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2011年6月10日 (金)

「脱原発」政党の非力

 政界混乱、原発迷走の中で「脱・原発」の機運が高まっているが、これを党の政策として掲げているのは、社共両党だけである。地震後まもなく3か月、原発関連情報は放射能被害を中心に今なお国民の最大関心事である。

 どうしてこのような被害を受けなければならないのか、これまでにほとんどの人が、従来の原子力政策に犯罪的な欠陥があることを知った。そして「脱原発」の実現を期待する意見が、日ごとに高まり、市民権を得るようになった。

 民・自・公の3大政党は過去の政策を推進または支持してきた経緯もあり、いまだに前向きのエネルギー政策や原発の処理について、明確な政策提言を打ち出せずにいる。社共は、国民の心をとらえるまたとないいい機会を得ているのだ。

 共産党は、志位委員長が菅首相に政策転換の提言を手渡し、脱原発の署名運動を開始した。そして、社民党はA4で40ページにも及ぶ「脱原発アクションプログラム」を発表している。しかし、マスコミの冷淡さにもよるが市民の関心はそこに向いていない。

 社民党のプログラムは、過去の経緯を説き、問題点を列挙し、脱原発へ移行を可能なこととするデータを網羅するなど、なお注文はあるものの、取捨選択をす進めていけば新国策として十分たたき台になり得る。

 脱原発を果たしても、放射能のある廃棄物処理や外国の核施設の危険性は依然として継続する。それに対して日本が持つ原子力の技術、経験を今後どう活かしていくかという点もほしかった。しかし、「2020年までに原発ゼロ、2050年には自然エネルギー100%に」という、意欲的な目標に向けたタイムテーブルを示した点は評価できる。

 なぜ、市民の目が向かないか、それは、両党が慣用するスローガンのひとつとしか見ておらず、それで政治が動くとは考えていないからである。それが、万年ミニ政党化した両党の悲哀と言わざるを得ない。政治的影響力を取り戻すにはどうすればいいか。

 まず両党を解党し併合する。さらに他党の有志をつのり「脱原発議員連盟」をつくり議員立法までもっていく。そういった中で公約をかかげ、全国に新党の候補者を立てれば党勢の拡大疑いなしである。

 両党当事者は考えてもいないだろう。なぜならば、同じ政策をたてても細部で対立し「……はわが党だけ」の唯我独尊主義や「時により変節する」というような非難をしあう左翼同士討ち癖から脱していないからだ。

 政権を争う醜い攻防にあきあきしている国民は、せっかく良い政策をかかげるても、政治に反映させる力のない社共にあきあきしており、これも政治不信の原因になっていることに気づいていないのではないか。

 なに党であろうと、今、すばやい変身をとげることのできる党、これがきっと未来の政治を築く勢力になるだろう。無難を決め手とする暫定首相や大連立からは何も生まれるはずがない。

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コメント

君子豹変すで、
日本版の緑の党をつくってしまえば、
今こそ、躍進のチャンスですのに・・・

投稿: 金木犀 | 2011年6月10日 (金) 21時03分

2020年までの停止、2050年までの廃止と言う目的の脱原発アクションプランを拝見しました。
かつての連立与党に加わり、野党となっても建設的な野党として大いに評価出来ると思います。
サミットの時に、管総理の2020年までに再生可能な自然エネルギーを20%以上に増やすと言う目的にも沿っているところもあるのでは無いでしょうか。
更に節電による電力需要の抑制ということも考えれば、来年にでも全ての原発を停止したとしても、既存の火力発電や水力発電でも十分に賄えることになるとも考えられます。
ただ、それに併せて再生可能な自然エネルギーによる電力供給を増やしていくことで、火力発電を減らして行けば良いだけのことではありますが、同時に、日本経済全体としての成長を諦め、中規模程度のほどほど国家として、国際競争力は衰退し、国際社会での存在感も低下させることで、もうこれ以上の効率化や便利さや物質的な豊かさを求めなければ、もうそれで良いと思います。
ただ、核燃料サイクル計画の凍結についてですが、これについては、放射性廃棄物の再利用や処分方法等も含めて、これまでの失敗に至った原因等を改めて検証した上で、実用化できるところがあれば、例えばベトナムやトルコ等へ原発を輸出する際に、アメリカやフランス等の協力と共に考えて行ければと考えております。
中国やインド等に対しては、原発が欲しいのなら、どうぞアメリカやフランスから買って下さいと言えるかも知れませんが、ベトナムにとっては、南砂諸島のことで、尖閣諸島と同じような問題を共有しており、かつての植民地時代やベトナム戦争の歴史的経緯もあれば、安易にアメリカやフランスか中国あたりから買って下さい等とは言えないところはあると思います。
だからこそ、我が日本に頼ってくれることを誇りと思えば、今回の事故の教訓と放射性廃棄物の処分と共に再生可能な自然エネルギーによる電力と併せて、ベトナムやトルコに力を貸してあげることが出来れば、それで良い思います。
しかし、日本では十分でないところに関してはアメリカやフランスと協力を求めれば、それだけでもお互いの国益に繋がるのだし、受け入れ側のベトナムやトルコにとっての国益に貢献できると思えば、此れほど喜ばしいものは無いし、大いに力を貸してあげましょう。
小職が北方領土問題で懸念することは、まさかとは思いますが、北方領土が返還後に国後島か択捉島あたりに、放射性廃棄物の処分場が建設されることにならないかということです。
それと、北方領土には手付かずの貴重な自然が残っており、それを大切に守りながら、観光と農林水産業だけの穏やかな島であれば良いので、必要な電力として地熱発電が建設されるのは構わないものの、経済成長を諦めきれない人も数多く残っていることからすれば、観光リゾート開発が進み、観光客の増加と併せて自然破壊や廃棄物の増大により、結果的に北方領土が、日本のゴミ捨て場になってしまったということで、国際社会からいい笑い者にされる位なら、一層のこと、北方領土の返還は、実現出来るかも知れないものの、敢えて諦めても何ら惜しくは無いとも思います。

投稿: asa | 2011年6月11日 (土) 12時26分

金木犀 さま
緑の党のことを書こうと思っていましたが、あまり知識がなく、ただ、ドイツの首相が考え直すほどの力があるのはうらやましいですね。ヨーロッパは複雑だけど日本よりは進歩している。

asa さま
地震が多くい捉島に核施設をつくるということは、いやがらせ以外に考えられませんね。ロシアには北極海に面していくらでも土地があるわけだし、択捉の利用価値から見てそれは避けるでしょう。もっともいやがらせをして日本に高く売りつけるというなら別ですが。

原発輸出は、もしもの時日本が空母を派遣して「ともだち作戦」というわけにもいかず、慎重であるべきだと思います。また日本でやらないものを外国に売りつけるというのは、道義的な問題でどうでしょう。

受忍すべき生活レベルについては、近く軽い引用記事を書こうと思っています。

投稿: ましま | 2011年6月11日 (土) 17時30分

>政治に反映させる力のない社共にあきあきしており、これも政治不信の原因

国民は知っているのですね。55年体制のとき、反対野党の社会党が裏で金貰ってガス抜き役に勤めていたことを。村山内閣なんていうとんでもない時代から社会党はもはや存在意義を失った。
 共産党が現実路線を言うならば、今の志位さんの代で党名変更がまず第一だった。これは、共産党をかげながら応援している国民の本音だったけれどもやろうとしなかった。

共産と社民が合併できるならばとっくにやっていると思うが、社民が二分することはあっても現実では無理でしょう。

純粋なのはいいけれども、本当に国民が共産党に一度は政権を任せてみたいと考えるにはハードルが高すぎる。現実から100メートル離れて走っているんだもの。これは100メートル先を走っているのか、100メートル遅れて走っているのかの論争ではない。

共産党がその100メートルの距離をせめて30メートルくらいまで縮める努力する政党か否か?

仮にそうなると、堕落したとか、妥協したとかで党内は大混乱するだろうし、結果としてますます純化していくだろう。

要は議論と思想は立派だけれども現実を見つめていけない党ということで、多くの国民の支持はもらえないままに終わるという気がする。

共産党的な野党は必要だが、自ら与党としてこの国を動かしていくんだという自覚は見えない。

右翼の街宣車を見かけるたびに多くの国民はあざけりの視線を送るが、赤旗をたなびかせて正義だけを謳う人たちに対しても国民は疲れ切っているのです。

100点取らなければいけません!!という教育ママの姿が子供たち(国民)を萎縮させていることに、教育ママは気がつかないんですよ。

私はそれでも直近の選挙では共産党さんに投票しましたがね。民、自、公並みに困った政党だなぁ・・・と考えています。

投稿: kappa | 2011年6月15日 (水) 06時56分

kappa さま こんにちは

社共合併など無理……、正解です。しかしこのままでは選挙ごとに議員をへらし、社民党はあと数回の選挙でゼロ、共産党はわずかな比例代表と地方議会だけの政党になるという予測も正解でしょう。

今の非常時に政局ごっこをしている議員を見ると、すべて頭の中がからっぽのひとばかりのように見えますが、この際、主張を実現させるため大英断が下せないような政党なら、やはり頭の中は空っぽで、国会にいる必要はない、ということになります。

政策実現のために、連立与党になる必要はありません。純血主義を通すため、政策面での妥協や取引を一切しないというのは、政治ではないと思います。

必要とあれば、自民党の河野太郎の脱原発議員連盟と手を組んでもいいんです。すこしはマスコミの目を引き付けなくては。同じことが民主党のリベラル議員、社会党出身者にも言えます。

投稿: ましま | 2011年6月15日 (水) 09時21分

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