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2010年12月 8日 (水)

一触即発

  海上では、米・韓・日3軍による大規模演習が続き、南北朝鮮では、互いに広範囲にわたる砲撃訓練の応酬が始まった。この軍事的緊迫をマスコミは「一触即発」と表現している。つまりいつ戦争が起きてもおかしくないということだ。

 マスコミは、北朝鮮の長距離ミサイル発射や核実験、中国の尖閣諸島事件対応に、「脅威だ、脅威だ」と騒ぎ立てた。今回は、延坪島砲撃の生々しい映像が報道された後続報が続いているものの、一般の反応には、「いつもあることのひとつ」といった慣れと軽視があるように思う。

 塾頭は、「今度は違うぞ」と思っている。なぜならば、どうも金正日のコントロール能力に疑問がではじめたことで、今回の砲撃もやや「暴発」に近いのではないかと思えるからである。後継者問題があるにしろ、こんな冒険まで侵さなければならないのは、統制維持が相当危機的な状態にあるということである。

 中国外交筋が「駄々っ子のような」と評していたことが暴露されているが、親(アメリカ)を怒らせてしまったら、やさしい言葉も飴玉ももらえないことぐらい金正日でもわかるはずだ。北になんの見返りがなかった場合、数名の不満分子の陰謀で容易に全面戦争に火をつけることができる。

 いつの場合でも、戦争は思いがけない動機で思いがけない時期に発生する。中国が恐れるのは、北の崩壊で混乱が発生し、難民が国境を越えてなだれ込むことである。内戦状態など発生すれば、真っ先に北に攻め込むのは案外中国軍である可能性が強い。

 その結果、中国の傀儡政権ができたにしろ、アメリカにとって決して悪いことではないのだ。

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コメント

ウイキリーリスクに情報の提供したのは一上等兵らしいが世界中が大騒動。
前合同参謀本部議長だった新任の韓国軍国防相がこれまでの、敵の攻撃を受けた時の『交戦規則』を新たな北の挑発には適用しない、『交戦規則に拘らず徹底的に反撃する』と発表。
今までの韓国軍の交戦規則とは比例性が重視されていて、敵の攻撃と同種、同量の武器で反撃する。
今回の砲撃戦でも着弾した80発に対して80発を打ち返している。
海上に落下した北側の100発とは、4000発の南の軍事演習に対する威嚇射撃だったのでしょう。
『自衛権とは・・・懲罰することで・・・敵の挑発意思がくじける時までが自衛権の範囲』と語っているのですが本気なら大変なことですよ。
これなら例えば一人の上等兵が北に向かって銃撃すると向こうも間違いなく銃撃してくる。
銃撃を受ければ機関砲で反撃、相手が機関砲で反撃する大砲で、大砲なら空爆でとなり一発の銃弾から必然的に一気に全面戦争になだれ込みます。
ただ今回解任された国防相も1年半ほど前の合同参謀本部議長時代に『北朝鮮の核施設の攻撃』を示唆して野党側から追及された過去があるので、発言と行動とは一致しているとはならないのですが、『本気である』なら大問題ですよ。
日本も、北の危険性だけに注目しているだけでは危機は回避できません。

投稿: 宗純 | 2010年12月 9日 (木) 16時41分

米軍のマレン統合参謀本部議長というのもひどいですねえ。

 韓国軍の韓民求合同参謀本部議長と会談、北朝鮮の極地挑発に対する準備計画を優先的に進め、再び挑発があった場合は米韓同盟として協力に対応することで一致、また、記者会見で日本の役割にも触れ、「(北朝鮮に対し)一致団結し、より確固な努力を見せる必要がある」(かぎカッコ内毎日新聞12/9)

といったそうです。久間元防衛相ではないが、「偉そうに」言ったに違いありません。同盟国の法律はどうでもよく、他国軍を部下並みに見下す態度は、中国人民解放軍も同じでしょうか。

投稿: ましま | 2010年12月 9日 (木) 17時32分

マレン統合参謀本部議長は日米韓三国による合同軍事演習も主張していますが、
仙石さん、『無理である』と歴史的な問題点を指摘していますね。
ホンモノの戦争をしている米軍のマレンさん、まさか日本の多母神さんみたいに『願望と現実の区別が無い』何てことは有り得ないとは思うのですが心配。
日本の新聞報道だけも見ていれば戦争前夜ですよ。
ところが当時者の韓国側では日本よりもよほど冷静で、日本では『北の砲撃』だか韓国は『沿岸砲で』とかならず書いてある。
崖をくり貫いた沿岸砲台は敵軍の上陸阻止を目的とした防御専門なので『攻撃が限定的である』との意味合いが含まれています。
韓国大統領も今回の砲撃を決して『軍事攻撃』とは呼ばず『武力挑発』と表現していて、『限定的』であるとのニュアンスがあり事態がこれ以上拡大しないように気を使っている。
西海5島での砲撃演習も実施すると言っていたが現在まで行われておらすこのままなら中止される模様です。
韓国人も、北の『ソウルが火の海に』と同じで口があんぐりする様なとんでもなく過激な発言を行うのですが事実がそのままだとも限らないのですね。
南北双方とも大事にはしたくないのでしょう。
今回の南北砲撃戦は基本的に何処にでも有る2国間の領土紛争で双方の砲撃であり、韓国政府は最初から安保理提訴は考えてもいない。
関係ない第三者が今回のように煽り立てるなどは論外ですよ。
米軍が韓国から撤収することは既に決まっています。
また本当に戦争の危機が高まっているなら現政権が首都の移転を中止したのも頷けない。
北の危険性が本当にあるなら安全な南への政府官庁の移転が、すべてに優先する最大の課題でしょう。
ですから、この騒動ですがインチキ臭く、何となく年度末の駆け込みで行われる公共土木工事に近いのではないでしょうか。

投稿: 宗純 | 2010年12月10日 (金) 10時30分

宗純 さま
コメントありがとうございました。

お説では、北や韓国が冷静で、日米がその気もないのに好戦的、挑戦的のように見えます。

右翼マスコミはたしかにそのようですが「国」は、どこも本気の戦争をしたがっていないでしょう。

一触即発の危機にあるというのは、臨機応変の行動をする権限をもつ兵士のことです。その権限はクラウゼヴィッツの古典から現在まで、自衛隊を含めて伝統的にあります。

たとえ国の方針に反していても、それをあともどりさせる力のない国(戦前の日本やシビリアンコントロールが不能のような)では、あきらかに戦争の引き金になります。

兵士をその気にさせるとか、暴発を抑えられない心配のある国が出そうだということです。戦争は国が起こすとは限りません。楽観論は禁物です。

参考エントリー
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-8a72.html

投稿: ましま | 2010年12月10日 (金) 15時10分

すべてはビリアンコントロールが完全に機能しているか如何かにかかっていると思うのですが、韓国の国防大臣は現役も前任者も共に軍トップの合同参謀本部議長です。
前ノムヒョン政権でも陸軍総参謀総長が任命されているのですが、制服組のトップが軍服を脱ぐだけで文民の政府閣僚を拝命して引き続き軍を統括する韓国の現状は敗戦までの日本軍とも共通するもので、
欧米や今の日本など先進国のシビリアンコントロールとは大きく違っている。
指揮権が完全に韓国にあるとはいえないので旧日本軍とは意味も重さも違っているが、かっての旧軍事政権大統領が日本の士官学校卒なので影響しているのでしょうか。
アメリカ軍の制服組トップのパウエルが国務長官になったり欧州軍の最高司令官のアイゼンハワーが大統領になった例はあるが国防長官への任命は無い。
やはり文民統制のためには、韓国のような国軍のトップの国防長官に文民では無くて、現役の軍人の任命は大問題ですね。

投稿: 宗純 | 2010年12月10日 (金) 16時06分

そこで「暴力装置」の機能と習性を熟知した指揮者がいるかどうかの問題になってくるのだと思うのです。

佐藤正久元隊長のような無鉄砲な発想しかできない人とベトナムの修羅場を知っていて慎重な行動をとるパウエルさんでは、現場を知る元制服でも180度違います。

文民だからいいというものでもなく、松岡元外相のような人がトップにいたらやはり戦争になったでしょう。ブッシュ大統領もイラクで失敗しています。

 一番始末に負えないのは、暴力装置の本質をわきまえない文民かも知れません。アメリカは明らかに参謀などが出すぎですよね。ほかの国が文句を言わないせいでしょう。

投稿: ましま | 2010年12月10日 (金) 21時22分

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