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2010年10月30日 (土)

日中、賢いのはどっち

 2010_10290002今朝、新聞を取りに行ったら、共産党のチラシがポストに入っていた。題して「尖閣諸島問題 日本の領有は国際法上も正当」、「しんぶん赤旗号外」でタブロイド判4ページ分あり、なかなか読みごたえがある。

 見開きページは右上隅に、1920年(大正9)年、中国長崎領事館が発行した、尖閣列島で同国漁民の遭難を救護した感謝状、右下段に、1958年(昭和33)北京で発行した「世界地図集」、左下は1953年(昭和28)年1月8日付「人民日報」紙面が掲載されている。いずれも、すでに報道されているものだが、中身をより正確に確認できるのがありがたい。これはゴミ箱行きではなく保存ファイルに収めよう。
2010_10290001 
 先週、「尖閣共同開発を袖にする愚」というエントリーをあげ、事件発生の強烈な「本震」のあと執拗な「余震」があると書いたが、終息すると困る勢力がいると見えて、なかなか後を絶たない。今日の新聞にも、ベトナムで予定されていた日中首脳会談を、中国側が「日本が雰囲気を壊した」など、慣れない男女の交際のような理由でことわったそうだ。

 前回も書いたことだが、この問題はいくつかに分けて考えなくてはならないのに、お互いに反日・反中というナショナリズムガチンコ勝負にだけ関心を向ける。そもそもが、中国船員逮捕にはじまり、すでに全員帰国したのに、まだ国会でビデオを全面公開するとか制限するとかでもめている。

 中国も「船員を釈放しろ」とは言えないから、反日スローガンに困っているはずだ。ビデオをどうのこうのして、日本に何のメリットがあるというのだろう。日本人が尖閣が日本領であるという信念と領土を守り抜くという固い決意をもっていれば、なにも動ずる必要はない。

 共産党のチラシを上回る反論は、中国にできると思えない。それを中国幹部は知ってる。いまの時期はキャンキャン吠えまくる方が負け犬になるのである。その点でチラシが最後にこれまでの政府の主張が弱かったことを責め、

 日本と中国との間で、あれこれの問題で意見の違いや行き違いがおこっても、問題をすぐに政治問題にすることを戒め、実務的な解決のルールにのせる努力が大切であり、話し合いで平和的に解決することが何よりも重要である。

 と、数行で片づけてしまったのは残念だ。共産党にも、いうだけでなく「努力が大切」であることを自覚してほしい。

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コメント

首脳会談のキャンセル問題では、ガス田共同開発で合意していないにもかかわらずフランスの通信社(AFP)が誤報を流したからだとして、日本政府外務省がただちに抗議して通信社側が謝罪訂正したとされていますが、果たして真実は如何でしょう。
穿って考えると、AFPが外務省か前原外相発のいわゆるリーク記事を書いたら、中国側が怒って大問題になったので揉み消した風にも見えます。
AFPですが世界最古の通信社で現在 AP通信 ロイターに次ぐ世界第3位の規模を持つ通信社で、何も無いところの観測記事とも思われません。
前原か、それとも外務省官僚か、昔の田中真紀子外相と外務省官僚との足の引っ張りあい争いと同じで、何れかが何れかを困らせてやろうと『相手を嵌める目的』でわざと誤報をリークしたとも考えられます。

投稿: 宗純 | 2010年10月30日 (土) 17時17分

宗純 さま こんにちは

 マスコミまたは記者の劣化ということがよく言われますが、AP、AFP、UP日本では共同通信、昔は電通も電報通信社といいましたが、どうなんでしょう。

 昔、アメリカの「キャグニーの新聞記者」という映画を好んで見ましたが、どうやら海外でもジャーナリズムの劣化が進んでいるような気がします。

 グローバリゼーション=商業主義、とどまるところを知らない。文明と知性の劣化どこまで続くやら。

 民主主義凋落現象のひとつですね。

投稿: ましま | 2010年10月30日 (土) 20時41分

 中華思想の一党独裁国家に対して、「一ミリたりとも」と宣う前原国粋大臣ばかりでなく、共産党までもが「堂々とその大義を」との論調、!
 それを心配します。
 
 それとは別に、領土とは「無主の地」を「先占」すれば成立するとのこと。尖閣諸島の地主さんは埼玉県在住の方と聞き、先祖は漁業主だつたのだと一人合点しています。

投稿: 元部平憐 | 2010年11月 1日 (月) 16時48分

元部平憐 さま
こんにちは。コメントありがとうございました。
「1ミリたりとも」というのは、前原というより、外交を差配する国にとって国土保全や邦人保護は、最優先で言わねばならぬ常套句で、交渉はここから始まります。

 明治維新後最初の中国(清)との交渉で、台湾に漂流した琉球藩民が虐殺されたことを抗議した際、清は「台湾全島は清国領であるが、ただ蛮族は化外の民で清国の政教のおよばないところである」(『日本の歴史』中公文庫による)と答え完全な施政権を否定しました。謙譲は美徳でない場合もあるのではないでしょうか。
 これが、日清戦争後の台湾割譲に影響したと思います。

投稿: ましま | 2010年11月 2日 (火) 10時39分

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