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2010年6月 9日 (水)

米高官の露骨な干渉

 まず、昨日同じ案件を報じた2つの外電読み比べていただきたい。最初が「毎日jp」、後のものは「47NEWS」による。

【ワシントン古本陽荘】米国家安全保障会議(NSC)のベーダー・アジア上級部長は7日、ワシントンで講演し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について、「地方政治がすべてではない」と述べ、地元・沖縄の理解が得られない場合でも、日米合意に従って移設を実行するよう促した。そのうえで、「日米双方に普天間飛行場は現在のままでは維持できないとの広い合意がある」として、住宅密集地域からの早期移設が不可欠との考えを強調した。

 さらに、「菅直人首相は現在の日米合意は、政府間の合意であると明確にした。重要な要素の検討は残っているが基本的枠組みは整理されている」と語った。(毎日新聞 2010年6月8日 13時34分)

【ワシントン共同】ベーダー米国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長は7日、ワシントンのシンクタンクで鳩山政権下での日米関係について講演し「日本政府を代表して発言しているのが誰なのかを把握するのに苦労した」などと振り返りながら鳩山外交の混乱ぶりを批判した。

 オバマ政権高官が公然と日本の外交手腕に苦言を呈するのは異例。ベーダー氏は一方で、米軍普天間飛行場の移設先を沖縄県名護市辺野古崎とした日米共同声明を基に対応することで菅直人新首相との電話会談で一致したオバマ大統領が「非常に満足していた」と語り、新政権への期待感を示した。

 鳩山由紀夫首相が提唱した「東アジア共同体」構想が「米国抜き」に見えたことや、海上自衛隊によるインド洋での給油活動終了などで、オバマ政権内に「少なからぬ心配や激しい懸念が生じた」と指摘。米国が鳩山政権を不安視していたことを認めた。(2010/06/08 12:36   【共同通信】)

 両者の違いは、後者がこれまでにあった過去の日本外交について感想を述べたということであり、前者は、これからの日本がとるべき方向を指示したようにとられる表現になっていることである。現場で講演を聞いたわけではなく正確なところはわからない。

 しかし、同じニュースの内容としては断然前者がが優れている。報道時間に1時間の差があるが、後者が発言が終わらないうちに打電したしたとても、過去のこととこれからでは、全くニュースの価値が違ってくる。新内閣発足の新メンバー紹介と悪魔扱いしている小沢との距離などに関心の的を置き、紙面でもこういった記事の扱いは小さい。

 それにしても、イラク侵攻当時のブッシュ政権下に多発した米高官による恫喝と全く変わりがないではないか。「地元・沖縄の理解が得られない場合でも、日米合意に従って移設を実行するよう促した」など、どういう権限に基づいて言える言葉か。

 内政干渉であり民主主義の否定そのものである。日本政府は調査の上、ただちに不快感を示すべきであろう。そういったことがないから、米国民や大統領は沖縄県民の苦悩や日本国民の心情を知らず、一国の内閣を崩壊させたという意識も薄い。

 言うべき事を言い、日本の意向を明確に示すことで日米関係がギクシャクするならギクシャクした方がいい。そこから、真の信頼関係と友好が生まれるのだ。後者の報道でオバマ政権内に「少なからぬ心配や激しい懸念が生じた」というのは、それがなかったからではないか。

 日米の外交・防衛高級官僚によく味わっておいてもらいたい。

 「俺とおめえは違う人間に決まっているじゃあねえか。早え話が、おめえがイモ食ったって、俺のケツから屁が出るか!」
     (男はつらいよ=渥美清)

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