不信任案否決
菅内閣不信任案は、マスコミの懸命な「菅危うし」予告にかかわらず見事に裏切られた。接戦どころか与党側の圧勝である。その前提には、民主党代議士会で菅首相が明らかにした、震災復興のめどがついた時期を見て辞職するという発言がある。
不信任案賛成 152票 34%
反対 293票 66%
(投票総数) 445票 100%
不信任案は、自・公・たちあがれの3党提出で、その他の野党は共同提案に加わらず、社・共は棄権にまわった。最大の焦点となったのは、民主党の造反者がどれだけ出るかであった。代議士会では、小沢氏と行動を共にするといっていた鳩山氏が、自発的辞任の申し入れを受け入れてもらった、と方針転換を表明、本会議場では青票を投じた。小沢派にしてみれば、裏切りである。
また、原口一博氏も要求が容れられたという理由で賛成投票を避ける意向を示していた。小沢元代表ですら、自主投票という線まで後退し、小沢氏をはじめ15人(社共などを含めると33人)が本会議を欠席または棄権した。小沢氏の最後の賭けは、今後平将門に終わるのか、壊し屋として奇跡の復活をはたすのか。追い詰めたはずが、離党するのかどうか逆に追い詰められている。
小沢支持グループのうち去就を決めかねていたメンバーは、党首会談や本会議開催直前に開かれた代議士会の模様まで見極め、ぎりぎりまで態度を決めかねていた。その経過の中で、昨日から今日までの間、風は賛成から否認に傾いているな、という感じがしていた。
マスコミは何度も震災被災者や国民にマイクを向けていたが、「こんな時期にどうして国民そっちのけで、政争に明け暮れするのか」「首相をかえるというのか」という声に圧倒され、首相不信任の理由に首をかしげていることが明瞭になっていた。
さらに、党首討論がそれに追い打ちをかけた。守勢で丁寧に協力を要請する首相と、具体的な失政をつく決め手を欠く谷垣総裁。攻めあぐねて最後は、「与党内をまとめてください」という内政干渉めいたの捨て台詞で終わった。山口公明党代表はもっと愚劣だった。中身というより、やくざの恫喝まがいの怒声は、国民にますます泥仕合の印象を残すだけになった。
ここまで、小沢派の力がそがれたのは、鳩山工作もあるが野党の戦術の拙劣さにも原因がある。しかし最大の要因は国民の気持ちだろう。菅首相の辞任時期についてその時期が云々されているが、秋にはオバマ大統領と会う約束がある。辞任を表明した首相が大統領と正式会談をするわけにいかないので、決着をどうつけるか、それがひとつの目安となりそうだ。
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コメント
今日の毎日社説で次の首相候補も替わりの政策も示さず不信任に走った自民を厳しき批判。
ところが小沢一郎の方をもっと悪い(無責任)だと主張してるのには呆れるばかり。
今、何が一番の問題なのかの自覚が無いのでしょうか。
管首相は、原発は『否定するものではない』で原発肯定派、自民党総裁はもっと悪くて『原発は必然』と無反省の肯定派。
どちらも肯定派なのですが、実は小沢一郎は明確な原発否定派。
肯定派同士の不信任ならメディアが言うようにどっちもどっちの泥仕合ですが、
否定派の不信任なら今一番も大問題の政治闘争ですよ。
それにしても日本のメディアですが2011年 5月 27日付けウォール・ストリート・ジャーナルインタビューでの小沢一郎の指摘を全く無視しているのは真底怒りを覚える
小沢発言が口から出まかせの嘘八百の法螺話で無いとしたら、
原発に対する考え方も今の事故の収束の見通しも、放射能被害の問題でも、管政権とは正反対の180度違う見解なのです。
放射能は安全ではなくて事故の収束は容易ではない、政府発表とは違い(東京も危険になる)最悪の事態が進行中であり、情報の全ての開示と原発からの撤退を表明しているのです。
マスコミがこの明確な事実を報道しないで完全無視する今の態度は、余りにも無責任で不真面目ですね。
『日本のマスコミはどうしようもない。』との戸沢一郎の言葉は印象的でした。
投稿: 宗純 | 2011年6月 3日 (金) 10時22分
政治はまだ混とんとしていて触りたくない存在になってしまいましたが、菅さんには同情すべき点もあります。
彼自身は、中身が「脱原発派」だと思っています。ただ、今の福島や既存原発を処理するうえで、東電、保安院、安全委員会、それに経産省官僚の現職スタッフに頼らざるを得ない側面があり、事故に区切りがついて彼らを追放し新組織にならなければ、思い切った転換表明ができない、ということでしょう。
しかし、それをするためには現在の民主党原発政策も再転換せざるを得ず(政策立案に小沢氏も責任あり)、彼も事故の責任の一端を担っているわけですから、一蓮托生ということになるでしょう。
投稿: ましま | 2011年6月 5日 (日) 13時21分