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2011年2月 8日 (火)

米国は年貢の納め時

 小沢疑惑だ、八百長だと騒いでいる間に、世界は大変なことになっています。そうです。地中海はイタリアの対岸・チュジニアに始まった、独裁政権を市民デモで倒すという連鎖反応です。それがイスラム圏の中央に位置するエジプトに飛び火して、オバマさんは頭をかかえ込んでいるはずです。

 ベルリンの壁崩壊の時とは違って、今度は、共産圏ならぬイスラム圏内で、独裁権力者を追放し、イスラム魂をとり戻そうという意図があるように見えます。つまり、イランのホメイニ革命と類似点がチラホラするのです。

 アメリカは、早く火を消したいので、ムバラク大統領の早期退陣をうながしたり、いや、すぐやめると混乱が起きるのでもうすこし頑張れ、といったり、ムスリム同胞団(最大野党で穏健派イスラム原理主義組織)の勢力はたいしたことない、といってみたり、まあ、あんまり言うことが露骨すぎて「内政干渉」という言葉の出番もない程です。

 それはそうでしょう。イスラム国に取り囲まれているようなイスラエルですが、まともに勝負できそうな国はエジプトしかないのです。何回かの中東戦争を経て、やっとの思いで、エジプト・イスラエル間の平和条約に持ち込み、シナイ半島やスエズに安定をもたらした経緯があるのです。

 以来、アメリカはエジプトへの援助を継続し、共同軍事演習を行うなどムバラク独裁政権と緊密な関係を保ってきました。今回のチュニジア現象は、イスラエルを取り巻く、ヨルダン、レバノン、シリアなどの各国にも影響を与えています。

 さきほど触れたムスリム同胞団のことですが、もともとイスラム教徒は、神がすべてで国境を超えた結びつきを重視し、国の権威より、仲間同士の相互扶助を重んじます。したがって、同胞団が持つ医療サービス体制などで、庶民には圧倒的な支持を得いてます。

 たしかにその時期により、環境により変貌し、組織としての一体性はとぼしいといえますが、イスラエルと鋭く対立するガザ地区を支配するハマスの母体になるなど、他の周辺国でも無視できない存在になっています。

 このことから、これまで非合法扱いされていたエジプトの同胞団が政治の表に立つと、イスラエル・ガザ間で紛争が起きた時、これまでのように国境封鎖・経済封鎖でイスラエルに肩入れすることなど考えられなくなります。逆に支援体制をとるかも知れません。

 これは、イスラエル・アメリカにとって一大事です。これまでの努力が水泡に帰す可能性もあります。アメリカがイスラエルを擁護するのは、政・財・学界に力を持つユダヤ系国民を無視できない一面があるからで、オバマさんの頭の痛いのも当然でしょう。

 しかしもう、アメとムチで世界を切り回すのは止めましょう。友好国だったイランのパーレビー国王はホメイニ革命でひっくりかえり、イラン・イラク戦争でイラクのフセイン大統領を応援したのに、大量破壊兵器を隠しているという偽情報で戦争をし、さらに、アフガンでソ連に対抗するため育成したビン・ラディンやタリバンが、その後テロとの戦いの相手となり、いまだに泥沼から抜け出せないでいます。

 その間、アメリカの兵士が何千人命を失ったでしょう。もちろん戦場になったところでは、民間人を含めそれに10倍するほどの人が死んでいます。イスラム圏でなくても、内政に口出しされたり軍隊を派遣されたりすることに、どこの国もすっかり懲りています。アメリカは、足元の南米をはじめ、そういったやりかたが世界中で嫌われていることを知りながら抜け出すことができません。

 国内右派グループとの戦いもあるでしょうが、もう、ここらが年貢の納め時ではないでしょうか。日本は、内政の混乱でそれどころではなく、何のお手伝いもできないことが残念です。

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