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2011年6月22日 (水)

ソフト・エネルギー・パス(2)

 前回は大来佐武郎氏の序言の紹介から始めました。今回は、著者が序章として「日本におけるソフト・パスの可能性」を最初に持ってきているので、そこから2、3拾ってみましょう。日本人の原発受け入れに対しは次のように観察しています。

 工業の急激な成長と多くの潜在的な困難を想定するとき、その背後にある社会価値および確実に莫大な費用のかかる新規のエネルギー施設に関する疑問が日々強まっている。なぜ多くの日本人が原子力施設を望まないか、その理由を探索するのがここでの目的ではないが、私はその理由の多くは健全なものだと思う。これらの施設が望ましいと思う官僚でさえも人々が望まないところで、建設を強行すれば、それは高い政治的コストを伴い、想定されていた統治の正当性を揺るがすかもしれないということを認めざるを得ない。(施設を受け入れた地域に、公的な「刺激」を支払うという日本独自のやり方は、他の国では施設がうけいれられるべきでないことの確認とみなされる)。

 この最後のかっこ書の中身を紹介したいために長い引用をしてしまいました。塾頭も前から疑問を感じていたことですが「札びらでほっぺたを叩く」、つまり態のいい買収ですよね。決して明朗とは言えない。アメリカの元沖縄司令官ではないが、やはり「たかりの名人」と見られてしまう。「日本独自の……」とは情けない話ですが海外の目はそんなものなんでしょうか。そして、日本の将来に対して次のように予測します。

 日本が立つ真のエネルギー問題の最先端は、省エネルギーと(なさねばならない仕事に合った質と規模のエネルギーを供給する)再生可能エネルギー源を総合化した理解可能な計画に、印象的な日本の技術と日本人の勤勉さと団結力とを用いることにある。しかしこのような計画は、それが育つ環境さえ与えれば、中央による上から下への指令という形ではなく、自ら数千の花を開かせることになろう。

と楽観し、最後にこう期待してしめくくります。

 日本人はその独創性と、自立の精神によって、どこの国よりも早くソアト・エネルギー・パスを達成するだろうと私は信じている。私はこの本によって引き起こされた議論によって、「日出ずる国」にいる人が世界を揺り動かすような機会を掴むことを望みたい。

 菅首相が、70日の国会会期延長を持ち出し、「再生エネルギー法案」の提出に執念を傾けていると報道されました。もう見たくも聞きたくもない国会の機能喪失ですが、次回はこういったエネルギー政策の転換がいかに困難であるか、またそれを達成するには、社会・経済・文化、あらゆる面で大きな転換がはかられ、人類が享受できる新たな発展を目指すことができる、という部分を紹介します。

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受信: 2011年6月22日 (水) 14時43分

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