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2010年12月11日 (土)

理解に苦しむ

 菅さんのことである。『大臣』と題した岩波新書は、1998年に菅直人さんが書いた本である。その中にこうある。

 たとえば、与党の代議士に金銭的な疑惑が持ち上がったとする。野党は証人喚問を要求し、国会は委員会審議がストップする。そんなときにコメントを求められた総理大臣はおそらくこう言う。「国会のことは国会に聞いておくれ。私は政府の人間として、国会にあれこれ言う立場にない」

 (中略)総理大臣は国会議員でもあり、同時に与党の党首である。自分の党の議員が疑惑を持たれているのであれば、党首として何らかの措置をとるべきだろう。

 まさにこの通りのことが、今、彼の身の上に降りかかっいてる。「最後は自分が決断する」とは言っているが、その弁明は、上記の心情といささかも違いはしない。それどころか、自分の党が分裂しかねないとか、政界再編必至などと、国民の不安を過去にないほどかきたていてるのである。

  同じ本で、大臣が1年足らずでコロコロ変わるようでは何もできない、と言っているが、そうならないよう彼がどう手をうってきたかさっぱり見えない。この本は、彼が1996年に厚生大臣を300日ほどつとめた時の体験をもとに、長年の自民党政治の中で、政治家がいかに官僚の操るままの仕事をしてきたか、それを打破するために彼自身どう活躍したのか、やや自賛をこめて書いたものだ。

 本が出たのは、新・民主党の代表に選ばれ、自社さ連携を解消する頃のことで、政治改革の先頭を走る意気込みで書いたものだろう。しかし、現在その経験が生かされ成果を上げるどころか、むしろ逆に官僚の離反で目も当てられないような状況になっているのではないか。すべて彼には予測できたことだ。

 この本では、細川内閣当時からの同志であった田中秀征氏の名が数回(多分畏敬をこめて)出てくる。その同氏は、菅氏が首相になった頃から、「資質がない」と口を極めて中傷し続けている。なぜそうなったのか、いつからそうなったのか、最初からそうだったのか田中氏は何も言わない。

 それならば、これまで多士済々の民主党の中で、なぜ何度も代表に選ばれたのかの説明がつかない。菅首相のおためし賞味期限はまもなく切れる。いつまでも「理解に苦しむ」人が首相の座にいるのは、国民にとって不幸この上もない。だれかこれを説明してくれないものか。

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コメント

完璧に2008年、小沢一郎が出てきた頃、だ。「ここに二人の総理大臣がいるじゃないか」馬鹿小泉が阿呆晒した政権交代前、
自民党の悪を暴こうとして、同士だよ、といいながら、同士の殺害知りながら、寿司でもつまんだであろう菅直人、
裏切る面子、マスコミが持ち上げる政治家、国士はいない。

投稿: みやもと | 2010年12月12日 (日) 19時45分

小池、前原ですか?。センスのなさでは小池が上。扇千景の方が幾分かいいです。

投稿: ましま | 2010年12月14日 (火) 07時44分

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