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2010年11月26日 (金)

黄海大海戦

♪煙も見えず雲もなく 風も起こらず波立たず
  鏡のごとき黄海は ……

 70歳以上の人なら、思わず節をつけて歌いだしたくなるだろう。それほど軽快で明るいテンポの節回しだ。今から116年前、日清戦争の時の歌である。中国は、最近はじめて海軍力を強化、近隣国に脅威を与えている、というのは嘘で、日清戦争当時は新鋭大形艦を網羅した「北洋艦隊」に勝てる戦力をもつ国はないと思われていたのだ。

 朝鮮半島の主導権をめぐって日中が正面衝突し、黄海の制海権を競う日本海軍にとって初めての近代戦が展開された。双方の総トン数はほぼ拮抗していたが、日本はスピードのある小回りが利く軍艦と砲門数で勝っていた。

 4時間にわたる海戦の結果、清国の3隻を撃沈し4隻に大損害を与えて追い払うことに成功した。日本側も旗艦松島などに損傷を受けたが、結果は圧勝であった。陸戦でも戦意におとる清軍を追撃し、国境・鴨緑江を越えて遼東方面に攻め込んだ。

 一方、黄海の制海権を握った日本軍は、山東半島に上陸、北洋艦隊が逃げ込んでいた威海衛軍港を海・陸双方から挟み撃ちにし、完全にこの海を制覇した。北洋艦隊水師提督・丁汝昌は、毒を仰いで自決した。

 ここまで攻め込まれれば、北京はのど元を押さえられたようなもの、清は世界の予想に反して白旗を掲げることになる。

 その黄海で、28日の日曜日から米原子力空母、ジョージ・ワシントンを含む米韓合同軍事演習が始まる。北の韓国砲撃をけん制する威示行動だ、前回企画された時は、中国の猛烈な反発で空母の参加はとりやめたが、今回は抗議せず我慢しているようだ。

 仮に、日米韓の合同演習だったらどうだろう。絶対に黙っていない。北京が危機にさらされる、という黄海大海戦の悪夢がよみがえるからだ。「♪煙は見えず雲もなく」などのんきな気分でいられない所以がそこにある。中国が黄海が玄関口とか庭先だというのはそういう意味だ。

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『南北砲撃戦』と呼ばない不見識 11月23日朝鮮南北境界線近くにある延坪島(ヨンビョンド)に駐留する韓国軍が総3,657発に及ぶ海上射撃を実施中に北から砲撃を受け、2時間に渡って双方が断続的に砲撃戦を展開して民間人にまで死傷者がでた。 この南北間の軍事衝突事件で、日本側マスコミは『北朝鮮が砲撃、民間人が死傷』の号外まで出す騒動である。 管首相は即座に高校無償化の対象から朝鮮学校を外すように文部大臣に命じるは、野党は首相公邸にいた管首相が隣りの首相官邸にいなかったと非難するは、誰も彼もが浮き足立... [続きを読む]

受信: 2010年11月27日 (土) 09時14分

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