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2010年8月 5日 (木)

静かにしているのは、菅?

 参院選を前に菅首相は、小沢前幹事長に「しばらくは、静かにしていただきたい」と所感を述べた。小沢氏も「ムッ」ときたかも知れないが、鳩山氏道づれの辞任は、選挙対策の一環なので反撃してみようがない。菅氏の新人事は、後任幹事長に枝野氏、官房長官は仙石氏と閣僚から横滑りさせ、落選した千葉法務大臣もあえて留任させた。

 この最小限度の人事の意味するところは何だろう。自ら副首相の位置にあった鳩山内閣からの継続性を示したかったということもある。しかし、枝野氏と仙石氏の起用は、反小沢シフトと見られても仕方がない。そこから9月の代表選は、民主党内の小沢・反小沢の存亡を賭けた権力闘争、という見方にジャーナリズムは傾きがちだ。

 しかし当塾はそう見ない。それでは、野党に格好な攻撃材料を与えることになる。国会や世論の動向次第では解散総選挙含みとなろう。そうなれば民主党議員は、多数を確保できても、現有勢力を失う危険を背負って戦わなくてはならない。

 そのような選択を与党議員が選ぶはずがない。さらに、選挙権をもつ地方党員・党友などは、菅氏に不満はあっても、続投を望むという世論を背に、党分裂のギャンブルに手を貸すとは思えない。国民の支持が期待できない満身創痍の第一小沢氏自身が、ここで捨て身の代表選候補となることなど、政治のプロの発想としては、ありえないのではないか。複数候補の選挙になるとしても、前回と同様な経過をたどりそうだ。

 菅氏が、選挙後党員総会など手でひたすら低姿勢に徹し、政策面でも予算委員会で新機軸を打ち出すことなく、原則、前内閣方針を引き継ぐ姿勢を続けるのは、代表選後に小沢氏と妥協をはかり、ここで一挙に挙党一致体制を築こうとしているのではないか。今「静かにしている」のは菅首相の方である。

 就任時の人事を最小限にとどめたておいたのも、その下地を作っておく意味があったと見られなくもない。代表選後に内閣大改造をするとなると、普天間移転で鳩山氏を支えられず混乱のもとを作り、沖縄県民の信頼を欠く岡田外務、北澤防衛の2大臣は当然交替の対象になるだろう。

 枝野幹事長は、選挙敗北の責任を取る意味で解任、不得意の党務から離れ、政策実務に手腕を生かせばいい。後任は小沢氏推薦でいい。民主党内で、小沢グループが唯一自民党的派閥に似たものになるだろう。森派で見らたように派閥の長は、必ずしも要職につく必要はない。政局をにらんで暗躍するにはむしろその方が好都合だ。

 菅氏は、あえて「小沢氏のみこしで担がれてやろう」という、戦略的現実主義者でいいのではないか。これまでの経緯から見て、彼にはそれだけのしたたかさがあるはず、と見たのだ。以上、当塾の我田引水型楽観論である。

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