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2011年8月 3日 (水)

お留守になった海外事情 1

 3.11以前は、本塾の記事のうち少なくとも1割以上が海外関連であった。それがなんと過去4か月半で、5月5日に書いた「ポスト・ビンラディン」1本だけという閑散ぶりである。前原氏のあとを継いだ松本剛明外務大臣もいるのかいないのかわからないといった感じだ。

 それほど、東日本大震災の存在が大きく、福島原発の帰趨が塾頭の頭の中を中を占めてしまったということである。長らくご無沙汰していたところへいきなり飛び込んでいっても、すぐには全体像が見えてこない。

 実際に海外事情が混とんとしているのか、地下のマグマがある方向にむけて動こうとしているのか、見極めるためのアンテナはやはりいつも立てておかなければならない。そこで、断片的ながら、まず身近なアジア情勢から見ていきたい。

 韓国
  自民党の新藤義孝、佐藤正久、稲田朋美の3議員が、竹島問題に関連して鬱陵島の博物館を視察するという目的で訪韓したが、入国を拒否されたという事件があった。日本では、テレビで例により派手な演出で抗議する反日団体を写したり、政府の声明を流したりはしたが、いまのところそれだけにとどまっている。

 韓国の新聞の扱いは大きい(一般的に日本関係記事の比重は多い)し、領土とする主張に揺るぎはないが、相手を日本そのものというより、3議員が極右でネット・ウヨ程度の主張を繰り返す特異な存在であるという、紹介記事の方が多い。

 中央日報では、「政府は鬱陵島の博物館に招待し、相手は(日本の領土だからという理由で)断るだろうが、独島(竹島)へも案内したら」という、余裕たっぷりの社説を書いている。そのほかのことでは、最近の若者に的を当てた韓流ブームについて、金儲けに走った粗製乱造が多く、むしろ韓文化をまげて伝えるものという憂慮を示す意見もある。

 総じて、かつての対日被害者意識ではなく、余裕ある大人の対応が増えてきた感じだ。産業、スポーツ、教育などで日本を凌駕するものが出てきたり、国連など国際社会でそれなりの存在感を示していること、あるいは未曾有の大震災に対する同情もあるのかも知れない。

北朝鮮
 さまざまな苦境を乗り切るため、中国を手始めに追従(ついしょう)外交が始まった。金桂寛北朝鮮第一外務次官が訪米、約1年7カ月ぶりに事務接触を果し、昨日帰国の途に就いた。日本でも先ごろ宮城県知事などとの会談で暴言を吐いたとして匿名大臣を辞任した中井洽が、北と接触をしたとかしないとか、次元の低い噂が飛び交っている。

 いずれにしても、このところ変化の兆しがないとはいえない。最近、韓国の若者の間では、これまで民族の悲願とされてきた南北統一に冷淡で「統一しなくていい」という意見がふえているということだ。これも、北にとってかけがえのない切り札の威光に影がさし、孤立感に輪をかけることになる。

 報道は少ないが、先日の新潟・福島を襲った大雨は朝鮮半島も襲っている。人的被害の多さから見ても、北の農作物被害は、恒常的な飢饉に輪をかけ、民族の大脱出さえ招きかねない危機的な状況になる可能性もある。

 中国は、緊急避難として当然食糧援助を上積みする。韓国も同様無条件援助にまわるだろう。飢餓難民に押し寄せられないようにするためには、背に腹は代えられない。アメリカも協力するだろうが、その前に日本が前向きに行動すべきだ。

 これまで、北は他国の歓心を引くために、核実験、ミサイル、天安艦、延坪島砲撃、何でもやってきた。その戦術で前向きに物事を解決できないことが、ようやくわかってきたのではないか。最近、『朝鮮日報』は、次のように報じている。

韓国政府関係者は1日「金正日(キム・ジョンイル)総書記が金英徹(キム・ヨンチョル)偵察総局長を解任すれば、南北関係改善に向けて最低限の配慮を示したものと判断する」と述べた。

 2009年2月に韓国への工作を担当する偵察総局長に就任した金英徹上将(中将に相当)は、これまでの2年6カ月間、哨戒艦「天安」爆沈や延坪島砲撃、農協のネットワーク攻撃など大小さまざまな挑発やテロを企画・実行してきた事実上の主犯だ。韓国政府は金英徹氏が金総書記の周辺にとどまる限り、南北関係の根本的な改善は難しいとにらんでいる。

 これは、憶測記事に過ぎないが、そんな憶測が出ること自体、やはり局面展開の動きがあるとみていいのではないか。金英徹氏は、金正日の後継者とされている正恩の有力な後ろ盾とされており、後継者問題が棚上げになることもあり得る。仮に拉致問題に切り込むとしたら、こんな機をとらえるしかないのではないか。いつも同じ愚痴でしめくくらなければならないが、今の日本の政治に、そんな余力があるとは思えない。

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