い合い、腐敗など、国家存亡そっちのけの省益・政争が激しかった。なんと、今とそっくりではないか。

 塾頭は、概ねの経緯は書物などで知っていたが、テープや映像化したものを見ると迫力が違う。前線の兵士や、身を削って協力を強いられた国民はむたまったものではない。銃後の体験からすると最初の1年は、ラジオも軍艦行進曲に続け、たしか平出大佐といったか、「大本営発表」と高らかに大戦果を告げるものが多かった。

 その後も相変わらずのいわゆる「大本営発表」が続いたが、アッツ・キスカ島、サイパン島などの玉砕(守備兵の全滅)、山本五十六など高級軍人戦死の報道などには「海ゆかば」の曲がニュースの前触れになった。ことに終戦間近になるほど、頻繁の度を増した。

 VTRを見終わった後、散歩にでたら、いつしかこんな曲に歩調を合わせていた。
 
 ♪ジャンジャンじゃがいもさつまいも
  頭のでかい衆はマンマいっぱい食う
  それよりでかい衆は……
  
 ♪海ゆバカ 水漬くバカね 山ゆバカ
  草むすバカね 大君の辺にこそ
  死なめ……

 前のが軍艦行進曲で、1行目がシンバルが入ったような前奏の音、次に「守も攻めるもくろがねの」の歌詞のある曲に続く。塾頭中学1、2年の頃はやった。今考えると、主食コメの代替で配給されたイモ類、朝も昼もイモ、イモの生活。マンマは白米である。「頭のでかい衆」は、特権階級のことだろうか。

 次がご存知、「海行かば」である。もとは万葉集の「陸奥国より金を出せる詔勅を賀く歌一首」の中からとった、「海行かぱ 水漬く屍 山行かば 草生す屍 大君の辺にこそ死なめ 顧みはせじ」
という大伴家持の先祖の功績を強調した句であるが、それをはぐらかす不遜、不敬、死者への冒涜になりかねない「戦時不穏歌謡」である。

 しかしいたずら盛りの中学生。どこからはやったか、またその中身は、などに一切こだわりなく、別に誰からもとがめだてされるようなこともなく、大っぴらに歌った。

 塾頭に最も身近な親族、叔父が、フィリピン戦線で幼い子を残して戦死したのもこの時期でる。

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