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2010年3月11日 (木)

司法の劣化と不信

 日弁連の会長に、現執行部路線継承に反対する宇都宮健児という人が当選したという報道があった(3/11)。法曹界にくわしくないが、まあ政権交替ということになるのかどうか。その主張に「司法試験合格者を年間1500人に削減する」というのがある。

 弁護士の失業対策もあるが、「質」の劣化も問題にされているようだ。もともと、自民党政権時代の「司法改革」の一環として増員が図られたが、アメリカの要望もあったように記憶している。裁判員制度とともに、「国民にとって悪いことではない」ということで、なぜ改革をしなければならないかということを、痛切に感じたことはなかった。

 最近、司法の劣化を感じるのは、むしろ司法官僚の方である。お巡りさんの犯罪など、ほとんど当たり前のように連日といっていいほど新聞に出てくる。さらに検察・警察の事件処理である。昨年来、小沢金脈などをめぐる検察の対応が問題になり、現にそれが政治に大きな影響をもたらしている。

 どこまで正義の味方なのか、事件の真相を知らないし、また決着がついていない事件もあるので、正面からの批判はさけるが、公正を疑わせる不可解な事件が多すぎはしないか。ちょっと考えただけでこんなにある。立件しなければならなかった本当の理由は何だったのだろう。

 志布志事件、高知白バイ事件、足利事件、検察裏金暴露事件、朝鮮総連本部事件、……。そして昨日、郵便不正事件で、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省元局長、村木厚子被告の第12回公判があり、検察に追い打ちをかけるような証言があったことを毎日新聞が伝えている。 
 
 それによると、不正の証明書を受け取った際のもようについて「凜の会」側の証言、上村勤・元係長がいた社会参加推進室から窓際の通路を通り、当時課長だった村木被告の席の正面で挨拶をして書類を受け取った、がウソであるとの証言だ。

 それは、当時の現場を知る複数の課長補佐によるもので、隣室との間はキャビネットで窓側まで仕切られ、行き来できるのは廊下側の通路だけだったと指摘。さらに、課長席の前にはつい立てがあったため正面には立てないというものだ。

 もっとも、その後模様替えして「凛の会」証言でも矛盾がないようになったが、それならば、家宅捜査か何かの時検察官が見てきた現状に合わせて誘導訊問したことになる。事件に仕立てられる場合、その人に多少の落ち度があるか、あるいは別件逮捕などというケースが多いが、村木被告については、他の証言・証拠から見ても真っ白な人を逮捕した可能性がある。

 そうすると、そもそもの仲介者とされている民主党の石井一代議士への疑念にもひびが入り、末端だけの犯罪と言うことになりかねない。もしそうなら捜査方法そのものに犯罪性があることになる。前に書いた石川知弘議員の女性秘書軟禁事件が事実とすれば、それらを含めて、誣告罪、公務員特別陵辱罪、同職権乱用罪などで黒白をはっきりできないのか。

 それがないようでは、日本の司法の劣化に歯止めがかからず、法曹界への信頼も致命的な打撃を受けることになるだろう。

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