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2011年1月21日 (金)

菅内閣と自転車

 菅内閣は、あっちにふらふら、こっちにふらふらの自転車操業と評しても言い過ぎではない昨今である。首相自身は「仮免期間が過ぎたので……」などと発言して、早速「一国の総理にあるまじき……」などと噛みつかれているが、そんなマスコミや野党の言いががりは歯牙にもかけない態度が必要だ。

 内閣改造や、新年の強気発言を見て、すこしは変わるのかな、と思ったら、どうやらこれは首相か民主党の体質そのもので、そう簡単に変化しないような気がしてきた。それは、自信のなさから各自が自転車のハンドルを固く握りしめ過ぎていることによる。自転車でも自動車でも「あそび」がなければ、蛇行し危険が増す。

 首相は、異例といわれる外交にしぼった演説を昨日行った。それを聞きに行った外交官や、民間外交を担う人たちが聞き耳を立てたであろうが、内容は、下記「ポイント」のとおり、これまで伝えられていることから一歩もはみでたものでなかった。米中会談は主要5紙すべてが社説に取り上げたが、首相講演は1紙もないというお粗末さだ。

  菅首相は、外交は不得意な分野とされるが、それが固さに影響するのであろうか。首相が首相であるべき最大の任務が外交である。なにも直近の国情や、外交礼儀、そういったことに精通していなくてもいい。必要なのは、政治家としての「史観」であり「人生観」である。

 その点は、鳩山首相の方が優れていたが、いとも簡単に変節してしまったのが命取りになった。菅演説で消えたのがマニフェストにある「東アジア共同体」と言う言葉で、かわりに「TPP」が入った。その他の部分を含めて概観すると、自民党時代と同じか、むしろ後退、悪化の兆しすらある。

 今日の別の報道の中には、かつて沖縄駐留米軍トップで普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題に精通しており、辺野古移転案作成に影響力のあったと思われる知日派のグレグソン国防次官補が、辞任する意向であるというのがあった(時事通信、asahi com)。

 安全保障政策をめぐり、国務省との意見の対立が辞任の意向を示した背景にあるとの見方が出ており、このほかに、ホワイトハウスのベーダー国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長も近く退任する見通しで、オバマ政権の東アジア政策の実務責任者が刷新されることになる。

 こういった機会をとらえ、日本のスタッフも変更するなり、日本の希望をより強くアピールするといったハンドルさばきが菅政権にできるかどうか、かなり悲観的だが、講演で辺野古に触れず、国内移転を思わせるような発言をしたことに、かすかな期待をかけてみよう。

--首相演説のポイント(毎日新聞:01/21)---
・日米基軸、アジア外交の新展開、経済外交など5本柱で外交・安保政策を推進。
・日米同盟を深化。日米は政権交代にかからわず・維持強化されるべき関係。
・広範な分野で日中の戦略的互恵関係を深める。
・米軍基地負担で沖縄以外に住む国民の理解と協力をえられるよう、あらゆる場を通じて働き掛ける。
・環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の参加検討。
・北方領土問題解決に向け建設的なアプローチで臨む。
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