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2011年8月 9日 (火)

お留守になった海外事情 4

 インド、パキスタン、アフガン、イラン、イラク、東から西へ国境を接してつながる5か国が今どうなっているのか、さっぱりわからない。アメリカでさえどこまでわかっているのか怪しまれる。9.11の仇を果たすとして始めた戦争の敵は、国際テロリストを指揮したとされるビンラデイン個人であり、アルカイダという正体不明の組織だ。

 相手は国ではない。本来は警察が取り締まる対象である。しかし、「戦争」をはじめるためには相手「国」が必要になる。こうして、テロリストをかくまったとしてアフガンの政権をたおし、次に、ありもしない大量破壊兵器所持を口実にイラクを血祭りにあげた。それでもビンラディンは生きており、テロとの戦争をどうにかしてつなげなければならなかった。

 そこで標的にされかかったのがイランである。しかし、テロとの戦いで、同じイスラム教とはいえ、シーア派国家イランとスンニ派のビンラデンはどうみてもつながらない。核武装がイスラエルにとって脅威である、ということにでもせざるを得ないのだ。

 ビンラディンはすでに死んだ。ブッシュのまいた種は根深くこの地をあらしまわり、このさきどれほどの歳月をかければ復旧できるのか見通せない。前政権から引き継いだ膨大な戦費や金融政策の失敗の後始末をつけるため、野党の妨害を受けながら四苦八苦するオバマの姿は、そのまま原発事故に悩む日本の菅政権と二重写しになる。個別に見て行こう。

インド
 先月13日、インド西部ムンバイで少なくとも21人が死亡する連続爆弾テロ事件が起きた。これまでであれば、長年にわたるカシミール地方の所属をめぐる抗争が念頭にあり、インドはパキスタン・タリバン運動など過激派のパキスタン政府の意を受けた犯行として、両国の緊張を高めるのが通例だった。

 また、パキスタンはインドと対抗するため、以前から背後のイスラム教国であるアフガンと強い連携を保っていた。それが3.11以来、アメリカからさまざまな支援を受け、アフガン侵攻に力を貸すことになった。やはりインドに対する抑止力を期待したからだ。

 それが、前述のテロはインド国内のヒンズー至上主義の右翼によるものと、インド当局がいち早く推測したのだ。これはその少し前、ノルウェーで起きた銃乱射テロが、当初考えられていたイスラム教移民などの犯行ではなく、キリスト教原理主義の右翼青年であったというのと、どこか似ている。
 
パキスタン
 アメリカとの関係は、前述したが、5月のビンラディン殺害を機に、潜在的にあつた対テロ作戦に非協力的態度が表面化するに至った。というのはビンラディン急襲殺害作戦や無人機による民家爆撃など、あまりにも主権を無視した横暴ぶりに国内が持たなくなったからのようだ。

 軍事訓練のため駐留していた米陸軍の教官ら100人以上を国外退去処分にしたというが、、今年予定していたアメリカの軍事援助約20億ドルのうち8億ドルを凍結するという方針を、クリントン国務長官が認めていることから、その対抗措置だったと見られている。(毎日新聞7/13、ほか)

 それでも、両国が同盟国であることを捨てきれないのは、この地域の混乱を最小限度にととめておきたいという願望であろう。結局パキスタンぱ、タリバンとの和解を画策するアフガンのカルザイ政権や、影響力拡大をねらう中国との接近をはかり、インドとの関係改善を模索する中で、脱・アメリカへのテンポをますます高めていくのではないか。

アフガン
 現在アフガンに駐留する米軍兵士は約10万人いる。その最初の本格的撤退が先月13日に650人の部隊が撤退の途に就いた。ところが交代する部隊500人がこれを引き継ぐ。差引150人減だ。なんと中途半端なことか。アフガンの人にも米国民にもアピールするものがない。

 英国の9500人は2015までに撤退完了。フランスの4000人のうち1000人を来年末までに撤退の方針。そんな中、5日夜南部でタリバンによるロケット砲でアメリカ軍ヘリな゛撃墜きれ、38人という1度の戦闘では最大の死者を出した。こういった追撃が下火になるとは思えない。旧ソ連がさんざん経験したことだ。オバマがかじ取りを誤ると、とんでもないことになりかねない。

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