« 裏社会抹殺の狂気 | トップページ | 辻元議員離党に思う »

2010年7月27日 (火)

米国追随報道を自己批判?

 米国批判を遠慮する大新聞の報道姿勢を取り上げ、自省するとともに改善すべきであるという、署名入りの記事が毎日新聞に出た。これまで当塾でもたびたび指摘し、批判してきたことだが、マスコミ自身が報道姿勢の偏りを認め、臆せず告白したことにまず驚いた。

 その記事は、7月25日付朝刊の「米国批判のすゝめ」という布施広専門編集委員の記事である。その中で、

「病的」か否かはともかく、米国への恐れは日本の政治家や官僚、メディア一般の意識にも刷り込まれている。

 と、こうもあっけらかんと言われると、返す言葉がなくなる。ジャーナリズムだとか、オピニオンリーダーだとか社会の木鐸だとか、これまで言い古されてきた言葉も野暮に聞こえる。背景としてあげられた「米国への恐れ」の意識、これこそ日頃分析を重ね、批判し、報道しなければならない最大のテーマではないか。

 それにふたをしたまま、軍事アナリスト・小川和久氏の発言「政治家や官僚の多くは、アメリカに守ってもらっている日本は文句など言えないと思いこんできたのです。こんな卑屈な態度は、いい加減に改めなければいけません」や、福沢諭吉が「利を争うは古人の禁句なれども、利を争うは即ち理を争うことなり」と説いたことを上げ、日本の「利益」を守る「論理」を展開せよ、という結論に持ち込む。

 相当な長文で、普天間基地移転問題など、政・官・メディアが一体となって鳩山構想を引きづりおろした構図はおぼろげながらわかる。しかし、日米同盟の存在に安住して問題点を不問に付してきたいきさつなど、他人ごとのような説明で弁解のようにも聞こえる。果たして、及び腰から抜けきれるのかどうか不安は抜けきれない。

 しかし、日頃憶測はするものの、厚いベールにつつまれて見ることのできなかった内実をあかすことは、横並び意識の強い組織の中で、相当勇気のいることだったと思う。その点でこの記事は大きく評価したい。記者のいうように、アメリカにものを言う、議論することこそ、国益に合致するのだ、という姿が一日も早く見られるようなってほしい。

 ことに、普天間移設問題は、11月の沖縄県知事選の結果によって、再び漂流をくりかえす恐れがある。今度こそ沖縄に負担を強要する国内問題にしてはならない。国際問題としてうまく処理できるよう、政・官・メディアの根本的な脱皮が必要だが、菅・岡田ラインにその覚悟がなければ、せっかくのメディアの自己批判も宙に浮く。これは、相当の長丁場になりそうだ。

|

« 裏社会抹殺の狂気 | トップページ | 辻元議員離党に思う »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/35917045

この記事へのトラックバック一覧です: 米国追随報道を自己批判?:

» (続)共産党のテサロニケ的党名変更問題 [逝きし世の面影]
『政党の目的は政権をとること』 今回歴史的な大敗北を喫した第22回参議院選挙以前の、今までの日本共産党は得票率7〜8%450万の得票で有権者全体の5%弱程度でしょうか。 此れでは確かに政権は執れません。 その事を党中央も知っていているので『確かな野党』なのです。 しかし1980年代以前は民主連合政府と言うれっきとした政権構想を持っていた。 共産党であれみんなの党であれ、政党とは政権を執ることを目的に結成されているものなのである。 今の共産党に何が必要で何が不足しているのか。? 共産党に限らず、『... [続きを読む]

受信: 2010年7月28日 (水) 08時34分

« 裏社会抹殺の狂気 | トップページ | 辻元議員離党に思う »