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2010年3月 3日 (水)

朝鮮出動密約は破棄せよ

 政権交替により実現した日米間の外交密約の調査結果は、約束の期限を延長したもののようやく明らかになりそうで、続々リーク(笑)が続いている。それらによると、

①核搭載艦船などの核持ち込み密約(60年安保改訂時)
②朝鮮半島有事の在日米軍無断出動(60年安保改訂時)
③有事の際の沖縄核持ち込み密約(72年沖縄返還時)
④沖縄返還時の原状回復費日本負担(72年沖縄返還時)

 の4項目のうち、②と③は国内に証拠ありで、残りのふたつは存在を推定できるが断定できないというものらしい。さて、これについて政府はどう対応するのかが問題である。結論は3つ。密約を破棄するか、過去のことだからといって時効のように効力なしにするか、まだ必要性があるとして改めて公開の上協定しなおすかである。

 「改めて密約」というのは、国民を愚弄するものでこれはないだろう。しかし、外交交渉に密約100%なしが非現実的であれば、せめてアメリカ並に時限を設けた公開制度を確立することだ。いずれにしても、あとの処置をうやむやにすることは許されない。

 そのうち、殊に問題なのが②である。これは、朝鮮半島有事の場合、在日米軍が日本から出撃するのに事前協議がいらない、という部分と日本の施設などを自由に使えるとする部分からなるらしい(2/24日付の読売新聞ではなぜか肝心の前者が抜けている)が、これは今後もあり得るので破棄すべき内容である。

 米軍が北朝鮮に出撃したらどうなるだろう。当然在日米軍基地を目標に200発あるとされるノドンを打ち込んでくる。ノドンは命中精度が低い(笑)ので無差別攻撃と同じだ。当然陸軍の司令部がある東京地区のキャンプ座間もねらわれる。発射場所や発射時間をずらして打ち込めば、パトリオットで防ぎきれず都心に命中するかも知れない。

 こんなヤバイことが、事前に知らされないで「何が日米同盟だ」といえるのではないか。たしかに密約当時は東西対立が先鋭化していた時代で、朝鮮の安定に問題もあった。しかし、今は北朝鮮は国連に加盟しており、核保有国で日本に対する反撃能力もある。しかも米朝直接交渉が取りざたされている時代である。

 ここで、安保条約を確認しておこう。

 第4条 締結国は、この条約の実施に関して随時協議し、また、日本国の安全又は極東における国際の平和及び安全に対する脅威が生じたときはいつでも、いずれか一方の締結国の要請により協議する。

 朝鮮半島の場合はこの例外、という密約である。それでなくても、これまで随時協議以外の協議は、一度も開かれていない。ベトナムや中東地域に日本の基地から飛行機や海兵隊が向かっても協議の対象にはされていない。「極東ではない」といわれればそれまでだが、この「極東の範囲」は歴代内閣で勝手に解釈を変え、今や世界中どこへでも出ていける軍隊のために、基地を貸しているといえる状態だ。事前協議の対象は中国(台湾)だけということになるのか。

 行き先がどこであろうが、日本にある恒常的な基地から外国へ戦争をしに行くというのは、たとえ外国軍隊であろうと憲法9条の戦争放棄条項の精神に反する。しかも、事前協議をないがしろにしたままでいいのだろうか。この際戦争にかかわる出動は、すべて事前協議を原則とするという意味で、密約は破棄した方がいい。

 本来ならもっとアメリカを信頼したいのだが、ニセ情報でイラク戦争を始めたブッシュ政権以来信用できなくなった。しっかりした緊密な日米関係を築くためには、この密約処理が最初の試金石となり、日米安保見直しの第一歩となるということを現政権に認識しておいて欲しい。

 

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