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2010年5月17日 (月)

インドと中国と地政学

 鳩山首相の地政学は誰から学んだのでしょう。アメリカは、太平洋をはさんだ隣国です。日本がペルーの砲艦外交の圧力のもと開国を決意した最初の国です。これが、イギリス、ロシア、フランスだったら相当変わった姿になっていたでしょう。

 新興国アメリカは、日本にそれなりの尊敬と友好的な態度で望んだと思います。また、植民地的利権を狙っていた他の西欧列強を牽制する役割を果たしたと思います。そして、もう一つの隣国である中国・朝鮮、そしてイギリスの植民地であったインドなどを残して早く先進国入りができました。

 もちろん、明治維新を断行し、欧米から多くのものを学び取って近代化を成し遂げたわれわれの先祖の力が大きかったことは、いうまでもありません。維新の原動力は、最初が尊王攘夷で徳川幕府を倒すことに成功したものの、攘夷の方はすばやく開国に転換してしまったのです。

 そして、いつしか隣国の中国やインドを見下す癖がついてしまいました。いまだにそのあとを引きずっていないと言いきれる人が、果たして何人いるでしょうか。しかしその中国やインドは、今や経済発展で世界を牽引する希望の星のようにいわれています。

 地政学はあくまでも日本を中心に考えなくてはなりません。アメリカ側から見たものは、日本というよりアメリカの地政学です。中国とインド、これも日本にとって縁の深い国です。維新のはるか前から、日本人の精神構造の中にはインドと中国がありました。

 地政学とは、日本が位置する地理的な現実とともに、歴史・文化・民族・宗教なども合わせて判断されるべきです。半年にたりない「学び」で、一国の指導者の考えが180度転換してしまうなど軽いものでしょうか。鎌倉時代の宗教家は、飛鳥時代にもたらされた仏教を、苦労の末日本独自の見方、体系づけに成功しました。

 最後に、親鸞が両国の文化に接することができた満身のよろこびを、「教行信証」はしがきの中で、次のように表現していることを掲げておきましょう。

 よろこばしきかな、西蕃月支(さいばんがっし=インド)の聖典、東夏日域(中国・日本)の師釈(宗教指導者)、あいがたくして今あうことをえたり。聞きがたくしてすでに聞くことをえたり。真宗の教・行・証を敬信して、ここに如来の恩徳のふかきことを知んぬ。ここをもって聞くことをよろこび、うるところを嘆ずるなり。

 

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