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2011年4月28日 (木)

「脱・原子力ニッポン!」を(4)

 「鉄は国家なり」、そういうキャッチフレーズがあったかどうかわかりませんが、卑弥呼の時代がそうだった。朝鮮の慶州のあたりで競って掘り出し、日本に移入して矢じりや剣などの武器、鍬など農機具、工具などに加工・供給した有力豪族が支配者になったようです。

 最近では昭和はじめから戦後にかけてです。軍艦、大砲、戦車みんな鉄です。八幡、富士など巨大鉄鋼会社が産業の花でした。戦後復興も鉄の役割は大きく、製鉄のための石炭の「傾斜生産」などという産業政策がとられました。

 西洋でもそうですね。戦後にできた欧州石炭鉄鋼共同体が今のEUのはじまりです。それがしばらくして日本は「原子力は国家なり」になりました。ただ、日本は原爆被害国なので、表だっては言えません。

 そこから高度成長が始まり「神武景気」「いざなぎ景気など、神話がはやりました。GNP(国民総生産)神話があります。それは、日本のエネルギー消費量の伸びと全く同率でした。その中に、原発の「安全神話」もひそめられていたのです。

 神話の作り手は、政府、原子力委員会(初代委員長・正力松太郎、委員にノーベル賞受賞者・湯川秀樹博士も着任したが、就任後1年余で委員長の無軌道ぶりに愛想をつかして辞任;前掲書)、そして、学者、メーカー出身者等からなり、疑義をもつ人を委員から排除する、同安全委員会です。このシリーズ(1)では次のように書きました。

「原子力体制」という言葉は、政・官・電力会社・地方自治体、それに学・メーカーまでを一丸とし、手厚い国の保護のもと市場原理とは縁のない一種の社会主義的な施政をいい、いまなお公式に通用している。

 政府が特定の産業育成のため資金と人をつぎこみ、自由競争を排除するのが、社会主義体制です。また資本主義体制なら、企業は売り上げを増やし経費を最低限にし、利益をあげて株主に奉仕するわけです。

 この度の福島原発事故は、その両体制のもっとも悪いところをだけを備えてしまった「原子力体制」が犯人です。その体制を構成する上記の6者がいずれも責任を取ろうとしません。中には知らん顔で、早く攻撃する側につきたい、と思っている人(ことに政治家)さえいます。

 その原子力体制ですが、事故がなくてもそろそろ崩れかけていたのです。国内電力需要の頭打ち、原発立地のむつかしさ、安全対策の追加投資、新技術開発の停滞、放射能廃棄物対策などでコストは上がる一方、政府の後押しがなければとてもやっていけない事情です。

 今回は「脱原発」に反対する人へのメッセージを書く予定でした。紙数がつきそう?なので簡単にします。統一地方選では、脱原発に反対の首長や議員も多く選出されました。こんな状態でも今世論調査をすると、計画停電のブラフが利いており、過半数が現状維持、脱原発反対になるような気がします。

 原発の賛否に右か左かの差はありません。橋下知事は、脱原発を宣言したようです。石原知事や池田自民党総務会長などは依然として原発依存主義です。マスコミ報道だけでくわしい理由は分かりませんが、1、日本経済を支えるため必要、2、コストが安い、3、新エネルギーは量と価格で太刀打ちできない、などのようです。

 1、は「鉄は国家なり」を引き継いだGNP神話そのままの発想で古い。2、は政府援助や追加投資、廃棄物処理のコストを計算に入れていない見込み違い。3、はそう決めてかかるほどの差でなくなった。という見識に背を向け、なおかつ今の「原子力」体制にメスを入れていないようでは、一顧だにする価値がないでしょう。

 もうひとつ共通して言えるのは、今後増え続けて減ることのない放射性物質の脅威について、何の危惧も抱いていないような無神経ぶりです。今後、電力が何でまかなわれようとも必ず料金が上がります。それでないと膨大な今回の事故補償費がまかなえない。そのうえ、また大事故を起こす可能性のある原発を作るおつもりなのでしょうか……。

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コメント

今もまだ事故は継続中の原発、
これから先終息するのか、誰にもわかりません。
汚染は空中から土を経て作物や牛乳に広がり、
海に放出した放射能が魚を汚染し、
やがて日本中の人間がそれを摂取し、
特に子供は内部被曝を起こしたり、
低線量被曝等の被害を受けることになるでしょう。
チェルノブイリのように。
The accident is going on,
Nobody knows when the accident will be stopped.
Contamination is spreading to farm products and cow milk through atmosphere and soil.
Radiation release to sea is contaminating fishes.
And then humankind takes in them.
Like Chernobyl catastrophe, many people, especially children will suffer serious disease caused by internal exposure even in low level radiation in atmosphere.

こんなこと、私たちは望んでなんかいません。
腹の底からの怒りがわいてきます。
そういう私たちの気持ちを表すデモ、
居ても立っても居られない気持ちを表すデモがあってもいいのではと思います。

原発なくせ!5・7アクション千葉
5月7日(土)午後1時
千葉中央公園
とめよう戦争への道!百万人署名運動・千葉県連絡会
We never want such a thing.
We feel a hot surge of anger.
This is a demonstration representing our frustrated feeling and fierce anger.

“Stop All Nuclear Power Plants! May 7 Action in Chiba”
May 7, Saturday, 1:00 PM
Chiba Central Park
Sponsored by:
Block the Road to War-Million Signature Campaign, Chiba Prefecture Committee

投稿: 原発なくせ!5・7アクション千葉 | 2011年4月28日 (木) 16時42分

今もまだ事故は継続中の原発、
これから先終息するのか、誰にもわかりません。
汚染は空中から土を経て作物や牛乳に広がり、
海に放出した放射能が魚を汚染し、
やがて日本中の人間がそれを摂取し、
特に子供は内部被曝を起こしたり、
低線量被曝等の被害を受けることになるでしょう。
チェルノブイリのように。
.

こんなこと、私たちは望んでなんかいません。
腹の底からの怒りがわいてきます。
そういう私たちの気持ちを表すデモ、
居ても立っても居られない気持ちを表すデモがあってもいいのではと思います。

原発なくせ!5・7アクション千葉
5月7日(土)午後1時
千葉中央公園
とめよう戦争への道!百万人署名運動・千葉県連絡会

投稿: 原発なくせ!5・7アクション千葉 | 2011年4月28日 (木) 16時42分

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