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2010年4月27日 (火)

一からやり直せ

 毎日新聞の「記者の目」が久々のクリーン・ヒットだ。「日米関係は、マスコミが書いているように本当に危機的なんですか?」という一般からの疑問が政治部・佐藤千矢子記者の書き出しである。それに対して「同じ政権の中でも外務省や防衛省と、官邸の対米意識には、かなり温度差があるように感じる」とチグハグぶりの根源を暴露している。

 続けて、鳩山首相が持つ対米意識と「新しい日米関係を作り深化させる」という3月16日の発言を紹介し、それが安全保証論抜きで普天間移転先の「不動産探し」に終始し、あわせて「東アジア共同体構想」など手つかずのまま、姑息なやりかたで5月末の決着をつけるようなことは許されないとしている。

 そこで「一からやり直させてほしい」と謝ってしまえ、というのが彼女の結論だ。その記事の下「発進箱」では、沖縄在住の経験がある三森輝久記者が、基地移転先選定に米国の了解が必要――という前提には全く法的根拠がなく、条約では、日本国内の基地使用を米国は「許される」と規定しているだけ、と書いている。

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 東アジア共同体構想と共にこれも、本塾がかねがね繰り返し指摘していたことだが、マスメディアの上では始めて見た。また写真右側ロンドン笠原敏彦記者発の、英国の「揺らぐ米との蜜月」も見応えがある。いずれにしても政治的には「難問」すぎて、直ちに実現することは不可能だろう。

 これが「記者の目」でなく「社説」だったらインパクトが強い。しかし、回りくどく奥歯に物のはさまったような社説とは違い、現場記者の観点や感覚が意外に素人の直感と遠くない所にあるのだということを知った。たまたま、前回「普天間は外交の失敗」を書いている。表現は違うものの意図するところは全く同じである。

 毎日新聞は、このような記者の記事をのせながら社論を変化させていくことがよくある。、時機を失せずオピニオンリーダーとしての本領を発揮してほしい、というのがこの記事を書いた動機である。

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