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2011年4月21日 (木)

原発対応と消防の違い

 同じ災害でも火災と原子力災害ではずいぶんちがう。どう違うか。

 消防は「喧嘩と火事は江戸の華」の時代から、数百年におよぶ伝統と実績があるが、原発ではすべて初体験。

 消防法という法律がある。その基本精神は「自分の事は自分が守る」である。たとえば無人島とか野中の一軒家がある。隣の家や山林などに延焼するおそれもない。そういうところは持主が火の用心をすべきで、消防隊が出動することはない、という考えだ。

 したがって自分の町は自分が守るという消防団の発想、江戸でいえば火消し「め組」のプライドがそのベースにある。政府の所管も統合前の自治省、今の総務省となるが、細部は自治体の条令で定められ、しばしば中央の基準を上回る規制をすることもある。

 消防法には「危険物」の規定がある。石油は全面的に危険物で、灯油はもとよりアスファルトまで入り、化学薬品もそうだ。ところが、火災の原因ですくなくない電気・ガスは危険物ではない。もちろん核燃料棒も放射能も入っていない。

 電気・ガスの保安、安全は経産省(旧通産省)の管轄で、産業保護・奨励の立場からコスト増になるようなことは避けたがる。消防法にゆだねられている部分ならば、地方議会は安全確保を最優先し、保守から共産まで全会一致で厳しい規制を条令化することができる。

 危険物を製造・保管する工場では、町の消防が来てやたらに水をかけたりするとかえって危険な場合がある。それを考えて昔から自衛消防隊を自前で組織していた。現在は、一定規模を超える施設がある地域には、単独または企業が共同で、高所放水車、化学消火車など特殊機能を持った機材を駆使する自衛消防隊設置が義務付けられている。

 福島原発で、なにも外国から取り寄せなくても高所放水車は国産でいくらでもあるのだ。どうして警察の高圧放水車などを思いついたのだろう。それより、今頃電源車を配備するなど、災害時の自衛組織が大アマだったことは、国家主導・地方軽視または蔑視による災害としかいいようがない。

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