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2011年2月 1日 (火)

菅首相語録の軽さ(2)

 前回、標題の記事を書いたら、すぐあと、首相が予算委員会で中国の清王朝は「蒙古族」という失言をし、後刻訂正したと各紙に報道された。ただ前回書いたように、記者会見で口が滑ったとか言い間違えた言葉尻をとらえ、口汚く罵倒するような野党には組しない。

 今回は、なぜかあんまり問題にされていない。しかし塾頭は、「ああ、やっぱり限界が見えた。史観のない総理は、見限るしかないのか」と思わせるものだった。ぶらさがりの記者会見ではない。国会質疑の中である。一般教養として戦前の昭和史を知るものなら、満州と蒙古を言いちがえることなど、まず考えられない。

 「菅首相の歴史認識」で書いたように、孫文を支援した民間日本人などの話を、両国の友好関係に短絡的にとりあげるのと同様、戦前のアジア近現代史への関心のうすさが露呈したとしか思えないのである。それが、日米同盟の深化、「共通の価値観」、TPPの中味であるとすれば、菅内閣にはご退場願わざるを得ないことになる。

 これまで何度かそうは思ったが、あまりにも短いトップの交代が国力を弱めること、とって変わるべき宰相が見当たらないことから、首相就任以来「消極的」な支持をしてきた。それは、森派などが誘導してきた国粋主義的自民党に後戻りさせない、ぎりぎりの要件だと思ったからである。

 それが、野党攻勢と言うより、小沢元代表排除といった党内抗争や政策の混乱、そこに首相の資質まで疑われるようでは、かすかな望も立ち消え寸前にまで来ている。昨年末に向けて当塾が訴え続けてきたのは、小沢氏の早期の証人喚問(政倫審の参考人招致ではない)を済ませることであった。

 そこで、「身に覚えのない」ことを証言すれば、それなりに法的根拠も発生し、処分問題も理由を失って、挙党一致体制がとれると思ったからである。岡田幹事長は、まだ政倫審招致などをうじうじ言っているようだが、強制起訴された以上、もはや招致決議も出席もあり得ない。

 証人喚問も社民党、国民新党が反対するという。そうなれば、党内反対委員を説得して満場一致の喚問決議を説得する余裕などますますない。小沢氏の方は「決議があれば出ますよ」と、かえって余裕たっぷりに構えられるようになった。党としての処分と言っても、その口実にとぼしく、機関決定も難しい。つまり、菅首相の方が政治的敗北追い込まれたような情勢になってきたのだ。

 塾頭は3月危機、6月危機などあってほしくなく、あり得ないと考えていたが、閣内に亀裂が生ずるようなことがあれば、一挙に崩壊する可能性もある。その場合、小沢派復権か大連立か解散総選挙かまったく見えてこない。

 うんざりするほど続いた混沌だが、いましばらくは我慢せざるを得ない。そして国家百年の計のため、進路を誤らない政治家を選び出す機会を待とう。

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コメント

空き缶と菅氏を呼び捨てにしてます。政権交代を無意味にしてしまった最低のやつです。消費税アップを参院選の最中に言ってしまう無神経さは政治センスのなさでしょう。まあ、隠さなかっただけ、馬鹿正直というのでしょうか、どちらにしろ理解に苦しみます。

投稿: カーク | 2011年2月 4日 (金) 20時07分

カーク さま
 ご存知のように当塾は、菅の現実主義を過大評価していました。そのうちに変わるだろうと思っていたのです。

 だから、さきがけ時代からの彼をよく知るものほど、彼の資質き疑問を持ち、批判するのが不思議でした。小沢氏との挙党一致を放棄したような言動は、現実主義からほど遠いものです。どうして党員はそのような人物を何度も代表に選んだのでしょうか。

 その現実が、彼の転身を許さないほど深刻になったのは皮肉としかいえません。こうなったら最悪の事態を覚悟の上見守っていくしかありません。

投稿: ましま | 2011年2月 4日 (金) 20時45分

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