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2011年4月 1日 (金)

原発現場に陣中要務令を

 『陣中要務令』には、帝国陸海軍ことに士官以上の軍人が遵奉すべき神髄が示されており、大正13年8月に発令されたものです。当塾では、関東軍が満州をめぐって中央の意向に逆らい、陰謀やテロで戦線を拡大していったことを調べる上で、この要務令を史料として調べました。

 その中で「独断専行」をよし、とするような記述が、にあることを記事にしたことがあります。天皇の軍隊ということで、文民統制は全く利かず無謀な戦争に突っ込んでしまいました。その部分を除くと、今の自衛隊にも骨子が受け継がれているともいいます。

 軍隊とはどういうものか、軍人として心得ておかなければならないことは何か?。なかなか味わいのある文章なので、声を出して読む価値があります。ついでに、漢字読み取りのクイズをしてみましょう。アンダーラインの読みの回答は、文末にあります=まちがっていたらごめん(^-^;)。

 読みがわからなかったり、まちがった場合は、100点満点で1問につきマイナス2点、90点以上ならなかなか優秀、塾頭も頭が上がりません。70点以上なら合格ということにしましょう。

 ついでに言いますが、は、この際菅総理大臣、そして東電幹部に繰り返し読んでもらいたい部分です。もうこうなったら遅い、とは言いません。せめてこれからいい方向に向かうよう、渾身の努力を傾けてください。
 

【陣中要務令】

綱 領

 軍ノ主トスル所ハ戦闘ナリ故ニ(1)百ノ事皆戦闘ヲ以テ基準ト為スヘシ

 軍ハ軍規ヲ以テ成ル其消長ハ勝敗ノ由テ(2)ルル所タリ軍規常ニ厳粛ナラサル可カラス(3)シテ軍規ノ要素ハ全軍ヲシテ至誠上長ニ服従シ其命令ヲ確守スルヲ以テ第二ノ天性ト為サシムルヲ要ス

 命令ノ実施ニハ独断ヲ要スル場合(4)カラス(5)シ兵戦ノ事タル其変遷測リ難ク命令ノ指示情況ノ変化ニ伴ハサルコトアリ此ノ如キ場合ニ於テハ受令者自ラ其目的ヲ達シ得ヘキ方法ヲ採リ独断専行ハ応変ノ道ニシテ常経ニ非サルナリ(6)ニ発令者ノ意図以外ニ脱逸ス可カラス

 典則ハ運用ヲ待ツテ始メテ其光彩ヲ発揮ス而シテ運用ノ妙ハ人ニ存ス人々(7)ク身ヲ以テ責ニ任シ機宜ニ応シ之ヲ活用スヘシ(8)ヨリ(9)ニ典則ニ(10)クヘカラス又之ニ拘泥シテ実効ヲ誤ル可カラス

 軍務ハ多端ナリ是レ各級指揮官ヲシテ各々其任務ヲ分(11)セシムル所以(12)ナリ故ニ各級ノ指揮官ハ一般ノ目的ト任務トニ(13)ヘ(14)ラ心力ヲ職責ノ在ル所ニ(15)シ他ノ補助ニ倚頼(16)スルコトナク毅然トシテ其任務ヲ全ウスルコトニ努ムヘシ此ノ如クニシテ後全軍ノ協同一致得テ期スヘキナリ

 統帥ノ要訣(17)ハ軍隊ヲシテ常ニ百般ノ準備ヲ整ヘ命令一タヒ下レハ勇往邁進シテ忠愛ノ至誠、精鋭ノ技能ヲ発揚シ自ラ信シテ優秀ナル成功ヲ期待セシムルニ在リ而シテ情況ヲ達観シテ明断果決、敏活ニ処置スルハ又部下ノ自信ヲ鞏固(18)ナラシムル要件トス

 為ササルト遅疑スルトハ指揮官ノ最モ(19)ムヘキ所ト為ス(20)モ之ヲ為シ之ヲ断行セハ(21)ヒ其ノ方法ヲ誤ルモ尚為ササルト遅疑スルトニ勝ル蓋シ此両者ノ軍隊ヲ危殆ニ陥ルルコト(22)ロ方法ヲ誤ルヨリモ甚シキモノアレハナリ

 将校及下士ノ一挙一動ハ(23)ク部下ノ模範タリ慎マサル可カラス殊ニ剣電弾雨満目悽愴(24)ノ間に立チテ沈着機ニ処シ泰然トシテ動カサルトキハ森厳ナル威容自ラ外ニ顕ハレテ部下ノ蜀望ヲ堅持シ以テ其志気ヲ作興シ成功ノ因ヲ固アスルヲ得ヘシ平生修養セサル可カラス

十一(略)

------(読みの回答)------
1 およそ       16 いらい
2 よってわか    17 ようけつ
3 しこう       18 きょうこ
4 すくな       19 いまし
5 けだ        20 いやしく
6 みだり       21 たと
7 よろし       22 むし
8 もと         23 ことごと
9 みだり       24 せいそう
10 そむ
11 たん
12 ゆえん
13 かんが
14 もっぱ
15 つく

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