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2011年3月11日 (金)

メア発言にはない「抑止力」

 メア発言が明るみに出たのは7日である。当塾は8日これを記事(前回)にした。おもな趣旨は、現地沖縄の激しい反応にくらべ、中央マスコミの反応がにぶく、政府もまた鈍感でまともな抗議ひとつもできなかったことである。

 それから5日たった。9日ころから急に報道量が増えたが、その中身は沖縄県の怒りや、メア発言の経緯や米当局の素早い謝罪ぶりなどである。すなわち「沖縄県民を侮辱した」という感情論が中心で、ことの真相に迫るものは皆無だということである。

 沖縄の米軍駐留がなぜ必要なのかについての結論は、次に引用する憲法にからめた、軍事費節減効果だけで、日本の外交・防衛筋が力説する「抑止力」には一切でてこない。触れたとすれば大学生の研修のポイントになるはずである。報道されないということは、言わなかったということなのだろう。

 日本の憲法が変わると日本は米軍を必要としなくなってしまうので、米国にとってはよくない。日本政府が現在払っている高額の米軍駐留経費負担(思いやり予算)は米国に利益をもたらしている。米国は日本で非常にうまくやっている。【共同】

 そうすれば、鳩山発言の「方便」ときわめて綿密な整合性がでてくる。当塾でこれまで再々指摘してきたことがら、
 ①アメリカの世界戦略は、太平洋の拠点基地をグァム、ハワイに集約することで、在日基地の機能は低下する。
 ②それでも在日基地を維持し続けるのは、思いやり予算などで軍事費の軽減ができることが当面最大の国益であり、演習基地としても便利に使える。
 ③「抑止力」は、むしろ日本側の要望からでた論理で、外務・防衛官僚が長年慣れ親しんできた方法で楽がしたいからだ。
という推測がますます真実味を帯びてくるのだ。

 メア発言で日本が注目しなければならないのは、言ったことでなく言わなかったことの方である。日米同盟を引っ張り続けてきた自民はもとより、菅政権もこの醜い隠れ蓑を使い続けてきた。国会で激しくこの点を追及するとすれば、共産・社民しかない。

 委員会の割り当て時間が少ないのか、その能力がないのかわからないが、沖縄県民の基地闘争に呼応して、たとえ数百人の規模であろうとも、連日抗議デモを組むじらいのことをしても罰はあたらないと思うのだが。

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コメント

よそ様他のブログの類似記事とは見解とが視点が違い、この記事は秀逸で今度の騒動の核心部分を突いていると思います。
幕引きを図って異例の速さで更迭したメア日本部長ですが職業外務官僚であり、別に責任を取らされて免職処分になった訳ではなくて、今でもアメリカ国務省の知日派の代表であり重要官僚として免職されていない。
本当は今年夏には ホワイトハウスの国家安全保障会議のアジア担当に栄転する予定で、メアが日本部長を辞めることは最初から決まっていたのですよ。
沖縄が怒っているから僅か数ヶ月、早めただけの腹立たしい話です。

投稿: 宗純 | 2011年3月11日 (金) 12時37分

宗純 さま
 過分なおほめ、恐縮至極。
外出する要件がこのところ続き、ようやく続きを書きました。

このような貧弱なブログでも、類推のっくこどがらだげで、とりあえずまとめました。スピード時代と裏腹に世間の反応が遅く、指摘した事柄があとになってボロボロでてくるというのは、滑稽どころか情けなくなります。

書きませんでしたが、アメリカは年金でなく軍事費肥大、志願兵の欠乏、医療体制不備などに大方の関心が集まり、リビアでみても「抑止力」行使政策は大幅後退、NATOに尻を押されている始末です。

だから、メア発言はより理解しやすく日本の一周遅れが目立つのです。

投稿: ましま | 2011年3月11日 (金) 14時11分

口を開けば、実況放送・現状報告の内容ばかりが出てくる。

未来のことは、未来時制で考える。
日本語には時制がなく、日本人には未来に関する筋道立った考えがない。

会議を開いても、成案のある人が見当たらず、腹案の人ばかりである。
日本人には問題解決の能力はないが、事態を台無しにする力を持っている。
だから、厄介である。
この厄介が日本人にもアメリカ人にも閉塞感を生み出しているに違いない。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812

アメリカ人の日本人に関する悪口は言わせておけばよい。
笑い飛ばすだけで十分である。我々には、何の影響もない。
だが、考え方の違いには注意を払う必要がある。メア氏の主張はまっとうな評価としてアメリカ政府に支持されているのである。
彼の論理的な指摘を無視すると、今後、日米の交渉に際してことあるごとに無意味な対立が生じ、我が国の命運にかかわる。
先の大戦で我が国の責任者が現れなかったことにもあるように、わが国民は烏合の衆から抜け出すことができない。

http://shinakosan.ti-da.net/e3385451.html

投稿: noga | 2011年3月14日 (月) 10時04分

言語論はわかるんですが、「わかる」という以上には進めません。
日本に生まれ、日本語を使い、日本で暮らしている限りは抜け出せない壁なのです。

投稿: ましま | 2011年3月14日 (月) 11時12分

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アメリカ国務省講演内容は部外非のオフレコ(非公式な個人見解)発言で不正確であるとケビン・メア日本部長(前在沖縄米総領事)は言い訳しているのですが、聞いた方の14人の学生や教員は録音こそしていないが正確に記録しており、またオフレコでも無かったと証言して...... [続きを読む]

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