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2010年11月16日 (火)

偽悪者・仙石長官 

 前回、馬淵澄夫国土交通相と仙谷由人官房長官の不信任案を出すということについて「敵塩になりませんか」と題して記事にした。そして、「まさか、本気じゃあないでしょうね」とも書いた。自民党は、それにもかかわらず予算委員会に付議、社民党以外の野党が賛成したが成立できず葬り去られた。

 ということは、信任されたということだが、自民は最初からそうなることが分かっていたのに出したというのは、やはり本気ではなく、議事妨害と面子だけだったということだ。他の案件と違い、外交がからむ問題だけに、まったく無駄なことをしたものだ。

 馬淵氏がビデオ流出の最高監督責任者というのはわかる。しかし、仙谷氏の「説明責任を果たそうとせず、適格性を著しく欠いている」、というのはなにを指すか全くわからない。このところ、小沢氏たたきの目新しい材料がなくなったので、かわりにターゲットを仙石氏に替えたという話がある。

 中国外交を弱腰といわれ、「柳に風」という表現を「柳腰」と言いちがえたことで「撤回しろ」とつめよられたり、メモを望遠レンズでぬすみ撮られたのを「盗撮」といっからといって大げさに抗議されたり、もと大物総会屋だった小川某の連絡先が記録されていたという、弁護士なら当然ありうる話を、鬼の首を取ったように報道されたり、まったく取るに足りないことで袋叩きになっている。

 こうなると天邪鬼の塾頭は、仙石氏を応援したくなる。仙石氏は、なかなか立派な名官房長官である。尖閣諸島問題が起きてからの言動対応は、「司法の判断による」と、たとえ政治的なウソがあったにしろ、いうことが一貫していてぶれていない。

 外交関係で重要なことは、原則的な発言がぶれないことだ。日本をすっかりダメにした鳩山外交の右往左往ぶりを繰り返すようなことをしていない。さらに付け加えると、首相にかわって、泥を一身にかぶっていることだ。

 官房長官は、いつも控えめで首相を表に立てるようにする逆をいっている。だから言いたいことを言っては、悪者を演ずることになる。保安官の秘密漏えいにつてい、厳正な方途を確立しなければならないという発言に対してもそうだ。

 「彼は愛国者で、売国政権にそれを裁く権利はない」という石原都知事妄言は論評に値しないが、「あれは秘密ではない、すぐに公開していればこんなことにならなかつた」という、外交問題や法的ルール無視のあと出しじゃんけん論、そして国民の知る権利論などの抵抗は、なかなか強い。

 そういった中で、「崩れ始めた文民統制」を特集として出す雑誌も出始めた。『サンデー毎日』11/28号のサブタイトルはこうなっている。

・馬淵国交相は辞めてはならない
・「流失保安官英雄視」は「5・51事件」と酷似
・自衛隊暴発に飛び火する危険

 また、一般紙でも両論併記ではあるが、右翼論客を含め、文民統制の危うさを指摘する声が最近になって大きくなったような気がする。5・15事件については、「11本の指」というキーワードで、本塾に検索の多い記事があるが、中国大使館や小沢一郎事務所にたびたび銃弾のようなものが送り付けられるという報道を思い出した。ご関心のある方はこちらへ。l

 すこし、外交や軍事そして歴史を勉強した人ならすぐわかることだ。仙石さん、あなたは悪代官でなく名官房長官だ。初心を忘れずにその調子でしっかりとすじを通してほしい。
 

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