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2010年12月18日 (土)

言葉でごまかす「安保」

 民主党になっていはじめての「防衛計画の大綱」が発表された。一読してみてすっきり理解できるという人はまずいないだろう。政府文書とはそういったものだが、国民の安全にかかわるものがそれでは困る。

 当塾でも言ってきたが、日米安保条約そのものは、憲法尊重の文言もありそれなりによくできている。それは、60年来一言一句変わっていない。それが、言葉と運用でねじ曲げられ、イラク自衛隊派遣などは、違憲判決がでてもおかしくないようなところまで引きずり込まれた。

 「民主党なら安心」という期待はくずれ去った、鳩山・菅両首相のあの体たらくでは、自民党以上に危険かもしれない。なぜならば、言葉が軽いのだ。前言撤回が多すぎて信用できなくなった。

 さて大綱の方だが、当塾が3年近くも前に主張していた戦車隊の削減や、領域内の制海権、制空権確保、地対空ミサイル防衛システムを充実させるという考えは妥当な内容だと見る。

 それならば賛成かというと、そうではない。解釈改憲や、集団的自衛権の歯止めがなく、具体性のない言葉が躍っており、どう運用されるか信用できない点で、反対の方に近いのだ。

 まず、「グローバル」「シームレス」などという横文字が多すぎることだ。最近見たNHKの安保特集TV番組で、日本に「日米同盟」という言葉を使わせるように工作し、「同盟とは互いに血を流す間柄のことだ」と喝破したのは、やはりあのリチャード・アーミテージ国務次官補だったことを知った。

 大綱が国産というより米国産に近いと見なされる所以だ。菅首相は日米同盟の「深化」という意味不明語を持ち出したが、大綱でも「動的防衛力」という新語がでてきた。この解釈も、日本中心の自衛隊配備だけをいうのか、テロとの戦いまで含め、日米同盟共通の方針を指すのか新聞によって差がある。

 産経新聞など「動的防衛力は日常的な情報収集や警戒監視の活動を強化し、突発的な事態に迅速にたいおうするものとされるが何を意味するのかよくわからない」(18日付・主張)といいながら、タイトルは「評価する」である。

 安保の歴史は「ごまかし」の歴史である。言葉には、よくよく注意が必要だ。
 

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» グローバル化した防衛計画の大綱 [飯大蔵の言いたい事]
 防衛計画の大綱が更新されたそうだ。これは法律でもないそうで国会の承認も要らない。自衛隊法などの下にあるはずなのだが、まさかはみ出てはいないだろうか? [続きを読む]

受信: 2010年12月19日 (日) 01時05分

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