« 菅内閣打倒!はあるか | トップページ | 日中、賢いのはどっち »

2010年10月28日 (木)

同盟の深化と殺戮

 「今日は田んぼでべトコン1人をやった。あのヘリコプターを飛ばせて、その糞ったれ野郎が逃げ回るところを機関銃を浴びせたがどういうわけか当たらないんだ。しまいに野郎は俺たちに向き直って小銃を向けやがった。俺たちは奴の尻までぶっ飛ばした。ただの風船みたいに破裂したぜ」

 これは、米海外記者クラブ賞を受賞したフィリップ・ナイトリー氏の名著『戦争報道の内幕』の中で、ある米兵の自慢話を紹介したものだ。そのあと、子供を含むベトナム人男女の死体凌辱の話などが延々と続く。その前段に彼はこのように書いた。

 戦争にうまく勝利するには、敵を非人間的に見ることを将兵が学ばなければならないことは、あらゆる政府が気付いている。これを達成するもっとも簡単な方法は、国家主義的または人種差別的感情の一方、あるいはその両方を燃え上がらせることである。

 イラクで、アフガニスタンで、テロリストへの報復を名目に非人道的行為が広範にわたってあったことは、すでに公知の事実である。しかし、パキスタンなどで、将兵をマインドコントロールする必要さえないような殺戮が、ノーベル平和賞を受けた人の手で今なお続いている。

 前線の兵士は、現場から遠く離れた兵舎の一室で、ゲームのコントローラーのようなものを手に、ディスプレー画面を注視している。その画像は無人機から送られてくる現場写真だ。兵士は、何も考えずにひたすらゲームに熱中し、時間も忘れている幼い児童の姿に似ている。

 こうして兵士は、身も心も傷つかず、人影が目につき次第ゲーム感覚の殺戮を繰り返す。その一方、治安回復などの名目で現地に入った陸上部隊の兵士の中から、多くの戦争神経症とか心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患が続出、除隊後それが顕在化して、失業や犯罪を繰り返すなどアメリカの社会問題になっている。

 日本では、そんな心配が一切ない。また、それを想像する人もほとんどいないだろう。アメリカが「こういうことに日本も付き合え」ということなら、「日米同盟の深化」などまっぴらご免だ。今の政府にそれを言える度胸が果たしてあるのか……?。

 

|

« 菅内閣打倒!はあるか | トップページ | 日中、賢いのはどっち »

反戦・軍縮」カテゴリの記事

コメント

菅さんには度胸は無い。彼は国民との約束をどんどん破っている。残念だ。イラク攻撃に従軍した兵士の本、冬の兵士と言うタイトル(だったと思う)の本を買ったが、途中で辛くて読めなくなった。戦争の現場では、人道とか人権は爆弾で吹き飛ばされて無い。戦争に行かない奴らが戦争を始め、戦争を知らない若者が戦場に送られて、戦争を知る、だが、もうその時は手遅れだ。彼らは死ぬか、運良く生きて帰れても、手がなくなるか、足がなくなるか、人間らしい心を失うか、気が狂うかだ。もう、母国に帰っても安らぎの地はなくなっていたりする。ああ、辛すぎる。

投稿: カーク | 2010年10月29日 (金) 20時21分

 ウサマビンラディンはまだ生きている。「イスラムの風習を禁止するフランスと戦え」などといっいてる。国の威信をかけ、あれだけ多くの兵を失ったアフガンの戦いにアメリカはまだ勝てない。

 彼が死んでも偉大な殉教者になり、テロはなくならない。何のための殺戮か、頭の悪いやつばかりだ。

 今よりは秋風寒くなりぬべし
  いかでかひとり長き夜を寝む
         『新古今和歌集』

投稿: ましま | 2010年10月29日 (金) 21時31分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/37432316

この記事へのトラックバック一覧です: 同盟の深化と殺戮:

» 近い将来の日本の最悪の様子を想像してみた。 [ジャッカルの目]
 ここのところずっと感じているのが、日本社会の閉塞感のいっそうの強まりだ。いろいろなことが、悪いほうに向かい、それに対し、政府も企業も国民も、何の対処もできないでいる。それどころか、悪いのは××のせいだ!みたいな悪者探しばかりしていて、責任逃れに終始し…... [続きを読む]

受信: 2010年10月30日 (土) 05時32分

» 『民主集中制』の党規約の意味 [逝きし世の面影]
現在の日本共産党組織の問題点を簡潔に言うと党規約にある『民主集中制』の問題に集約されるのではないでしょうか。? 何故現在の日本共産党は民主集中制にこだわるのか。? なぜ民主主義だけではいけないのか。? 日本共産党機関紙赤旗では、『集団的に検討、その決定に参加した人々は決定を全面実践する責任があります。これが民主主義の基本的原則です。』と説明するのですが、 検討段階で反対であっても実践段階では決定に従がうのは民主主義の基本原則であって、あらためて聞き慣れない『民主集中制』などと小難しく言い変える必... [続きを読む]

受信: 2010年10月30日 (土) 09時28分

« 菅内閣打倒!はあるか | トップページ | 日中、賢いのはどっち »