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2010年10月15日 (金)

官房異聞

 衆参両院での国会論議が続いている。野党は、外交にしろ経済にしろ、いま問題の司法にしろ国民が真剣に望んでいる論議をよそに、議事堂での写真撮影だとか柳腰がどうだとか、本論から外れたところで「謝罪しろ」とか「取り消せ」だとかといって時間と国費を浪費している。

 その中で仙石官房長官の老練さが目立っている。抑制にこれつとめる首相をカバーする一方、言いたいことは言って、発言を追及されればあっさり謝るなど、野党の次元の低い指摘、追及をむしろ際立たせる役目をつとめている。

 官房とは何か、辞書にもあまり出ていないのだが、入江曜子『紫禁城』岩波新書にこんなことがでている。それを仙石長官が地でいっているのかどうかは別として、日本でいえば大正末期まで続いた中国・清王朝の「官房」の話だ。

 官房といえば日本では内閣官房などの官庁の一部門をさすが、清朝では皇帝、太后、后妃が用いるポータブル式便座を官房、それ以外の臣下のものは便盆と呼んで区別する。

 食堂がその時々の主人の気分によって定められるのと同様、トイレットも一定の場所があるわけではない。まず主人から「官房を伝えよ」と声がかかると、係の宮女たちはただちに行動をおこす。

 一人は官房承り係というべき太監に命令を伝える。それを承けた太監は雲龍模様の黄絹で覆った便器を恭しく頭上に捧げて居宮の門まで運び、そこで一礼すると素早く覆いとって運搬役の宮女に渡す。この間、別の宮女は主人の衣服をくつろげ帯紐を外し、さらに別の一人が官房の下に敷くための約二尺平方の油布を準備する。

 使用後、宮女は官房を捧げて門まで行き、待機していた太監に渡す。彼は恭しく受け取ると再び黄色い覆いをかけ頭上に捧げて去る。そこには洗う係、拭き清める係、香水のチップスを詰める係などそれぞれ専門の太監がいて素早く処理をするため、あたりに臭気が漂うことはない。

 ちなみに排泄物は暖房の灰で覆われ、さらに太監や雑役たちの手をへて城外に搬出されるが、西太后の場合は、尊い排泄物を灰で汚してはならないとされ、特に香水のチップスが用いられた。

 官房の材質は琺瑯引き、銅製、木製などで種々あるが、西太后のお気に入りは香木製で、それにセットとなる椅子式便座は大ヤモリ「大壁虎」をかたどった檀材で、四本の足はしっかりと床を押さえ、捲いた尾は把手、擡げた頭はトイレットペーパーを挟むためにやや上向きに口を開いているしいう凝ったものであった。

 長い引用で気が引けるが、ネタがネタ。途中でやめることができなかった。あしからす゜。m(_ _)m

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