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2011年3月 2日 (水)

情報操作の陰湿さ

 前回まで「たて」と「やり」シリーズを書いてきた中で、痛切に感じたことがある。それは、書いてきたことが未知の事でも新事実でもないのに、なんでおれが書かなければならないのか、ということである。

 「普天間基地移転先は国外、少なくとも県外へ」といった鳩山構想が、ルーピー扱いされたことにマスコミが軽率に乗っただけで、日米間にある重大な懸案を一向に正面からとりあげようとしなかったせいだ。

 鳩山の「(官僚やとりまきから)学べば学ぶにつけ」という、首相の責任投げ出しに至った経緯は許せないが、考えたことは誰よりまっとうなのである。それを沖縄地元紙をのぞくマスコミは伝えようとしなかったし、支持しようともしなかった。

 塾頭は、世に云う「陰謀論」には組しない。しかし、マスコミは大きいほど《強い権力》には弱い。それがアメリカではペンタゴンであるかも知れないし、日本では検察庁であったかも知れない。個々の機関がどうのということではなく、そういった総合的な権力機構からにらまれたら、逆にいうと可愛がられていないと、まっとうな取材もできなくなるということだろう。

【参考】
・米国追随報道を自己批判?
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-4a6a.html

・大新聞幹部の反小沢
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-5c08.html

 そこに、結果として情報操作に手をかすことになる。その責任は編集権をにきる幹部にあり、末端の記者との間で時として大きな懸隔を生むこともある。毎日新聞の場合、1971年の沖縄返還協定にからみ、密約を漏らしたとして西山記者が裁判にかけられたが、社は記者を守りきれずに処分した。

 Dscf3319 カット写真は2/28付の毎日紙面である。今度は、故大森実氏のことで、内容は見出しを追えば中身がわかる。
・北ベトナム 大森実氏の病院爆撃報道
・65年10月の記事 ライシャワー氏が名指し批判
・検証 45年癒えぬ傷 「すでに歴史的事実」
・「大使は生涯謝罪考えた」米元補佐官

 最後に、情報操作があったことのわかる部分の記事を引用しておこう。「陰謀操作」ではなく、これは「陰湿操作」の類である。

ライシャワー大使はこの2日後、記者会見して大森氏を名指しで批判。米大使館は声明で「共産側は、北ベトナムのライ病院に対し、米国が故意に無差別攻撃を行ったと非難していると、大森実氏が同紙に報じているが、これは全く事実に反している」と指摘した。

 毎日新聞は大森報道を「正確だ」と主張したが、その後の毎日新聞の姿勢の変化に対し、大森氏は「自分の報道の事実上の修整」と受け止め、会社に抗議する形で66年1月に退職した。

 

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コメント

>『塾頭は、世に云う「陰謀論」には組しない』

昔陰謀論といえば、ユダヤ陰謀論やその変形のフリーメーソンの陰謀論などを指していたのですが、世の中の全ての謎がユダヤとかフリーメーソンに繋がるとするものですが、示される根拠が何も無くて胡散臭い法螺話程度で常識ある大人なら、公式な場所では誰も喋らない代物。

ところが2001年9月11日以後は世の中は大きく変わり、陰謀論の意味するものとは粗9・11陰謀論に収斂してしまっています。
ところが困ったことに今までの古いユダヤ等の陰謀論は世間の誰もが認める定説に真っ向から反する根拠が無い馬鹿話だから良かったのですが、9・11陰謀論の方は様子が正反対。
定説(アメリカ政府公式報告書)の方が誰も信用されていないのですね。
だから菊池誠阪大教授のように熱心に陰謀論退治を行っている人物に直接聞いてみたのですよ。
『本当に貴方は定説が正しいと考えているのか。意識的な何かの間違いや隠蔽が無いと思っているのか。?』
ところが誰も答えない。
みんなが黙って仕舞うのです。
唯一答えてくれた正直な人物はお玉おばさんだけなのですが、私も意地悪で『多分質問には答えては頂けないでしょうね。』などと誰も答えられ無い理由を書いて逃げれないようにしたら、
『アメリカ政府の9・11事件公式報告書が100%正しいとする立場ではない。陰謀論否定派はそんなこと誰ひとり思っていないし言ってもいない。』言い切ってしまった。
結果、今の世界には定説が無いのです。
それなら陰謀論も無いことになります。
そもそも陰謀論などという『論』は、正式な公式の定説があって初めて成り立つのです。
何らかの隠蔽工作とか情報操作が行われた可能性を考えているのであり、
其れでは自作自演説のような積極的陰謀論者ではないが、 間違いなく消極的な陰謀論者なのですね。

ですからこの陰謀論とは正に、五十歩逃げた男が、百歩逃げた男に向かって『卑怯者』と叫ぶ中国の故事の現代版の笑い話ですね。
一歩も逃げ無かった兵士(少しも間違いでなく完璧である)だけが『陰謀論者は間違い』と言う権利があるのです。
ところが誰もが疑っているのですから悲劇なのです。

投稿: 宗純 | 2011年3月 7日 (月) 11時24分

宗純 さま
定説・通説・仮説・俗説……、歴史学などではいろいろな「説」が飛び交って学問の進歩に寄与しています。中でも「仮説」がなければ、学問の進歩のさまたげになるほど大切なものだと思います。

世に言う「陰謀論」の定義は知りませんが、大きな組織がかかわっていることがその条件であるとすれば、一般論として虚構を漏れない形でなりたたせるということが非常に困難で、陰謀とはいえない程度の「情報操作」で終わるのではないでしょうか。

100%真実の陰謀などあるかどうか疑わしく、それに組しても何のメリットともありません。

投稿: ましま | 2011年3月 7日 (月) 17時19分

>『100%真実の・・・

坂本龍馬が、あるいは宮本武蔵がどうのこうのと100%真実の出来事であるかの如く司馬遼太郎や吉川英治が生き生きと描くのは、歴史小説であり誰も今までは陰謀論などと言わないのですよ。
ところが、面白いことに近頃の陰謀論談義の基準に当てはめれば、これ等は正に『陰謀論そのもの』なのですね。
ところが彼等は陰謀論作家などとは誰も呼ばない。
司馬や吉川が自分で見ていたはずは無いのです。
ところが今では司馬や吉川が描いた龍馬や武蔵が史実として、あるいは史実と同等の値打ちがあるとして評価されているのです。
彼等が今生きていれば今世間で起きている『陰謀論』なる論議に対して大笑いするか嘆くか、何れかでしょう。

フィクションと現実とはイコールで無いことは誰でもが知っているのですが、今のようにアメリカ政府が9・11事件の解明に消極的であれば、その歴史的事実の空白の穴を埋めるために大勢の司馬遼太郎や吉川英治が生まれるのは当然でしょう。
ところが突然『陰謀論』なる禍々しいイメージの言葉で、これ等の全ての仮説やフィクションの数々を、十把一絡げで葬り去るとは乱暴にも程がある。
、今までの日本ではそんなことは絶対になかったのですよ。
ですから今起きている陰謀論叩き自体に、陰謀の臭いがするのです。
今現在。陰謀論叩きを行っている人物自体が、実はアメリカが何かの意識的な隠蔽工作(幾らかの陰謀)を行っている事実を良く認識しているのです。
100%アメリカ公式報告書を正しいとの立場の人が世界中で誰一人もいないのです。
ですから自作自演説のような積極的か消極的かの違いがあるだけで、お玉おばさんも私達も全員が例外無く、みんな仲良く陰謀論者なのです。

投稿: 宗純 | 2011年3月 8日 (火) 08時55分

陰謀論にかかわる論争も詳しく知らないし、また興味もありません。

大組織やマスコミ関連の仕事場に身を置いたことのある経験則から、世間や世界を完全にだまし続けるような陰謀には、膨大かつ綿密な筋書が必要で、不可能に近く、筋書が書かれたとしても実行されることはまずないと思っています。

ばれるようなウソなら世にあふれており、それを摘発することに精出した方がいいように思います。

投稿: ましま | 2011年3月 8日 (火) 10時07分

大昔には主義者とか赤とかの言葉があり、この『主義者』の意味する内容は誰も知らないのだが、一度疑われると酷い目に合うことだけはみんなが例外なく判っていた。
そして最初は共産党だけ狙っていたはずが、仕舞いには自由主義までが摘発される世の中になって社会が崩壊する、
アメリカでも一時は同じことをしていて共産党とは何の関係も無いチャップリンまでが国外脱出せざるを得ない状態までなる。
ドイツでは今でも反ユダヤ主義であると看做されると自動的に政治生命を絶たれるので、全ての政治家はこれらの言葉遣いには極端に神経質になっている。
今回の記事ですが、
およそ陳腐な陰謀論などには無縁で、他の政治ブログよりも遥かに知性や経験で秀でている反戦塾までが、情報操作の陰湿さを書くに当たり、

>『塾頭は、世に云う「陰謀論」には組しない。しかし

と言わずもがなの但し書きを書き込む異常さは矢張り見逃しには出来ないのですよ。
今の21世紀の世界の政治外交軍事情勢を語る上で9・11事件の顛末は抜けないのだが、
ところが誰もこの9・11については触れたくない。
何故なら陰謀論叩きの対象になる可能性があるからですね。
だから普通なら不必要な無意味な『但し書き』が、わざわざ必要なのでは無いでしょうか。

投稿: 宗純 | 2011年3月 8日 (火) 13時47分

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