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2011年4月22日 (金)

「脱・原子力ニッポン!」を①

 「唯一の被爆国・日本」が、「3度目の被曝国・日本」になった。

 「これからの日本をどう作っていく」といった議論が盛んになりそうだ。当塾は声を大きくして主張する。これはチャンスだ、「脱・原子力ニッポン!」でいこう。 というと、「自然にやさしい新エネルギーの開発普及」と思うだろう。そうではない。それは半分で、あとの半分は、原子力の研究とそれにたずさわる事業で世界一となれ、ということである。

 原発を作ったり外国に売り込んだりするのではなく、原発を廃炉にしたり、放射性廃棄物処理のノウハウを持ったり、核弾頭や原潜・空母などの解体事業を行うのだ。地震国ニッポン、被曝国先進国ニッポンの生きる道である。

 当然、外交は核軍縮・核拡散防止、戦争放棄の先頭に立つ。日米同盟がこれで壊れることはない。むしろ深化につながるだろうし、つなげなくてはならない。自民党でもない、民主党でもない、そのような政策を掲げて新党立ち上げれば、やがては第一党になれるはずだ。

 結論を先述べたので、ここから先は時間のある方だけお読みいただき、妄言でないことをご理解いただきたい。

 世界の原発は、去年までの統計でアメリカ104基、フランス58基、日本54基、以上がベストスリーで、第4位が日本の半分のロシア14基である。脱原発国を名乗れる資格十分の実績(福島の経験を含めて)を持っている。

 日本に原発建設を促進させる政策はいつから取り入れられてきたのか。講和条約が発効してわずか3年後の1954年、早くも改進党議員・中曽根康弘らによる動きがあり、読売新聞社主であった正力松太郎がひそかにアメリカのCIAとわたりをつけ、55年末までに「原子力体制」の骨格がほぼできあがった。

 「原子力体制」という言葉は、政・官・電力会社・地方自治体、それに学・メーカーまでを一丸とし、手厚い国の保護のもと市場原理とは縁のない一種の社会主義的な施政をいい、いまなお公式に通用している。

 「体制」といえば、戦争前近衛内閣当時の「新体制」を思い出さざるを得ない。国家目標を実現させるために政党を解体し国論の統一をはかる方向だ。日本人の悪い癖だが、その体制に乗らない、また乗れない輩は「反体制」として村八分になり、競ってバスに乗り遅れないようしがみつく。

 当塾は、核の傘論や北朝鮮の核などに関連して、核に関する研究や核武装についての議論すら封印する、いわゆる核アレルギーにつていは批判的だった。一方、原発の安全神話には懐疑的で、新設ではなく撤退の方向が正しいと思っていたし、輸出についても、事故をどう防ぐのかが気になっていた。

 しかし、「脱原発」とまでは言わなかったのは、そのうち、画期的な技術の進歩があり「原子力の平和利用」に寄与する余地があると思っていたからだ。それがもろくも崩れ去ったのは、今回の原発事故で示された「原子力体制」への不信である。

 「体制」とは便利な道具だが、いざとなると誰も責任をとらない。ことに許しがたいのは、原子力安全委員会などを構成する学者で、「想定外」などを集団で陳謝したものの誠意は全く感じられない。現委員が現地本部を訪れたのは、事故発生から40日もたってからやっと1人来ただけだという。

 旧委員の中には、安全神話に加担した反省で謹慎するのかと思ったが、逆にあれやこれやのアイディアを持ち込み、政府や現場がそれを採用しないとか、決定が遅いといって荒れ狂っているものがいると聞く。

 そんな手合いにこの先の新技術に夢を託すわけにはいかない。しっかり自らを総括し、新論文を提出してみそぎを済ませてからでないとこの世には出せない。次いで、このブログでも指弾していた東電幹部である。こう見てくると政府が最も最善を尽くしているようだが、最高責任を背負う立場だから逃げはきかない。

 これからの最も重い責任は、60年近くも続いたこの「体制」を菅首相の言うように「白紙に戻して」再検討することである。当ブログで「原発を国営化せよ」と主張したが、これは、電力会社にこれまでのような無責任な運営を任せられないという一時的な措置である。民主党は結局「体制」に取り込まれてしまっていたが、これを見直すことができるかどうかである。

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コメント

全面的に大賛成です!今までやたらとこの狭い国土に原発を乱立させてきた日本が、事故をきっかけに脱原発社会を目指し、原発をスムーズに廃炉にする技術を世界中に発信していく。これは素晴らしい案だと思います。
政府に、新エネルギーの開発に全力を尽くして欲しい、とまでは考えましたが、原発廃炉の技術開発、研究に全力を尽くして欲しい、とまでは、思いつきませんでした。
さすがお父上!

投稿: ヨーコ | 2011年4月23日 (土) 19時06分

ネット接続不具合があって②をやっとこれから公開します。

③まで行くかどうか不明ですが、肩に力が入らないようボチボチやっていきます。世論がその方に向いているようなのが励みです。

投稿: ましま | 2011年4月24日 (日) 09時30分

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