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2011年4月30日 (土)

「脱・原子力ニッポン!」を(5)

 原発割安神話はくずれた

 いま稼働中の原発を全部ストップする、それで安全になるかといえばそうはいきません。福島原発も地震発生と同時に核分裂反応は自動停止したのです。しかし危機的な状況に陥ったのはその後の事です。ベテランの技術者の手で、長期間管理し続けなければなりません。

 原発の運転を全部やめるというのは、供給電力の3割がなくなることになり、日本中が厳格な計画停電でマヒ状態に陥るでしょう。決して現実的な解決策とは言えません。今の段階では、福島の経験を教訓に安全対策を総点検し、追加措置を講じながら次の点検時まで運転続行を図るべきでしょう。しかしこれは、あくまでも地元自治体の意向が優先します。

 新しい原発を作れば、確実に地球上の放射性廃棄物が増えていきます。完璧に減らすためには巨大宇宙ロケットでも作って軌道外に放り出すしかなさそうです。今回の事故の損害補償金は、結局電気料か税金で国民が負担することになるでしょう。

 今後の事故に備えた追加の投資、地元対策、割高になる保険金どれをとってもコスト増要因だけです。かわりになる新エネルギーは、倍以上のコストがかかると言われてきましたが、最近は増産効果や技術革新で安くなり続けており、逆転に手がとどくところまで見えてきたようです。

 ことに有力なのが太陽光や風力で、太陽光は消費場所に最も近いところに設置でき、送電コストがかからない、運転やメンテのコストもほとんどゼロ、電力需要がピークになる夏の昼間がもっとも発電に適しているのも強みです。

 夜は発電できませんが、逆に原発は、電力が余っている時間帯であっても24時間体制で運転し続けなくてはならない運命を持っています。その電気を水力発電所の水車を逆転させることに使うようですが、ロスはまぬかれませんね。同じ水力でも巨大ダムの1極集中ではなく、小型分散型ならまだまだ開発可能だと思います。

 余談ですが、世界一の石油埋蔵量を誇るサウジアラビアは、同時に太陽光資源でもぴか一です。雨が少なく国土の大半が利用できない酷熱の砂漠であれば、太陽光発電にもってこいです。
 日本がその発電に協力し、冷房、淡水化設備などに利用してもらい、それに相当する石化燃料を送ってもらえば、CO2総量は変わりません。

 海洋国日本では、洋上風力発電が有望のようですが、潮力、波力といった未開拓の分野があり、地熱利用にも期待が持てます。今のままでも電力不足で不自由が続いたり、経済が落ち込むことは避けられません。仮に脱原発によりそれが長引いたとしても、核のない世界に夢を託した方がいいと思いませんか。

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