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2010年7月10日 (土)

米国流言論の自由

 前回に続いて、毎日新聞の国際面(7/10)からの取材である。同じページの下段の扱いで、アメリカ人の発言をめぐる責任問題を取り上げた別々の2件のニュースである。くわしくは、電子版で見ていただくとして、最初に内容を紹介しておこう。

 その1のタイトルは、「『一部アフガン人への銃撃は楽しい』発言:米中東司令官に就任へ」で、いまひとつは「ヒズボラを賞賛女性編集者解雇:CNN」である。その1は、この塾でもすこしふれたことがあるが、アフガンのマクリスタル駐留米軍司令官が、飲酒の席でオバマ大統領の政策と側近をおとしめる発言をしたことがバレて更迭され、その後任のまたその後任である中東軍司令官にマティスという海兵隊の大将が就任したことに始まる。

 彼は5年前の討論会で、「アフガンではベールをかぶっていないからという理由で女性をたたくやつらがいる。そんな連中を銃撃するのはとても楽しい」と発言して、けん責処分を受けた前歴がある。人種や宗教が違えば狩猟気分で人を殺してもいいという、ベトナム戦争で一兵士が発した言葉が世界のごうごうたる非難を浴びたことをもう繰り返しているのだ。

 ゲーツ国防長官は「その後の5年を見れば学習したことが分かる」と弁護したが、幼児じゃあるまいし学習で消える問題ではない。アフガンを含め大部分の戦闘の場所がイスラム圏なのに、そんな人を配属してどうして市民の協力が得られようか。日本では絶対受け入れられない寛容さ、つまりゲーツの弁解が簡単に通ってしまう国なのかと思ってしまう。

 もう一つは、米CNNテレビで20年にわたる経験を持つ中東担当の女性記者が、4日に死亡したレバノンのイスラム教シーア派最高権威ファドラ師のことを、ツイッターに「大いに尊敬する(レバノンのシーア派武装組織)ヒズホラの一人だ」と書いて解雇された。

 言論人が言論で首になるとは、これまた異常なことだ。経営者やユダヤ人読者の強圧があったのであろうか。中国でダライラマを尊敬したからといって、国外追放になるようなことを、アメリカが人権問題として非難する権利は全くないといっていい。

 たまたま、小さい記事ながら同じ紙面に載ったせいで、アメリカ流の「自由」に対する疑念が一段と高まってしまった。言論の自由は、戦後GHQの肝いりで、ニューヨークの自由の女神像と共に学んだ。また、情報公開制度ひとつとっても、日本が学ぶべき情報先進国であると信じていた。

 本当のことはアメリカに住んでみないとわからない。しかし、アメリカの開けっぴろげな「正義」が、いつの間にか、始末に負えない「暴君」の社会に化してしまったのではないかという危惧の念が去らない。

 

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