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2011年3月13日 (日)

原発は国営化せよ

 12日午後3時半過ぎ、福島第一原発1号機建屋がさく裂音とともに白煙を空高くあげ、上部壁、天井を吹き飛ばした。遠方のカメラでこの瞬間を映したビデオをテレビの映像で見られた方は多いと思う。

 マスコミは、メルトダウンとか放射能漏れが午前中に発覚したあとのことで、これを容易ならぬ事態とし一斉に「爆発」と伝えた。ところがどうだ、東電の役員は何と言ったか。(毎日新聞11/3/13)

 東電の小森明生常務(原子力・立地副本部長)は12日夜の記者会見で「通常とは異なる過程で原子炉建屋の上方が解放された。言葉としては爆発だった」と認めたが、「会社としては水素爆発だったと言えるだけの議論はまだしていない。そういう可能性はあるということでおっしゃったのではないか」と述べるにとどめた。

 塾頭が表題の記事を考えたのは、この常務の度はずれた「言葉」に対する侮蔑が、許しがたいからである。マスコミが見、国民が感じた事柄を言葉をもてあそんですり抜けようとする態度はどこからくるのか。

 「立場立場があるから……」などという弁護は一切認めない。それが過去一貫した同社の基本姿勢だからだ。省エネを言いながら、電力売上高の伸長を希い、利益を増大させて安定高配当を実現させる、それが自らの地位を守る唯一の途、と考えていたからではないのか。

 原発は、政府の厳重な規制と監督下にある。ところが、これを隠れ蓑とし、民営会社のもっとも悪い面を仕事に反映させた結果が、矛盾だらけの詭弁として、おもてにさらされることになったのだ。「民営化できるものは民営化」で旗を振り、ブームに乗って「郵政民営化」を実現させた小泉改革とは全く逆に、この際「原発国営化」を提唱する。

 当塾は、反核運動としての原発撤廃論はとらない。また、核兵器の知識も研究も不要という考えにも否定的であることは、過去言い続けてきた。しかし、今回の地震により、原発に対する国民の信頼は、過去にない急降下を示すに違いない。福島原発の再建や新規立地は絶望的になることも考えられる。

 だけど、原子力が日本のエネルギー源の10%を超えるようになった現在、原発を全廃させるわけにいかない。使用済み核燃料処理という荷物も背負ったままであり、核の国際的番人の役割をになうIAEAの事務局長に天野氏を送り出したばかりだ。

 そうすると、いまさら原発から逃げ出すことはできず、高度の技術と安全のシステムづくりで、当分はおもりし続けなければならない国家的な義務がある。だからといって、信頼しきれない電力会社にその一端を委ねる気は到底しない。

 国営の目的は、国民に安全・安心を提供することにある。つまり自衛隊と同じで国民のコントロール下にある「暴力装置」のひとつとして考えようということである。違う点は、費用を税金ではなく、電力会社の払う電力料金でまかなうということである。

 電力会社にとって、おそらく高い電力料金を課せられることになるだろう。東電は明日から、輪番停電を実施するという。福島原発の操業不能の原因は、バックアップ体勢の不備であった。 こういったことで、何のペナルティもなく、過失による安定供給義務違反を見逃すことなど、どうしてできようか。

追記(03/14)
3月14日付毎日新聞による、小森常務の事態発生根拠に関するコメントの追記。

 東電によると、非常用発電機は原子炉やタービンと同じ重要度で、もう少し標高の高い場所にあるが、ポンプなどは重要度がやや落ち、津波に冠水した。東電の小森明生常務は「あまりに想定外の高さだった。原発はかなりのタフネス(頑健さ)を持っていると思っていたが、電源の重要性を再度、しっかり考えなければならない。重い、厳しい教訓だと、率直に受け止めている」と唇をかむ。

http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110314ddm003040083000c.html

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コメント

東京電力のこの『爆発ではなく、通常とは違う方法での上方の解放』とは・・・トホホの極み。
そういえば北朝鮮の事前に周辺諸国や国際機関に予告された人工衛星の打ち上げ(テポドンⅡ)に対して日本の自民党麻生太郎政府が今までのミサイルとの言葉もロケットとも言わず『飛翔体が発射された』なる新語を創作して以来の椿事ですね。

当然何の予告も無く発表された輪番停電ですが、原発への逆風を利用した悪質な印象操作の可能性が高い。
今までは送電していたのですよ。
何故、4日も経ってから電力の不足が出てくるのですか。
これは『絶対に安全で事故は起きない』詐欺の延長線の『足りない足りない』詐欺ですね。
何としても当然起こるはずの『原発反対』の世論を、無理やり押さえ込む心算なのです。

投稿: 宗純 | 2011年3月14日 (月) 09時03分

私は東電の節電手法を「輪番停電」と書き、マスコミは「計画停電」に統一したようですが、あまりにも杜撰かつ計画的ではないので、今後どうしようか迷っているらしい(笑)。

 東電小森常務発言の追加を本文に追加しましたが、売電契約などにある安定供給義務などか、「天変地異」の免責条文が適用できず、「過失」が適用されて損害賠償請求訴訟など起きませんかね?。

投稿: ましま | 2011年3月14日 (月) 11時32分

私の暮らしている市でも津波で被災した地域があります。今日は午後5時から6時30分まで停電となりました。この事態は受入れるしかありません。

そして、原発の危険を承知していながら黙認してきた訳ですから、我々の責任でもあります。この事故については、最悪の事態であるメルトダウンに至らないように、東電の社員と関係企業そして自衛隊の奮闘努力が報われるように祈るばかりです。

投稿: ていわ | 2011年3月14日 (月) 22時31分

ていわ さま

 基本的に克服できない天災などないと思います。日本人はその能力に古来たけているはずです。そこから逃げようとする体質、現場の従業員の決死の努力をよそに、企業利益を優先させようと考える経営者は、遠からず引きずりおろされることになるでしょう。

投稿: ましま | 2011年3月15日 (火) 19時32分

あんたらは原発を敵視している左翼だね。
原発がないと日本は死ぬね。

投稿: ウルフ | 2011年3月16日 (水) 00時35分

原発「敵視」したい者ですが。
いま原子力発電から撤退してもすでに泥沼ですからね。今回の事故で「使用済み核燃料」が油断ならない存在だということが明らかになりました。
そんなこんなで「技術を維持するために」という名目で原子力発電を「調査捕鯨」式に維持しろってことでしょうか。
ウルフさま。

投稿: りくにす | 2011年3月22日 (火) 20時18分

りくにす さま
 調査捕鯨の真の目的はよく知りませんがまったく違うと思います。

 日本は、唯一の原爆被災国です。また、無資源国なるがゆえに原発に走りました。使用済み核燃料を大量にかかえこみ、ブルトニュームの処理にも困っています(これは以前から指摘されていることです)。

 原子力利用では、先進国に入り、ここで逃げ出すことはできません。したがって、全面撤退する(核軍縮についてもそうです)にしても、日本の高い技術力でこれからも世界に貢献しなければならない義務があります。

 日本だけがよければいいということではありません。これは、企業ではなく国の責任ともいえましょう。原子力災害をこれ以上ふやさないためにも技術者にひとふんばりしてほしいところです。

 

投稿: ましま | 2011年3月22日 (火) 20時59分

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