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2011年8月

2011年8月31日 (水)

続・ゴーヤ育成法

 前にゴーヤ育成法などと大それたテリトリーを上げてしまった関係上、その結果も書く義務が生じた。

 これまでに書いてきたことは、連作障害を避けるため、場所を変えて一本仕立てがいいとか、伸びる芯を摘むなどである。

 今年は、大震災の影響(大げさ!)で、種から育てたもの2株、買ってきた苗2株合計4株を植えるはめになった。

 種からの2株は、西側窓下の日当たりが悪く狭い場所に苗の段階で移植。
 買ってきた苗は、南側の3、4年前に一度植えた場所で元肥も施した。

Dscf0452  以上の結果、大豊作の成功例が、条件が悪いと思っていた西側窓(写真)である。南側はこれまでの収穫が1本だけ、葉っぱも小さく日よけとしても今いちである。

 苗の段階では、明らかに南の方が大きく元気がよかった。ここから得た教訓。ゴーヤは、厳しい条件のもとで育てるにに限る、である。

 種も、腐葉土などでなく露地で苗を育て、本葉4、5枚の頃移植する。苗は多少日当たりが悪くても日照を求めてたしましく伸びる。今年余った種は冷蔵庫に入っている。さて、来年はこの教訓でうまくいくかどうか?。

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2011年8月29日 (月)

夢が持てない野田新代表

 民主党の代表選結果は、前回当塾が予測した前原か、海江田かではなく、野田か海江田かになり、野田が勝利した。また、前原があえて野田を裏切ってまで踏み切った出馬宣言が、唐突かつ白々しいものだったとしたが、投票寸前の方針演説を含め討論では、野田の方が訴求力の点で優れていた。それが効を奏したという見方もある。

 海江田落選は予想通りだったが、これを小沢対反小沢で前回の去年9月の代表選と比べてみると次のようになる(議員のみ)。

        10年9月   11年8月
小沢    小沢 200  海江田 177
反小沢   菅  206  野 田  215
 差          6        38

 単純比較ではこうなり、小沢勢力が大幅に減衰したように見えるが、前回書いたように、小沢としてはどっちに転んでも特段の支障はなく、狙いは、強制起訴裁判の無罪確定で華々しい政界復帰を果たす舞台をどう作るかだけである。

 また、これも書いてきたが、政治史の中で大連立とか挙国一致内閣などというものが成功したためしはなく、一時しのぎの標語のような役割しかない。野田政権ができても、長続きするような展望がすこしも見えてこない。

 前述したように、小沢は勢力を減じたわけでなくむしろますます増大していると見た方がよさそうだ。そんなところから小沢待望論も出てくるわけだが、現在のような状況を作り出したのも、選挙制度をはじめ小沢に数々の責任があることを思い起こさずにはいられない。

 日本の不幸はまだまだ続きそうだ。野田なら財政への波乱がすくないからとして、株式市場も代表選の結果が出る頃から上昇に転じたが、わずか1時間程度でまたもとに戻してしまった。それでも海江田よりはまだましかも知れないということで、今日の結論にしておこう。

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2011年8月27日 (土)

民主党、終わりの始まり

 前々回、前原誠司が松下政経塾の大先輩・野田佳彦の足元をすくう、それこそ「唐突」な出馬宣言をしたことに苦言を呈した。出馬の理由は、取ってつけたような白々しいもので、彼自身と取り巻きの権力に対する執着しか見えてこないレベルのものだった。

 そして、注目の小沢一郎は、鳩山元代表が一本化したという海江田万里を支持する。その過程で、あくの強い右翼・西岡武夫とか日教組・社会党出身の輿石東という参院のボスを独自候補として考えてみたという。

 いわゆる小沢チルドレンや、ネットで小沢信者といわれる人は「それでも小沢さんを信じてついていく」というのだろうか、それとも「やっと目が覚めた」というのだろうか。どっちでもいいが、国民の前で品の悪い手品師のような演出はもうやめにしてほしい。みんな迷惑しているのだ。

 投票結果は、多分前原・海江田の決選投票になるだろう。テレビタレントとしてつかんだ海江田の現在の地位だが、経産大臣としてのテレビの映りは、こっちが泣きたくなるほど最低だった。鳩山・小沢にはそう見えないかも知れないが、人心はすでに離れている。

 菅首相に抵抗した原発推進派と見られているのも痛い。決選投票では、中間派が前原に向く可能性が高い。また小沢・鳩山グループの中にも造反票が出てきそうだ。こうなると前原総理となるが、選挙は水物、海江田泣きべそ弱体内閣になる可能性もある。

 小沢は、どちらであろうがたいした期待はしていない。彼の狙いはこの秋の元秘書の無罪獲得、そして来年春には出る本人の無罪確定だ。その頃、来年度予算をめぐって、またねじれ国会の混乱が起きる。塾頭の目に浮かぶのは、その時期が解散総選挙とか、脱党・新党結成、政界再編などを仕掛ける絶好の機会で、波に乗った小沢が一世一代の舞台を踏む姿である。

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2011年8月26日 (金)

挙国一致、大政翼賛会の幻想

 新首相が選出され、施政方針演説を聞くまで国家の方針がわからないし、国民も関与する方法がない、政治の貧困が言われて久しいが、こんなひどいことになるとは思わなかった。与党が与党として機能していないのだ。

 そもそも、しかとした理由を示さないまま、あるいは、百人百様な理由で首相を党執行部や現職閣僚までがよってたかって引きずりおろす、こういった異常事態を後世の歴史家はどう書きしるすのだろうか。

 そういつた中で、期待をこめて「挙党一致」とか「挙国一致内閣」を言い、それでは「大政翼賛会」になる、などの賛否の言説が盛んである。なにかそういった実例があって、成功したように聞こえるが、、実は80年前の政党政治崩壊を受けて持ち出されたモットーで、いずれも失敗例なのである。

 昭和7年5月15日、首相官邸に踏み込んだ海軍軍人など9名に射殺された犬養毅が、戦前最後の政党政治家で、後を受けた斎藤実内閣を挙国一致内閣と呼んだ。彼は海軍大将で「穏健な人格者」で通っていた。

 この頃の首相は、天皇に近い元老が候補を天皇に推薦し、天皇がそれに組閣を命ずるというルールになっていた。右翼テロリストの攻撃目標は「財閥、政党、特権階級」であった。不況、失業、米価の暴落、それらの不満がが政党の実りのない抗争にむけられたのは無理ないことで、一時的にしろ、後継は政党主導から抜け出すことを第一にした。

 もちろん陸・海軍、政党からも推薦候補が上がった。しかし、それぞれの利益代表色を薄め、また軍を押さえるためには軍人の方がいいという、いわば最も無難な人選の結果が斎藤だった。閣僚は高橋是清蔵相ら有力閣僚留任のほか政友会・民政党の2大政党は2名ずつとし、あとは、民間・官僚の起用でかためた。

 このバランスをもって「挙国一致内閣」としたわけだが、首相の穏健さは、一方で事なかれ主義を助長し、スローモー内閣ともあだ名された。しかしその結果は、日本が戦争に引きずり込まれていく過程に無為無策だったことにつながっていく。

 満州国承認、国連脱退、文相・鳩山一郎が主導した京大の滝川教授の追放、作家小林多喜二の拷問死など、この間に起きている。最後は、陸軍のつもる不満もあり、「帝人疑獄事件」という、いささか政略的なきっかけで2年余の内閣を投げ出した。この間、挙国一致としてあげられる成果は全く上がっていない。

 それから8代あと、昭和15年の第2次近衛内閣発足にあたり、林茂『日本の歴史』中公文庫は次のように記す。

 斉藤内閣いらいの中間内閣は、軍部・官僚・政党の三つの政治勢力の均衡の上に成立したために、革新と現状維持との相克の中ではっきりした政治進路を示しえずに、揺れ動く妥協の政治をつづけてきた。日華事変以後、「強力内閣」待望論が、軍部からも既成政治勢力からもくりかえし語られたのは、強い決断者がこの混迷を打ち破り、自分たちを政治の中心にすえてくれるという他力本願を期待していたからであった。

 つまり、当時国民から圧倒的な人気のあった近衛に「おみこし」役を期待したのである。一方、近衛の方は、日華事変解決のためには、政治意志の強固な一元化が不可欠であると考え、陸軍を圧倒しうる政治勢力を持たねばならないと考えていたのだ。

 それには、国民的基礎に立ち国民の世論を背景にする政治力を、既成政党の離合集散ではなく、より革新的勢力や、産業・文化を含めた強力な組織に求め、これを「新体制」として国民に訴えたのだ。

 ところが、ここに異様な事態が発生した。みこしの担ぎ手を狙っていた既成勢力が「バスに乗り遅れるな」とばかり、新体制構想に殺到したのである。政党は、バスがまだ見えないうちに一斉に解党宣言をし、陸軍統制派は、ドイツのナチスばりの国防国家樹立を目論んだ。

 近衛は、「昭和研究会」を作り、構想実現を目指し「大政翼賛会」を発足させたが、政党人・市民的インテリ・軍人右翼らの寄合所帯で、最初から四分五裂の運命を背負っていた。結局、近衛の目論見とは違う、戦争推進の国民運動と官僚統制の道具にしかならなかったのである。

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2011年8月24日 (水)

紳助と誠司と唐突

 本日のビッグニュースは、島田紳助の暴力団がらみの芸能界引退宣言と、前原誠司前外相の代表選出馬宣言だ。菅首相にあれだけ(悪意をもって)使われてきた「唐突」という言葉は、今回見渡したところマスコミからはでてこない。『広辞苑』を見てみよう。

とう-とつ【唐突】(本来は突進する意)不意過ぎて不自然なさま。だしぬけ。突然。「―の感」 

 塾頭は、消費税アップにしろ、TPPにしろ、浜岡原発停止にしろ菅発言をそもそも「唐突」だとは思っていない。その前に客観情勢の大きな変化があり、前提が変われば政策をすばやく変更する。これは為政者の任務であり、指導力だと思う。

 まして未曾有の大震災などがあれば、いわずもがな、いちいちマスコミや官僚などにお伺いを立ててから決定していたら何ごともできない。ただし、事後にそれを丁寧に説明する必要はある。

 今回のニュースについて塾頭の印象からいうと、紳助のは「唐突」でなく、誠司が「唐突」の見本であるように見えた。紳助の方は、やっぱり」とか「いずれ」という感じが、なきにしもあらずである。大相撲と暴力団同様、芸能界、特に関西の興業会社や紳助の周辺では、それがない、と思う方が不自然だった。

 一方の誠司の方である。これは文句なしに「唐突」である。マスコミは、野田氏を応援し、本人はこの時期に泥をかぶらず、次の次を狙うという解説がされていた。本人もそのつもりだったはずである。ところがここにきて一転、仲間の意見があったとして選挙まで一週間を切った今になって出馬宣言をした。

震災復興、原発対応、新たなエネルギー政策への転換、そして被災地を元気にする、新たな日本をつくっていくための経済成長をしっかり成し遂げる政治が必要なのではないか。全員野球でこの日本を元気にしていく。そのための力を賜りますよう心からお願い申し上げ、私の決意とさせていただく。

 これが彼の急遽出馬の理由である。聞いていて白々しいのは、すべて今急に起きたことでなく、この半年間の緊急課題だったはずだ。そう思っているなら、現閣僚などより早く名乗りを上げるのが当然で、なんともとってつけたようだ。

 塾頭は、次の次をねらって本格政権を目指すという考え方もあるなあ、という肯定的な見方をしていた。国民の意見を聞いてでなく、仲間の損得勘定で唐突に考えを変える。にせメール事件や八ッ場ダム問題を見ていて、どうも軽い(本人もある程度自認しているようだが)のではないか、という感じを持っていた。

 こんな唐突行動で身を誤るようなら、今回の出馬は彼の政治生命に大きな禍根を残すことになるだろう。彼自身もいうように、まだ若いのだ。出処進退はあくまでも慎重に、といいたい。

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2011年8月22日 (月)

続・「傲慢さ」

 16日に、脱原発に抵抗する主張に関連して「傲慢さ」という記事を書いた。その時からひとつ書き落としていることがある気がしてならなかったのが、科学技術がすべてを解決する、という人類が持つ「傲慢さ」である。

 人智の及ばないところ、あるいは及んでも対処のしようがないことを、どう見極めるかということである。塾頭も原発の安全神話を100%信じていたわけではないが、ここまでひどい(いい加減)とは思っていなかった。

 3.11後に何度か書いたきたが、東電幹部、関係する学者、経産省や保守政治家、いわゆる原子力村の面々の発言がいかに無責任で、起きている被害の深刻さから目をそらそうとしているか、怒り心頭に発して、「脱原発」に急カーブを切ったのだ。

 もちろん科学技術の進歩が、原発の安全性を高めることを否定するものではない。しかし、今回の事故は、想定可能であった事象を切り捨てたこと、関係者の不作為の過失が重なったもので、人災以外の何ものでもない。

 こういった人災は、科学技術の進歩と全く無関係である。つまり、これからも起き得るということである。いかに次世代原発ができようが、有害な放射性物質を増やすことなく、たまった廃棄物をマイナスにできない限り、手をつけるべきではない。これが人災を克服できない人類の知恵であり義務である。

 技術進歩論者が考えるメリットは、代替エネルギー採用のコストアップ防止と、原発輸出事業であろう。しかし、原発が実は既存エネルギーのどれよりも高コストで、今後稼働率の低下や新設コストの高騰が明白なことが次第に認識されるようになり論拠を失いつつある。

 原発輸出に未練があるようだが、トイレのないマンションを輸出しようという悪徳不動産屋まがいのことが許されるはずがない。これは、求められても口実を設け断るべきだ。また、次世代原発の開発が可能だとしても、前述の条件を満たす見込みがなく、成功させるまで膨大な時間と開発費がかかる。

 それならば、新エネルギー買い上げなどで小口分散型の誰でも参画できる事業の開発・投資意欲を盛り立てた方が電力安全保障には早いのではないか。すでにこの面では、他の先進国より日本が遅れていることが識者の指摘で明らかになっている。

 以上はこれまで何度か論じてきたことと重複するが、脱原発慎重論者の行き着くところは、結局、環境破壊のエネルギー浪費でなければ、「機微技術」温存に行き着くのではないか。実はこの稿を書き始める時は全く違うことを書こうと思っていた。

 それは、直ちに原発を全廃せよというのでなく、いずれは原発をゼロにしようという「脱原発」に向かう以外、日本が取るべき選択肢がなくなってきているのに、前向きに考えているのは、社・共両党のほかみんなの党?、菅さん、自民・河野太郎議員ぐらいしか声が聞こえてこない理由についてだ。

 マスコミにしてもそうだ。今日の毎日新聞(8/22)では、編集委員の山田孝男が2面の頭の囲みで「かすみ始めた『脱原発』」として、菅首相のあとをねらう民主党の代表選候補が、どっちつかずの「玉虫色へ逃げ込むことが選挙対策になっている」と厳しく批判している。

 ところが、同紙1面トップに掲げた大見出しは、同社実施の世論調査結果で、
《原発「時間かけ削減」74%》であった。
 「原子力発電所を今後、どうすべきですか?」の回答が、
   今すぐ廃止すべきだ………………11
   時間をかけて減らすべきだ………74
   減らす必要はない…………………13

 であった。なぜ、「時間をかけてゼロにすべき」としないのだ。それこそ「玉虫色へ逃げ込む」ための設問ではないか。新聞社全体では民主党と選ぶところがない。やはり「機微技術」、それでなければ触れたくない「左右の対立」であろう。

 脱原発反対は、極右議員やネット論陣でも右翼が旗を振り始めていることからも「左右対立」の構図ができつつあるのはたしかだ。昔、ソ連・スターリン健在の頃を思い出した。

 労働者・農民が科学を資本家から奪い取ることにより、自然を克服・改造することが可能になった。大地はよみがえり収穫は思い通りに増えることが約束された――。これを証明できたとして、ルイセンコなる学者が何度もスターリン賞を獲得した。

 庶民の夢を実現させるとして、科学万能の旗を振ったのは、もっぱら左翼が得意とする「傲慢さ」だったのである。冷戦思考からなかなか抜け出せない日本、あるいは抜け出すことを恐れている日本、明治維新がお好きな政治家は多いようだが、もっと冷徹に世界を観察し、新たな進路を追い求める若々しい気概をもってほしいものだ。

参考エントリー
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-d155.html
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-0520.html

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2011年8月21日 (日)

脱着移動式立てカン

 Dscf3488 そう便利に使われても困ります。総理大臣じゃないんだから。

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2011年8月19日 (金)

石破の核武装論

 本塾が日課のようにしている立ち寄り先ブログに「kojitakenの日記」がある。記事が面白いこともあるが、本塾の主張と波長が合うことも少なくなく、「意見として孤立してないな」と安堵するためでもある。しかし、16日付の次の一文は、「違うな」という感じを持った。

いわゆる「リベラル」と称される人たちの中にも、石破茂とかいうキチガイを評価する向きがあるが、その石破が『報ステ』でトンデモ発言を炸裂させた。

石破は、「脱原発」に反対を表明。そして、その理由として、原発を持つことは一年以内に核兵器を開発できるということを意味し、これはすなわち抑止力である。中国・北朝鮮・ロシア・アメリカといった日本の周辺諸国がすべて核を持っている中で、日本が核を放棄していいのか。なんとそんな意味のことを言っていたのだ。

開いた口が塞がらないとはこのこと。石破なんかを評価してきた自称及び他称「リベラル」たちは、直ちに全員懺悔せよ。

 <石破なんかを評価してきた自称及び他称「リベラル」>というレッテル貼りをされても別に構わないが、「石破さんというのは、本当にウソのつけない正直すぎる人だなあ」という感想は持った。原子力村を支えてきた自民党指導層や、防衛・外交・経産省などの官僚の間では常識だったが、言ってはならないことをそのまま言ってしまったからだ。

 「機微技術」という聞きなれない言葉がある。普通の辞書にはないので、「富士通ジャーナル」から解説の一部をお借りする。

【機微技術】
機微技術とは、武器、あるいは、民生品であっても大量破壊兵器などに転用できる物に関する技術のことで、国家(国際)安全保障に甚大な影響を与え得るものを言います。

機微技術は、現在、国際レジームのなかで管理されており、各国では、それに適した国内法制度を整備して運用しています。基本的には輸出入規制がそれに当たりますが、規制の対象は広く、物品の海外への販売やサービスの提供、海外企業の買収、技術提携、共同研究などにまでおよびます。

これらの活動をおこなう者は、国際レジーム並びに相手国の法制、また、行政の管理レベルに適合させた機微技術管理をおこなうことが重要です。(以下略)

 石破発言は、これを言っているのだ。原子力の機微技術は、原発事業とセットで、ウラン濃縮などのフロントエンド事業、使用済核燃料の処理を含むバックエンド事業から成り立っており、その技術開発をする権益を持つのは、世界で核保有国以外では日本だけ(吉岡斉・福岡大教授)とされている。

 原発推進派は、ひたすらそれを隠してきた。原発事故から2,3か月の間、盛んに「原発と原爆は違う」とか「フクシマとヒロシマは別」と言っていた推進派ジャーナリストや評論家をご記憶のことかと思う。つまり、日本国憲法、非核三原則それに国民世論に背反しかねない「開発権益」のため、などといえば、たちまち原発建設反対運動に勢いをつけることになるからだ。

 その上、アメリカをはじめ核保有5大国を中心に、国際的にがんじがらめに監視されており、その体制の中で保障されている権益だ。どこかの国のように秘密裏に、というわけにはいかない。核武装については、「その気になればすぐに作れるぞ」という「寸止め論」で、北朝鮮などをけん制しようとするこけおどしもたしかにあった。

 しかし、そんなことは北朝鮮もよく知っているし、ひるむ金さんではあるまい。また、軍事オタク・石破なら、簡単に実現できるものでなく、作っても使えない兵器であることをことをよく知ってるはずだ。警戒すべきは、お調子者の石原慎太郎とか田母神某などの方だろう。

 石破はせいぜいで、アメリカの核の傘賃貸料を値切りたい程度の事ではないか。原子力村の中には、機微技術を捨てても原発を作れないわけではなし、核サイクルシステムの行きづまりなどから機微技術返上論もでてきている。一方、いまだに原発輸出にこだわっている兵器産業を中心とした利益集団があり、それらのハシゴを外したくないということもあるのだろう。

 この先、運転中原子炉の安全確保が必要で、脱原発が実現しても長期にわたる核廃棄物処理、原子炉解体処理など技術向上をしなくてはならない。また、核軍縮・核廃絶に向けた核弾頭解体や原潜などの処理もある。こういった技術を温存・活用するプログラムが、脱原発のプログラム同様に必要であるということも、これまでに主張してきた。ただ石破から見ると、はるかに道遠しのことだろう。

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2011年8月18日 (木)

戯れ歌

 NHKが終戦記念日に前後して、戦争記録の特番など、再放送を含め頻繁に行っている。戦場証言などを見聞きするのはあまり好きではないが、新発掘のデータなどが明らかにされるとなると、やはり見ておきたい。

 Dscf3484_2 写真のタイトルのものは、録画しておいたものである。内容は、開戦後1年ほどは目覚ましい戦果をあげ、当初目的としていた東南アジアの石油をはじめとする鉱物資源をほぼ手中にしたところから始まった。

 そこで、戦争終結を陸軍を中心にはかろうとしたが、海軍がアメリカの反攻必至と見て、勢いに乗って戦線を拡大、ニューギニアからオーストラリア、さらにハワイを視野に入れた主戦論を展開して大本営がまとまらなかった。

 結局、双方の主張をまぶした方向性の定まらない官僚の作文でお茶を濁すことになった。陸海の激しい競争意識、予算、資源、徴用物資や開発利権などの奪い合い、腐敗など、国家存亡そっちのけの省益・政争が激しかった。なんと、今とそっくりではないか。

 塾頭は、概ねの経緯は書物などで知っていたが、テープや映像化したものを見ると迫力が違う。前線の兵士や、身を削って協力を強いられた国民はむたまったものではない。銃後の体験からすると最初の1年は、ラジオも軍艦行進曲に続け、たしか平出大佐といったか、「大本営発表」と高らかに大戦果を告げるものが多かった。

 その後も相変わらずのいわゆる「大本営発表」が続いたが、アッツ・キスカ島、サイパン島などの玉砕(守備兵の全滅)、山本五十六など高級軍人戦死の報道などには「海ゆかば」の曲がニュースの前触れになった。ことに終戦間近になるほど、頻繁の度を増した。

 VTRを見終わった後、散歩にでたら、いつしかこんな曲に歩調を合わせていた。
 
 ♪ジャンジャンじゃがいもさつまいも
  頭のでかい衆はマンマいっぱい食う
  それよりでかい衆は……
  
 ♪海ゆバカ 水漬くバカね 山ゆバカ
  草むすバカね 大君の辺にこそ
  死なめ……

 前のが軍艦行進曲で、1行目がシンバルが入ったような前奏の音、次に「守も攻めるもくろがねの」の歌詞のある曲に続く。塾頭中学1、2年の頃はやった。今考えると、主食コメの代替で配給されたイモ類、朝も昼もイモ、イモの生活。マンマは白米である。「頭のでかい衆」は、特権階級のことだろうか。

 次がご存知、「海行かば」である。もとは万葉集の「陸奥国より金を出せる詔勅を賀く歌一首」の中からとった、「海行かぱ 水漬く屍 山行かば 草生す屍 大君の辺にこそ死なめ 顧みはせじ」
という大伴家持の先祖の功績を強調した句であるが、それをはぐらかす不遜、不敬、死者への冒涜になりかねない「戦時不穏歌謡」である。

 しかしいたずら盛りの中学生。どこからはやったか、またその中身は、などに一切こだわりなく、別に誰からもとがめだてされるようなこともなく、大っぴらに歌った。

 塾頭に最も身近な親族、叔父が、フィリピン戦線で幼い子を残して戦死したのもこの時期でる。

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2011年8月16日 (火)

傲慢さ

 あなたは「傲慢さ」といえば何を思い出しますか。人の性格であれば10人のうち1人か2人は必ずいそうです。高名タレントの中には、それをウリにしているやからさえいますね。

 最近気になりだしたのは、それをある集団が共有し、しかもそこにいる人は、それとは気がついていないという厄介な問題です。端的に言えば原発を推進してきた原子力村の人たちですが、ここでは例に挙げるものの、特定の組織や人ではなく一般論で考えてみたいと思います。

 まず、学者の傲慢さです。学問とは無限の可能性を秘めたもので、それを制限する権限は誰にもない。学問は尊ばれなければならない。門外漢は専門外のことで余計な口出しすべきではない。求められれば意見はいうが、意見であって結果に責任を持つものではない。まあ、そんなところでしょうか。

 これには、当然学者以外の人にも責任があります。「専門の学者が言うのだから間違いはないだろう」で済ましてしまう風潮です。原発訴訟で、学者の意見が有力な証拠として採用され、判決にそのまま反映されてしまったことはすくなくありません。

 学閥という、閉鎖性、封建色の強い、およそ学際的でない社会の話はよく聞きますが、それはまあ外に置いておきましょう。原発の議論の中でよく聞くのは、「原発を廃止すると、ただでさえ減少気味の優秀な研究者が減り、日本の高いレベルの技術が衰退する。これは国家的損失だ」というものです。

 そしてもうひとつは、「原発の安全度はすでに相当高まっている。このさきも高度の技術開発で完璧に近い設備を作り出す可能性を閉ざしてはならない」というものです。いずれも、学者以外の、財界を含む推進派が大きな発信源のようです。

 原発をつくらなければ研究希望者が減る、というのは、どこか利益誘導的で傲慢な話ではないでしょうか。必要とあれば量子力学全般を対象に研究助成や奨励をすればいいので、放射線医学や、廃棄放射性物質の管理・処理、核軍縮など、これからの人類にとって大いに役立つ分野は、すくなくありません。発展してほしいのは塾頭も同じで、それは可能だと思います。

 次の技術万能主義のような話ですが、何の研究であろうと取り組む自由はあってしかるべきです。ただしそれは、あくまでも国策としではなく、兵器は別として民間でペイできる範囲のものでなくてはなりません。

 また、設備設計上100%の安全を見込めず、どこかに切り捨てなくてはならない部分のあることは当然です。しかし核施設は、万一の場合の被害の及ぶ範囲と、影響する年月の長さが桁違いであり、飛行機や新幹線事故と同じに見るわけにはいきません。

 このほか、次世代の原子炉、地中原子炉、夢の原子炉など原発を生き延びさせようという[はかない]プランがありますが、核反応施設や地球上に存在しない放射性原子を生むようなものを、時間と金を費やしてつくるのなら、それを再生可能のエネルギー開発に回した方がよほど効率的ではないでしょうか。 

 放射性廃棄物の処理方法も確立しておらず、戦争やテロに使えるようなものを、あえて残しておこうというのは、国際社会の中で特権的地位を守ろうとする、日本を含む核物質保有大国の傲慢さです。国策としてやる事業の研究は重要で程度が高く、小笠原島でこつこつ生物の固有種をさがす研究は、閑仕事で重要でないなどと誰が言えましょう。

 最後に、殺し文句の「原発がなければ電気料金が上がり、ものづくりが海外に流失して空洞化を招く」というものです。福島の農民や漁民が生産地を追い払われ、食糧や材木という大切なものづくりを空洞化させている現実に目をそむけている。「国策のため国益のためには、1地方が犠牲になってもやむを得ない」、これが最大の傲慢さでしょう。

 企業は、これまで原発所在地から受けてきた電力事情の恩恵の事を考え、電気料金の高負担は甘んじて受けるのというのが筋だと思います。そもそも、電気料金を上げざるをえなくなった原因が何であったかの反省が全く見られないというのは、どういう神経なのでしょうか。

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2011年8月15日 (月)

反戦塾乗11/8/15

「防災の日」を3月11日に
 今日66回目の終戦記念日。塾頭は、東日本大震災が起きた時、それに匹敵するほどの大事件であるように思えました。それはそうと、9月1日の「防災の日」、これは是非3月11日に変更していただきたい。

 9月1日は、関東大震災のあった日です。今回より死者の数は5倍も多いのですが、ほとんどが火災によるものでした。火災については、火災予防週間が年2回あるなど、その対策は相当進んできています。今回の地震の強度ははるかにそれを上回り、1000年に1度という大津波が起きました。また、原発事故の放射能被害があり、それが、これからもまだ続きます。

 菅首相が何もしなかったなどという人がいますが、塾頭は「かなりよくやった」と思っています。ご苦労様でした。最後に置きみやげとして、「防災の日」を3月11日にする閣議決定をしてください。これならば自公に妨害されず簡単にできるでしょう。もし、休日にするなら今がぎりぎり。来年のカレンダー製作に間に合います。

野田佳彦さんって楽天家ですね
 今度民主党の代表選に打って出るにあたって、自公と連立を提唱なさるとか。公明党とだけなら何とか、いや、それも難しいと思いますよ。小選挙区のもと、果たして自公協力のシステムまで犠牲にするでしょうか。

 そんなに簡単にできるのなら、どうして今までやらなかったのでしょう?。当然ちゃんとした政策協定が必要です。09年マニフェストをチャラにして自民党に合わせる、それじゃあ選挙民だましたことになりませんか。もういっぺん民意を問い直す必要があります。

 古い話で恐縮ですが13年の「志士の会」、覚えていらっしゃいますよね。松下政経塾後輩の中田宏前杉並区長、長浜博行参院議員、中田宏前横浜市長、それに河村たかし名古屋市長らと新党結成の旗揚げをされたことを。血判状を作って誓い合ったんだそうですね。そういえばこのメンバー、戦前の血盟団や5.15事件で指をつめた人たちのように、塾頭風情にはどうもこわい存在です。

 野田さんには責任がないかもしれませんが、その後みんな自分勝手の方に進み、みるみるうちにばらばらになった。あの高い理想はどこへ行ったのでしょう。それよりはるかに難しいと思われる自公連立。さすがは、松下政経塾第1期生。おおらかというか、楽天家なのか、期待しないで見守ります。(この項、出井康弘『松下政経塾とは何か』参照)

 暑い日が続きます。
涼しい顔をしているのは、菅さんだけ。みなさん、どうぞお大事に。
 戦没者と震災犠牲者に合掌!。

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2011年8月13日 (土)

お留守になった海外事情 5

イラン、イラク、シリア
 この3国は、緯度でいうと日本の名古屋から大阪に当たるような位置に首都を置き、昔から架け橋のように東西に連なっている。また、人類の文明発祥の地でありるにもかかわらず、砂漠の多さもあって西欧文明からは僻地扱いされてきた。

 その反面、その戦略的位置と石油資源をめぐって、植民地化競争の激しかった地域である。3国のうち、最近のニュースで大きな比重を占めるのが、シリアのアサド政権による反対派民衆への武力弾圧である。

 イスラム圏で民衆蜂起が始まったののは、昨年12月中旬、地中海でイタリアの対岸にあるチュニジアで、その成功を見て、エジプトや、アラビア半島の南端イエメンに飛び火、エジプトでは2月11日にムバラク首相が辞任を表明、世界に衝撃を与えた。

 2月中旬には、ペルシア湾岸でサウジアラビアののど元に位置する、小国バーレーン。また、チュニジアとエジプトに挟まれたリビアで、カダフィー大佐の退陣を迫る民衆との間で内戦状態に――。ここまでが日本の震災前で、シリアはその直後から規模が拡大した。

 震災報道に隠れてくわしい報道はないが、以前からシリアは日本にあまりなじみのない国であった。中東やアフリカの旧植民地は、第2次大戦後それぞれ独立を果たした。大まかな言い方をすると、それぞれの国境は、おおむね旧植民地の境界が踏襲された。

 そして、その後すぐ始まった冷戦は、それらの国々が親米であるか親ソであるかに色分けされた。これも荒っぽくいうと、サウジアラビアなど王族支配の国は親米、イスラム教国でもいろいろな宗派や民族をかかえる国は、国内の統一を優先し、世俗主義の大統領制や共和制を採用した。

 そういった国は、おおむね親ソで社会主義的ではあるが、宗教を認めない共産国ではない。ただここにきて、長期独裁政権、官僚腐敗などの不合理が一挙に表面化したものだろう。エジプトは軍部に対する不満が民衆の中に残っているものの、ムバラク首相を裁判にかけるという収拾段階に入っている。

 その中でリビアとシリアは、依然として激闘が繰り返され、一回の戦闘で何十人かが殺され、すでに1000人を超える犠牲者を生んでいる。これらがイラクの場合と違って、アメリカが介入をひかえ、リビア介入のNATOも及び腰であることである。

 その理由は、イラク戦争から得た教訓が次のようなものであったということであろう。(毎日新聞11/7/12)

 【テヘラン鵜塚健】イランのサレヒ外相は11日、バネッタ米国務長官がイラク過激派への武器供与に関連してイランを非難した問題で、「米国が善悪を正しく判断できる国だとは考えていない」と皮肉を込めて反発した。イランはイラク情勢について「混乱は国益に反する」として安定を望んでいると見られ、過剰とも映る米側の「イラン脅威論」の裏には、本年末に予定されている米軍のイラク撤退を前にした強い焦りがうかがえる。

 イランの武器支援援助疑惑に関しては、米統合参謀本部のマレン議長も今月7日に言及した。これに対し、イランのダナイファル駐イラク大使は「米国は『イラン恐怖症』をあおる口実を作っている」と批判した。

 こうした発言が続く背景には、イラン・イラク両国の関係緊密化がある。6月末、イラク政府は、イラク中部にある反イラン武装組織の拠点「キャンプ・アシュラフ」を閉鎖すると発表した。この組織を米国が間接支援していることは公然の秘密で、イラクのイランに対する配慮を見せつけた格好となった。

 イラン学生通信によると、80年代に戦火を交えたイランとイラク間の今年の貿易総額(見通し)は100億ドルで、2年前の7割増。イランからの電力供給や両国間のビザ相互免除も検討され、イランの影響力拡大が進む。

 イラクでの治安改善の動きが鈍い中で、米国は駐留米軍撤退をにらんで敵国イランの動きをけん制する狙いもあるとみられる。

 冒頭のにある、イランのイラク過激派への武器供与に関連した米国務長官発言に対し、イラン外相が「米国が善悪を正しく判断できる国だとは考えていない」と皮肉ったということは、イラン・イラク戦争(1980年9月22日~1988年8月20日)を想起してのことだろう。

 日本では「イライラ戦争」などと呼ばれたが、ホメイニ革命、米大使館占拠事件などでイランに対敵したアメリカは、イラクのフセイン政権と友好関係を結び積極的に支援した。また一方でイランにもひそかに武器援助するなど、もともとの国境紛争をシーア派のホメイニとスンニ派のフセインの対立というイスラム同士の戦いという性格も持たせた。

 その同志だったフセインを湾岸戦争以来敵に回し、遂にはフセインを逮捕、イラク後継政権に死刑を執行させることになる。なお、イラクはシーア派の方が人口が多く、それに次ぐスンニ派のフセインが権力を握り、一方の勢力クルド族を含め独裁的地位を保って国家統一を図っていた。

 アメリカは、戦争目的をフセイン亡き後、自由と民主主義の普及に変えたが、自由選挙の結果、人口の多いシーア派が首班となり、国教としているイランとの相互理解が深まった。これもアメリカとしては皮肉な結果としか言いようがない。

 この点、バアース党を標榜するシリアのアサド政権(現在は2代目)は、かつてのイラクのフセイン政権と似ている。ただし宗教はスンニ派が70%以上と圧倒的で、アサドは少数派の出身である。しかし、パレスチナ問題等で反米姿勢は終始変わらず、イランと宗派は異にするが友好的である。

パレスチナ、イスラエル、エジプト
 アメリカは今回のシリア暴動を弾圧するアサド政権を非難するが、介入は巧妙に避けている。仮に政権が崩壊して無政府状態の中からイスラム過激派がイスラエルなどに乱入するような事態も警戒しているらしい。同じ懸念はエジプト動乱の時もあった。

 パレスチナでは、対立していた穏健派のファタ派と、ガザ地区をにぎる主戦派の統一機運がでてきて、分裂していた方がやりやすく、いイスラエルにとっては脅威だ。また、同国には珍しく、若者を中心とした大規模なデモが発生しているというニュースもある。

 ガザ地区で国境を接するエジプトの新体制が和平に向けて定着すれば、中東情勢はこれまでにない情勢の変化が生まれるかも知れない。日本政府は、震災にかまけている(……それすら十分ではない)うちに、世界に取り残されないようにしなければならないのだ。

YOMIURI ONLIN より

【エルサレム=加藤賢治】パレスチナ自治政府のマルキ外相は13日、AFP通信に対し、9月20日にパレスチナの国連加盟を申請する方針だと明らかにした。

 9月の国連総会にあわせ、アッバス自治政府議長が国連潘基文事務総長に申請書を提出するという。

  国連加盟には安全保障理事会の承認・勧告が必要だが、オバマ米政権は「交渉による和平」を主張、申請しても拒否権を行使する方針をパレスチナ側に伝えている。アッバス議長は、イスラエルとの和平交渉の早期再開は当面望めないと判断し、米国の反対を押し切り、国連加盟申請を決断したとみられる。パレスチナ側は、加盟が失敗しても、国連総会でパレスチナ国家樹立を支持する決議案採択を目指すなど、国際世論の喚起を狙っている。

 ただ、パレスチナ側は、国連加盟を求める姿勢を見せながら、国際社会がイスラエルに交渉再開への圧力を強めることも期待している。中東和平を推進する米国と欧州連合(EU)、ロシア、国連の4者は交渉再開に向けた協議を続けており、同議長も交渉再開の可能性を否定していない。(2011年8月13日23時26分  読売新聞)

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2011年8月10日 (水)

ポスト菅は暫定内閣

 特例公債法案が11日に衆院を通過し、月内に成立することが確実となった。また、再生可能エネルギー特別措置法案も今月31日までの会期内に成立する方向で、既に成立した11年度第2次補正予算と合わせて首相の「退陣3条件」は月内に整う見通しである。
 
 そうすると、遠くない時期に首相が辞意を表明し、28日の日曜日に民主党代表選か、などとも報じられているが、もしそのスケジュールで進めば、現閣僚の野田佳彦、海江田万里、鹿野道彦のほか馬淵澄夫、小沢鋭仁、樽床伸二あたりが立候補するのだろうか。

 菅総理が後事を託すといった「若手・中堅」であるにしても、実績や知名度から軽量級であることは否めない。アンケートなどでトップにいる前原誠司や枝野幸男、岡田克也など本命級が音なしの構えでいるということは、この代表選が総選挙までの短命政権であることを物語っているようだ。

 候補が乱立するようでは、小沢グループの票の行方次第ということになる。去年のように反小沢グループを結集するという力は、すでに執行部を中心に残っていない。仮に小沢傀儡内閣ができたにしても衆参のねじれ現象は変わらず、これまで以上に与野党の協力が進むとは思えない。

 反小沢陣営から代表が出ても結果は同じである。内閣支持率が急上昇する要素にとぼしく、野党は、震災や福島事故の処理、脱原発、税制、外交、マニフェスト改訂問題など、民主党内でも意思統一が難しい問題での攻勢材料にことかかない。菅追い詰めの余勢をかりて、一挙に選挙に持っていきたいだろう。

 与党にとっても、選挙の洗礼を受けなければ強力な新政策を打ち出すことができない。菅後継の有力候補者が現れれば、あるいは菅氏による9月以降の解散もあり得ると思ったが、定数是正もしない違憲状態の選挙に持っていく無責任さにも問題があり、これはなくなったであろう。

 鍵は小沢元代表の政界復帰時期である。裁判は来年春、おそらく無罪判決となる。その前に小沢抜きで決着をつけておきたいという思惑から、解散総選挙になだれこむと、小沢の離党新党結成、自・民の保・保・小沢の連立か、民主・自民のリベラル、社民による連立か、いずれにしてもガラガラポンの目玉となるだろう。日本の政治レベルをこんなところには置きたくないのだが。

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2011年8月 9日 (火)

お留守になった海外事情 4

 インド、パキスタン、アフガン、イラン、イラク、東から西へ国境を接してつながる5か国が今どうなっているのか、さっぱりわからない。アメリカでさえどこまでわかっているのか怪しまれる。9.11の仇を果たすとして始めた戦争の敵は、国際テロリストを指揮したとされるビンラデイン個人であり、アルカイダという正体不明の組織だ。

 相手は国ではない。本来は警察が取り締まる対象である。しかし、「戦争」をはじめるためには相手「国」が必要になる。こうして、テロリストをかくまったとしてアフガンの政権をたおし、次に、ありもしない大量破壊兵器所持を口実にイラクを血祭りにあげた。それでもビンラディンは生きており、テロとの戦争をどうにかしてつなげなければならなかった。

 そこで標的にされかかったのがイランである。しかし、テロとの戦いで、同じイスラム教とはいえ、シーア派国家イランとスンニ派のビンラデンはどうみてもつながらない。核武装がイスラエルにとって脅威である、ということにでもせざるを得ないのだ。

 ビンラディンはすでに死んだ。ブッシュのまいた種は根深くこの地をあらしまわり、このさきどれほどの歳月をかければ復旧できるのか見通せない。前政権から引き継いだ膨大な戦費や金融政策の失敗の後始末をつけるため、野党の妨害を受けながら四苦八苦するオバマの姿は、そのまま原発事故に悩む日本の菅政権と二重写しになる。個別に見て行こう。

インド
 先月13日、インド西部ムンバイで少なくとも21人が死亡する連続爆弾テロ事件が起きた。これまでであれば、長年にわたるカシミール地方の所属をめぐる抗争が念頭にあり、インドはパキスタン・タリバン運動など過激派のパキスタン政府の意を受けた犯行として、両国の緊張を高めるのが通例だった。

 また、パキスタンはインドと対抗するため、以前から背後のイスラム教国であるアフガンと強い連携を保っていた。それが3.11以来、アメリカからさまざまな支援を受け、アフガン侵攻に力を貸すことになった。やはりインドに対する抑止力を期待したからだ。

 それが、前述のテロはインド国内のヒンズー至上主義の右翼によるものと、インド当局がいち早く推測したのだ。これはその少し前、ノルウェーで起きた銃乱射テロが、当初考えられていたイスラム教移民などの犯行ではなく、キリスト教原理主義の右翼青年であったというのと、どこか似ている。
 
パキスタン
 アメリカとの関係は、前述したが、5月のビンラディン殺害を機に、潜在的にあつた対テロ作戦に非協力的態度が表面化するに至った。というのはビンラディン急襲殺害作戦や無人機による民家爆撃など、あまりにも主権を無視した横暴ぶりに国内が持たなくなったからのようだ。

 軍事訓練のため駐留していた米陸軍の教官ら100人以上を国外退去処分にしたというが、、今年予定していたアメリカの軍事援助約20億ドルのうち8億ドルを凍結するという方針を、クリントン国務長官が認めていることから、その対抗措置だったと見られている。(毎日新聞7/13、ほか)

 それでも、両国が同盟国であることを捨てきれないのは、この地域の混乱を最小限度にととめておきたいという願望であろう。結局パキスタンぱ、タリバンとの和解を画策するアフガンのカルザイ政権や、影響力拡大をねらう中国との接近をはかり、インドとの関係改善を模索する中で、脱・アメリカへのテンポをますます高めていくのではないか。

アフガン
 現在アフガンに駐留する米軍兵士は約10万人いる。その最初の本格的撤退が先月13日に650人の部隊が撤退の途に就いた。ところが交代する部隊500人がこれを引き継ぐ。差引150人減だ。なんと中途半端なことか。アフガンの人にも米国民にもアピールするものがない。

 英国の9500人は2015までに撤退完了。フランスの4000人のうち1000人を来年末までに撤退の方針。そんな中、5日夜南部でタリバンによるロケット砲でアメリカ軍ヘリな゛撃墜きれ、38人という1度の戦闘では最大の死者を出した。こういった追撃が下火になるとは思えない。旧ソ連がさんざん経験したことだ。オバマがかじ取りを誤ると、とんでもないことになりかねない。

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2011年8月 8日 (月)

お留守になった海外事情 3

 3.11以降、海外事情のウオッチが途絶えていてたので、朝鮮・中国と見てきたが、次に東南アジアから西の方に目を移していきたい。なお、ついでながら当塾では、韓国・北朝鮮の朝鮮半島を一括していう場合は「朝鮮」としているが、その理由を書いておきたい。

 これまで、統一国家として使われた国号は、「新羅」「高麗」「朝鮮」「大韓」の4つである。最初の新羅、高麗は、百済とともに古代三国時代の国名である。それを新羅が武力統一し、また高麗が奪回したもので、その後李氏が政権を奪取、伝説時代の「朝鮮」を復活させたものだ。

 最後の「韓国」。韓は古代半島南部の民族名として使われていたが、国名としては、日韓併合前のわずか3年に過ぎなかった。戦後の66年を加えても70年に満たず、最長の朝鮮の512年から見るとわずかな期間だ。

 それに、韓国では「朝鮮」が禁句ではなく、たとえば「朝鮮日報」などと使うが、北朝鮮で「韓」を半島に冠して使う例は聞いたことがない。平たく言えば、「朝鮮」の方が江戸時代前までなさかのぼり、なじんでいるということだ。

フィリピン
 横道にそれたが、先週末飛び込んできた次のニュースガ目を引く。(毎日新聞 2011/8/6)

【マニラ矢野純一】フィリピンのアキノ大統領は4日夜、成田国際空港近くのホテルで、フィリピン南部毎日新聞 2011年8月6日ミンダナオ島の自治権を求め武装闘争を続ける反政府組織「モロ・イスラム解放戦線(MILF)」のムラド議長と、極秘会談した。

 フィリピン政府によると、両者はMILFとの和平交渉について、アキノ大統領の任期中(16年まで)に和平合意に達し、合意内容を実行に移すことを確認したという。また、MILF側がフィリピンからの独立や分離を求めていないことを確認した。

 MILF幹部によると、日本での会談はフィリピン政府からの要請で実現。日本は、英国やサウジアラビアなどとともに、09年11月から和平交渉のオブザーバー役を務める国際交渉団のメンバーになっており、安全上の理由から日本が会談の場に選ばれた。

 MILFの議長が大統領と直接会談するのは、97年の交渉開始以来初。MILFのジャファー副議長は電話取材に対し「和平交渉が加速することを期待する」と話した。一方、政府側は「歴史的な会談だ」とした。

 これが、ミンダナオ島独立をめざして長年内戦同様の武力抗争を続けていたイスラム教徒との和解につながるのかどうかわからない。しかし、一時はビンラディン配下のアルカイダなどと同一視され、アメリカの手をかりて撲滅をはかっていた頃に比べると大きな変化だ。

 フィリピンは、これで国力の多くを費やしてきたが仮に円満解決に向かうことなにれば、ASEAN内の発言力や中国に対する交渉に余力を持つことになる。つまり、これまでにはない潜在力を発揮できるだろうということである。日本の仲介も、アジアの中で大きな意味を持ってくる。

タイ
 先月の総選挙で、元タクシン首相の実妹・インラック・シナワットさんの率いるタイ貢献党が圧勝した。しかも下院の500議席中連立与党も含めて300議席になるという。つい先だってまで赤とか黄色のシャツを着て群衆が首都主要部をデモ隊が占拠、観光産業に大打撃を与えたことを考えると、劇的な様変わりだ。

 一方、経済はアジアの生産拠点として順調な発展を遂げており、タクシン氏の失敗をくりかえさなければ、国内対立の解消、カンボジアとの国境紛争など宿題はあるが、クリアーできないことではあるまい。

ミャンマー
 こちらも、軍事政権独裁と戦う仏教修行僧や日本人取材カメラマン射殺など、とげとげしいニュースでいつも覆われていたが、このところめっきりニュースガ少なくなった(ように感じる)。気になるのは、自宅軟禁されていたアウンサン・スーチーさんだが、以前より相当自由度が向上したようだ。

 旅行も解禁され、軍事政権と少数民族との対立につてい、仲介に乗り出すなどの動きも漏れてくる。ASEANの問題児も次第に受け入れられるようになれば、やはり大きい。経済発展の余地を大きく残した国だ。ASEANの強化につながる。

アメリカと世界経済
 今日も、アメリカ国債の格付け問題などの関連で、世界経済の先行きに不安を持つ金融市場の混乱のニュースが飛び交い、日本の震災関連ニュースも影が薄れがちだ。この件は、他で大きく論じられるだろうから、触れるだけにとどめておく。ただ、、軍事力と双璧をなしていたパスク・アメリカーナの凋落として、世界の潮流と関連する象徴的な現象だ。

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2011年8月 6日 (土)

憲法違反でも首にならない都知事

 田母神が首になっても、石原都知事ならおとがめなし。なぜか教えて!……。

2011年8月5日(金)21時8分配信 共同通信(アンダーライン塾頭)

 東京都の石原知事は5日の記者会見で、米国のオバマ大統領がノーベル平和賞受賞後にコンピューターを使った新しい核弾頭のシミュレーションを実施したことに触れ、「日本だってそれぐらいのことやったらいい。3カ月でシミュレーションできる。プルトニウムは山ほどある」と述べ、核保有のための模擬実験は短期間で可能との認識を示した。また、日本の防衛政策に関連し「日本は強力な軍事国家にならなかったら絶対に存在感を失う」と主張した

日本国憲法第九十九条[憲法尊重擁護の義務]

 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

 今日は広島原爆忌。都知事は、地方公務員特別職です。

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2011年8月 5日 (金)

お留守になった海外事情 2

 中国
 中国で大きなニュースは、なんといっても浙江省で起きた高速鉄道衝突事故である。これは単なる列車事故ニュースではない。国際関係にも影響しかねない極めて政治的な意味のあるニュースなのだ。

 輸入技術のパクリによる国際的特許申請とか、米国をはじめとする輸出攻勢に不利とかそういった問題ではない。中国の鉄道省が軍部と深い関係にあるという報道を奇異に感じた人は多いと思うが、塾頭はピンときた。

 古い話で恐縮だが、日本は日露戦争の結果、中国東北部の満州で、その動脈となる鉄道利権を手に入れた。その沿線を警備するという名目で派遣されたのが関東軍である。その関東軍が肥大して独断専行をほしいままにし、大陸侵略を進めて日本が敗戦まで追い込まれる原因を作ったのだ。

 その鉄道利権に対抗し、満鉄に並行する線を建設した地方軍閥・張作霖は、旅行中日本軍が仕掛けた線路の爆破を受け殺された。なお、日本の新幹線計画の最初は「弾丸列車」といって戦時中に立てられた。その最大の目的は兵員輸送である。また、ヒトラーが第2次大戦で各方面のへ出撃やユダヤ人虐殺のため鉄道を効果的に活用したことも知られている。

 そういった前大戦時の残滓が、化石のように中国に残っていたというのは驚きだ。以前、中国共産党というのは一王朝であり、4000年の歴史が示すように、それは民衆の蜂起により転覆する可能性があると書いたような記憶がある。

 中国を動かすのは、党である。政府という皇帝がいても、実際に跳梁するのは、軍とか、上海閥とか、そして鉄道省という宦官で、急成長を自らの利益に還元していたのである。しかし、日本も威張ったことは言えない。

 原子力の平和利用と言って、国策民営という怪物を生み半世紀も放置した結果、敗戦にも比すべき国難を招いている。この原子力体制の改変は、今の政局騒ぎを見ていても容易なことではない。中国もすぐ王朝が代わるようなことはないであろう。

 ただ、以前と違って人民の口をふさぐことができなくなっていることと、政府のあわてふためきぶりが白日の下にさらされてしまったことである。これまで、国民の不満をオリンピックなどのイベントや軍事力の国威発揚、あるいは尖閣諸島のような国際緊張意などでかわしてきたが、今回は中間層が表面に立っており、マスコミでさえ裏口で不満を爆発させている。これまでとは、あきらかに質的な違いがあるのである。

南シナ海のはるか奥深く、ASEAN関係国の沿岸近くまでえぐり取るような領海主張は、中国がいつもやり玉に挙げてきた「覇権主義」と全く変わりない。また、軍事力で威圧してもアメリカカをはじめ関係各国を敵にまわしては、実質的な益がないであろう。期待薄だが、このさき中国人民が人民革命軍のはねあがりをチェックできるようになれば、本物といえるのだが。

                

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2011年8月 3日 (水)

お留守になった海外事情 1

 3.11以前は、本塾の記事のうち少なくとも1割以上が海外関連であった。それがなんと過去4か月半で、5月5日に書いた「ポスト・ビンラディン」1本だけという閑散ぶりである。前原氏のあとを継いだ松本剛明外務大臣もいるのかいないのかわからないといった感じだ。

 それほど、東日本大震災の存在が大きく、福島原発の帰趨が塾頭の頭の中を中を占めてしまったということである。長らくご無沙汰していたところへいきなり飛び込んでいっても、すぐには全体像が見えてこない。

 実際に海外事情が混とんとしているのか、地下のマグマがある方向にむけて動こうとしているのか、見極めるためのアンテナはやはりいつも立てておかなければならない。そこで、断片的ながら、まず身近なアジア情勢から見ていきたい。

 韓国
  自民党の新藤義孝、佐藤正久、稲田朋美の3議員が、竹島問題に関連して鬱陵島の博物館を視察するという目的で訪韓したが、入国を拒否されたという事件があった。日本では、テレビで例により派手な演出で抗議する反日団体を写したり、政府の声明を流したりはしたが、いまのところそれだけにとどまっている。

 韓国の新聞の扱いは大きい(一般的に日本関係記事の比重は多い)し、領土とする主張に揺るぎはないが、相手を日本そのものというより、3議員が極右でネット・ウヨ程度の主張を繰り返す特異な存在であるという、紹介記事の方が多い。

 中央日報では、「政府は鬱陵島の博物館に招待し、相手は(日本の領土だからという理由で)断るだろうが、独島(竹島)へも案内したら」という、余裕たっぷりの社説を書いている。そのほかのことでは、最近の若者に的を当てた韓流ブームについて、金儲けに走った粗製乱造が多く、むしろ韓文化をまげて伝えるものという憂慮を示す意見もある。

 総じて、かつての対日被害者意識ではなく、余裕ある大人の対応が増えてきた感じだ。産業、スポーツ、教育などで日本を凌駕するものが出てきたり、国連など国際社会でそれなりの存在感を示していること、あるいは未曾有の大震災に対する同情もあるのかも知れない。

北朝鮮
 さまざまな苦境を乗り切るため、中国を手始めに追従(ついしょう)外交が始まった。金桂寛北朝鮮第一外務次官が訪米、約1年7カ月ぶりに事務接触を果し、昨日帰国の途に就いた。日本でも先ごろ宮城県知事などとの会談で暴言を吐いたとして匿名大臣を辞任した中井洽が、北と接触をしたとかしないとか、次元の低い噂が飛び交っている。

 いずれにしても、このところ変化の兆しがないとはいえない。最近、韓国の若者の間では、これまで民族の悲願とされてきた南北統一に冷淡で「統一しなくていい」という意見がふえているということだ。これも、北にとってかけがえのない切り札の威光に影がさし、孤立感に輪をかけることになる。

 報道は少ないが、先日の新潟・福島を襲った大雨は朝鮮半島も襲っている。人的被害の多さから見ても、北の農作物被害は、恒常的な飢饉に輪をかけ、民族の大脱出さえ招きかねない危機的な状況になる可能性もある。

 中国は、緊急避難として当然食糧援助を上積みする。韓国も同様無条件援助にまわるだろう。飢餓難民に押し寄せられないようにするためには、背に腹は代えられない。アメリカも協力するだろうが、その前に日本が前向きに行動すべきだ。

 これまで、北は他国の歓心を引くために、核実験、ミサイル、天安艦、延坪島砲撃、何でもやってきた。その戦術で前向きに物事を解決できないことが、ようやくわかってきたのではないか。最近、『朝鮮日報』は、次のように報じている。

韓国政府関係者は1日「金正日(キム・ジョンイル)総書記が金英徹(キム・ヨンチョル)偵察総局長を解任すれば、南北関係改善に向けて最低限の配慮を示したものと判断する」と述べた。

 2009年2月に韓国への工作を担当する偵察総局長に就任した金英徹上将(中将に相当)は、これまでの2年6カ月間、哨戒艦「天安」爆沈や延坪島砲撃、農協のネットワーク攻撃など大小さまざまな挑発やテロを企画・実行してきた事実上の主犯だ。韓国政府は金英徹氏が金総書記の周辺にとどまる限り、南北関係の根本的な改善は難しいとにらんでいる。

 これは、憶測記事に過ぎないが、そんな憶測が出ること自体、やはり局面展開の動きがあるとみていいのではないか。金英徹氏は、金正日の後継者とされている正恩の有力な後ろ盾とされており、後継者問題が棚上げになることもあり得る。仮に拉致問題に切り込むとしたら、こんな機をとらえるしかないのではないか。いつも同じ愚痴でしめくくらなければならないが、今の日本の政治に、そんな余力があるとは思えない。

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2011年8月 1日 (月)

パパは:原子力安全保安院

 TVのワイドショーを見ていたら、中部電力や四国電力のシンポジュームに保安院から「やらせ」を催促するような依頼があったと、原子力村の醜い内輪喧嘩に発展している様が映し出された。「泥棒を捕えてみたら、おまわりだった」というわけだ。

 さっそく、保安院の担当、さらに委員長まで引っぱり出され、「もしそうなら申し訳ない」と陳謝、さらし者になった。視聴者の反応は「こんな悪い奴らは許しておけない」だろう。日頃、口を(筆を?)極めて原子力村を攻撃する当塾だが、詫び言を言わされている彼らの方に立って想像した。

 今晩はきっと新橋あたりでヤケ酒だろう。いや、記者が張っていて「女がどうだ」などと記事にされるのもヤバい。そのまままっすぐのご帰還か?。手酌のすえ奥さんに当たり散らし、早々のお休みという段取りになる。子供は心配でならない。あすまた、学校でなにを言われるかわからない。先生にも冷たい目で見られそうだ。

 奥さんも子供が大事。ここを先途と一所懸命子供に訴えた。

「パパは立派なお仕事をなさっているのよ」
「電気が安く使えて停電の起きないようにするには、原子力発電所も必要でしょ。そこで事故が起きないようにっていうお仕事なの」

「原子力は安全か、などという会合があって、パパも説明に行かれたでしょ。そんなとき、ある党とか団体などから大勢人が参加して『何でも反対、反対』など言われると、議論にならなくなるわよね。だから、賛成の人も入ってチャンと議論する方がいいでしょ」

「そうなるように、ってなさったこと、それが本当の国民のためだと思ってらっしゃるのよ。私もそう思うわ。人になんて言われようと、パパを信じて心配をかけるようなことをしてはいけないのよ。わかったわね!」

 さはされど、善人と悪人をわけ、あるいは誰かを魔女に仕立て上げ、昼夜をとわず罵倒し攻撃し続けるマスメディア、これに便乗するのが役目だと思っている政治家や評論家。この方が塾頭にとってはるかにそらおそろしい。

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