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2010年7月22日 (木)

朝鮮を考える①

 大韓航空機爆破犯として韓国で死刑判決を受けていた金賢姫が来日して、国賓並の待遇もさることながら、TVワイドショウのフィーバーぶりもまた異状である。番組の中でアナウンサーが、中継でつながった韓国駐在の記者に、「韓国、そちらの反響はどうでしょうか」と質問したのに対し、本局の期待に反して「小さな記事で紹介されているだけです」と、申し訳なさそうに答えていたのが印象的だった。

 身近な隣の国なのに「朝鮮」(以下朝鮮半島と朝鮮民族の総称とする)のことをさっぱりわかっていないのが日本人である。韓流ドラマがすっかり定着し、ライバルのスポーツ選手もなじみの存在となり、わがパソコンの増設メモリーもサムソン電機製であるが、地方参政権とか、高校の無償化などになると朝鮮を念頭に置いて偏狭なナショナリズム?が頭をもちあげ政治問題化する。

 韓国にも日本以上の拉致被害者がいるのに、なぜ騒がないのだろうか、天安艦沈没事件の当局発表を鵜呑みにしない勢力があり、当局も強硬手段にいまひとつ引けたところがあるのは何故だろうか、日本に敵愾心をもやし、歴史認識で一歩も引かずこだわるのは何故だろうかなどなど、オピニオンリーダーでさえ双方の認識に大きな隔たりがあり、協調への道を妨げているのではないかと気になる。

 そういった中、拉致被害者家族の田口さんや横田さんと金さんが数時間という長時間にわたり話し合い、心を通じ合ったことは、今後の相互理解に大きく役立つのではないかと思う。田口さんの長男は朝鮮語にトライし、料理を共に作るなど実の親子のように付き合うことに成功した。

 金賢姫さんは、北の立場を理解し、話の糸口さえつけば必ず帰ってこれるようになる、という考えのようである。また田口さんは、韓国で大韓航空爆破犠牲者の冷たい目を意識し、北の刺客を恐れ、時の対北政策の激変におののき、軟禁に近い暮らしを強いられている金さんの境遇を知る。そして、分断民族がおかれている悲劇・悲願に思いをいたすことになるだろう。

 横田さんは、父・滋さんが韓国を訪問したこともあり、韓国の複雑な立場にも配慮され、北制裁一本槍では解決に資することがないというお考えのように拝察される。今では家族会会長を辞されが、かつて孫ウンギョンさんに会いに行きたいといった希望を、「問題解決の口実に使われる」との理由で断念されたようにも記憶する。

 一方、家族会から抜けられた蓮池さんのお兄さんは、当初は強硬派副会長として活動されていたと思うが、拉致されていた弟さんが朝鮮語のベテランとして相互理解の活動をはじめられたこともあってか、制裁一辺倒の拉致問題対策に批判的になったようだ。

 そうした中で、「救う会」を中心としたこれまでの拉致問題活動は、転機にさしかかっているのではないか。それにしても、金正日の代が変わると、父親の方針は変えられない、父祖の行動に泥を塗ることはできないということで、解決はますます困難になると推測する。

 民主党政権に、拉致問題解決にコペルニクス的転回ができるかどうか、これも熱望はするが、現内閣では悲観的だといわざるを得ない。菅総理は、左右の次元の低い対立や、小沢グループとの確執などにこだわらず、果断な指導力を発揮する以外に生きる道がない。

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コメント

国賓待遇の金工作員ですが特定失踪者の何百人もの写真を見て『何人かは見たことがあるような気がする』と語っているのですが、これを『救う会』報道では『何人かを見た』と成っている。
『見たような気がする』と『見た』では意味が180度違いますよ。
これ等の何百人の顔のなかには私でも誰でも、『見たような気がする』人は今までに何人か必ずいるものです。いないほうが可笑しい。
拉致問題一つで売り出した小泉安倍ラインであるが後継の麻生太郎に対してはアメリカが『拉致問題の解決とは何か。?』と質問したのですが、具体的に何一つ答えられないのです。
なにやら第二次世界大戦の時と同じで様な話で縁起が悪い。
あの時、最後の戦争集結のシナリオまで考えて戦争を始めたアメリカと考えていなかった日本の違いが結果に如実にあらわれて、最後に日本は酷い目にあってしまったのです。
国賓待遇など問題外で、拉致問題などで新しい証言などが欲しいなら即座に逮捕して聞きだせと主張しているのですが、
なんと家族会を除名された蓮池兄が同じ意味のことを電話インタビューで語っていたが、今度の来日は解決にはプラスにならずマイナスになるとも語っていた。
昔は正反対の意見であったものが、時はすぎ私は昔と同じだが今では完全に意見が同じになっているから不思議です。

投稿: 逝きし世の面影 | 2010年7月22日 (木) 16時58分

逝きし世の面影 さま
コメントありがとうございます。

日本の拉致狂想曲演奏にはうんざりしますが、蓮池兄にしろ、人格者横山お父さんにしろ、若い田口長男にしろ、朝鮮を本当にわかる人がふえると信じています。古代の日本人、徳川家康、伊藤博文、愛国者であるとともに朝鮮の理解者でもありました。

年のせいか、楽観論に傾きがちです。

投稿: ましま | 2010年7月22日 (木) 20時43分

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