« こうなってしまった | トップページ | 日本の軍事力? »

2010年6月 6日 (日)

菅内閣の人事

 金・土とパソコンに向き合う余裕がなかく、新首相誕生にもふれていなかったので通例にしている日曜の休みをなしにし、これまで報じられている閣僚人事などについて感想を書いておく。

 まず、仙石官房長官。これまで福田さんをのぞいて、あまりにも幼児っぽい首相が続いたので、菅首相には是非大人の政治をしてもらいたいと思う。官房長官といえば首相と一心同体になれるようなお友達人選が行われがちだ。その点適当な距離感を持ちながらアドバイスができる、大人の仙石さんは適任ではないか。

 枝野幹事長。仙石氏と共に前原グループとされている。また、両人ともこれまで公然と小沢批判をしたことのある人だ。前原氏が菅代表支持の第一条件に日米同盟の深化を持ちだしたからと言って、前原氏のように小泉元首相から持ち上げられるような向米軍事オタクとは思えない。

 枝野氏は党の憲法調査会長として、国民投票法案作成に係わったことから、一部改憲派の警戒があるようだが、法案作成にあたっては、国民の意見より確実に反映すよう自民党の改憲促進派の議員と張りあって、論理的に自説を通した。最近の事業仕分けが彼の能力に日を当てたようだ。

 また、両人の起用が小沢グループの反感――週刊誌風にいえば「激怒」を買い、新たな党内抗争に発展するという、いかにもそれを望むかのような論調があるが、これはマスコミにとって小沢が悪者であり続ける方が都合がいいからなのであろうか。

 彼の政治に対する知識や能力は卓絶しており、強引であるにしろ、引退後もなぜそこまで小沢叩きをしたいのかがよくわからない。小・鳩体制はカネと普天間移転の問題で崩壊したが、カネの方はあくまでも導火線となっただけで、民主党員も政治の専門家も本質的原因ではないと思っている。

 仮に今度の参院選で民主党がほどほどの成績をあげるか、または現状維持が果たせれば、菅内閣に致命的失政がない限り小沢の反乱、政界再編劇はおこり得ないし、あっても成功しない。彼の政治目的は2大政党交替論であり、その完成に向けた道筋さえつけば、発言力維持をはかるにしてもこわし屋になる意味がない。

 最後に、岡田外務・北沢防衛・前原沖縄担当3大臣の留任は、鳩山内閣普天間移転先失政を作ったA級戦犯で、当塾来訪の皆様には「怪しからん」とか「がっかりした」というご意見が多いだろうと思う。平野官房長官のように、当然更迭されるべきだが留任の意味はある。

 というのは、9月までに普天間移転先の具体計画を作成する約束をアメリカとしてしまったからである。その責任は副総理であった菅氏にも責任はあるが、日米の外交・防衛の2+2合意で菅氏は直接関与していない。9月までに沖縄県民や徳之島などの合意を得た案が作れるとしたら、どんな案か。

 3大臣が可能と思ったのならその残った困難な宿題を仕上げる責任がある。今、首にしてしまうわけにはいかない。そして菅代表の任期は、鳩山代表の任期残存期間9月に一旦切れ、全国党員などを含む正式な選挙に臨まなければならない。

 普天間問題で、アメリカ、住民双方が賛成する案ができるとは到底思えない。11月には沖縄知事選挙もある。前述の代表選挙で複数候補が出れば、普天間移転問題で3回目の仕切直しをするのか、地元の同意を得ないで強行突破するのか、そこらが深刻な争点になるだろう。

 いずれにしても、鳩山首相の5月結論期限より厳しい判断が求められる。前者であればその時点で3大臣を変え、ゼロからやり直さなければならない。後者であれば自民党にもなかった非民主的強権政治となる。とても、菅政権の絶えられるところではなかろう。
 

|

« こうなってしまった | トップページ | 日本の軍事力? »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/35099325

この記事へのトラックバック一覧です: 菅内閣の人事:

» 菅政権樹立をどう読むか「一歩前進二歩後退」 [老人党リアルグループ「護憲+」ブログ]
菅政権が成立した。わたしは昔からの菅ファンなので、まずは「おめでとう」を言わなければならない。ただ、菅首相が長期政権になるためには、多くの不安が残る。 わたしは、「政権交代」以前から、「民主党政権二段階革命論」を主張してきた。「政権交代」を行い、日本の既得権益層の存立基盤を破壊するところまでは、小沢一郎という稀代の破壊家(革命家)の力を最大限利用しなければならない。この破壊のプロセスが中途半端だと革命は必ず失敗する。そして、建設のプロセスに入ったとき、いわゆるヨーロッパ型社民主義的政権を樹立する。... [続きを読む]

受信: 2010年6月 6日 (日) 21時40分

» ★沖縄は再び日米同盟の生け贄か? [ようこそイサオプロダクトワールドへisao-pw]
画像はクリックで拡大します。★沖縄は再び日米同盟の生け贄か?参議院選挙を前にした [続きを読む]

受信: 2010年6月 8日 (火) 23時23分

» えらぼーとで遊ぼう2010年参院選:推薦候補者リスト選挙区編 [静かなる革命2009]
雨も降っているし期日前投票も始まったので,投票して「さっぱり」して来ようと思ったのだが,はたと困った.誰に投票したらいいのだろう?というか,まだ自分の選挙区の候補者の名前も知らない.まして,それらの人たちがどのようなことを主張しているのか具体的な情報がほとんどない.安倍政権に止めを刺した2007年の歴史的な参院選挙では,「反戦な家づくり」さんが有志ブロガー87名の賛同を集めて最初に全候補者への公開アンケートという作業に着手された(今回選挙の分もすでに始まっている).わたしも後からその戦線に参加して3... [続きを読む]

受信: 2010年6月28日 (月) 23時07分

« こうなってしまった | トップページ | 日本の軍事力? »