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2010年2月23日 (火)

政権交替から政権後退へ

 内閣支持率の凋落や長崎県知事の与党候補落選で、マスコミがさかんに理由を喧伝する。それが「政治とカネ」の一本槍であることがなんとも不思議だ。普天間基地の移転先迷走ぶりも極限に達しているのだがこの方の議論は先送りになってる。

 当塾は前から、「政治資金問題は国会で説明責任を果たせ」と主張している。検察でさえ決定的な証拠をつかめなかったのだから、事情聴取で答えたことをそのまま証言すればいい。要するに毅然とした態度と正々堂々とした姿勢が求められているのだ。

 「政治とカネ」といっても、国民は何が問題なのかをどこまで知っているだろうか。検察が取った今回の措置にもかかわらず、「証言しないのは、賄賂を受け取っているからだろう。隠しているに違いない」という感じの世論操作に踊らされている。

 以上の問題は、他のブログでも多く論じられているので、外交面での「政権後退」を取り上げてみたい。首相就任直後の国連演説や国際会議で、はなばなしく打ち上げた温室効果ガス25%削減、核廃絶努力、アジア共同体、そして「かけ橋」論などさまざまなものがあり、これぞ「政権交替」だと思わせたものだ。

 ところが、この半年でその準備の一端と思われるものがさっぱり見えてこない。もちろん長期目標もあり「すぐ成果を」というわけにはいかない。さきに「イランで得点を」でも取り上げたが、IAEA(天野之弥事務局長)の報告書が以前より厳しい評価になり、イラン当局では、日本政府の対応がアメリカの圧力で動いた過去と変化がない、と見る懸念が高まっていると報道されている。

 言っただけで半歩も踏み出していないのが「アジア共同体」である。これをすぐEUのように持っていくのは誤りであることは、当ブログのカテゴリ「東アジア共同体」で繰り返し主張した。しかし、何もしないでもいいということではない。そこに、今まで消極的なように見えた中国の新しい動きが報じられた(毎日新聞10/2/22東京朝刊)。

 ハイチ大地震で国連本部(ニューヨーク)が対応に追われる中、地震発生翌日(1月13日)、安全保障理事会で興味深い会合があった。1月の安保理議長国・中国が企画したもので、安保理と地域機構との協力をテーマにした会合だった。

 参加したのはアフリカ連合(AU)、北大西洋条約機構(NATO)、東南アジア諸国連合(ASEAN)、上海協力機構、アラブ連盟など安全保障に関係した地域機構を中心に11組織。安保理では、その月の議長国が関心の深い課題について集中協議をする慣例があるが、中国はこうした協議をあまりしないことで知られている。その中国が地域機構との協力をテーマとしたため外交団には、「中国はAUと国連の協力を仲介する思いがあったのでは」との観測が広がった。

 安保理理事国(15カ国)のうち、今回会合に参加した11機構のいずれにも属していないのは日本だけだという。これに関し高須幸雄・国連大使は「冷戦構造の残る東アジアの特異性を表している。(地域機構を持たない)日本にとって国連がいかに重要かを認識させられる」とコメントしたというが、間の抜けた話である。

 中国は、そういった地域機構の在り方、機能、国連との関連などを慎重に検討し、アメリカ一極支配の次ぎにくるべき世界安全保障の姿を見定めたいのだ。当然東アジア共同体を頭の片隅に置いている。日本がもたもたしているうちに、主導権を握ろうとするのは当然だ。日本は何歩も出遅れている。

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東アジア共同体」カテゴリの記事

コメント

東アジア(極東)の地域共同体の最大のネックになっているのは核開発の北朝鮮問題で有ることは論を待たないであろうが、日本は拉致問題の制裁を最優先する姿勢が一向に改まる気配すらない。
これでは北朝鮮問題の最大のネックは日本政府であると他国から思われかねませんよ。
特に問題なのは中井拉致担当大臣で、自分の仕事は北朝鮮を叩く事だと信じているようです。
『江戸の敵を長崎で』の心算か4月1日からの施行を目指す高校無償化について、中井洽拉致問題担当相が在日朝鮮人の生徒の学ぶ朝鮮学校を無償化の対象から外すよう川端達夫文部科学相に要請。
人権規約や教育基本法が定める『教育の機会均等』の意味を知らないのか。
太平洋戦争中に日系人強制収容的な発想で、完全に「ネトウヨ以下」の愚論。
東京で2月に開催されるサッカー東アジア選手権に出場する予定の北朝鮮女子チームの入国を『(北朝鮮に)制裁がかかっている段階だから当然反対だ』妨害して、結果不参加にした張本人もこの人物です。
北朝鮮チームの参加をめぐって強行に反対する中井洽国家公安委員長に対して平野博文官房長官が麻生政権時代の昨年7月に既に許可を決めていて『認めざるを得ない』として2010年1月5日に入国許可決定を発表したのですが、ビザが遅すぎて準備が間に合わないとして結局女子チームは不参加。
この中井大臣と比べれば平野官房長官が実にまともに見えるから面白いが、鳩山内閣ですが残念ながら、こと拉致問題に関しては、あのお馬鹿の見本だった麻生太郎時代よりも大臣だけは確実に悪化しています。

投稿: 逝きし世の面影 | 2010年2月23日 (火) 16時53分

北朝鮮が苦境に立っているとき、揺さぶることすらできない。韓国の李明博政権の方がはるかにましです。

三文右翼の北制裁一本槍は、最近被害者家族からもうとんじられている。外交戦術では韓国にオリンピックのメダルの差ほど引き離されていますね。

枝野などをのぞき、閣僚人事が当を得ないのは、首相の限界でしょうか。

投稿: ましま | 2010年2月23日 (火) 17時34分

小沢ガールズの守銭奴・福田衣里子らは、民主党候補を応援する街頭演説を盛んに行ったが、逆効果であった。
何時までも民主党にだまされ続けることは有り得ない。
外国人参政権や夫婦別姓は、民主党の反日の実態が表面化したものである。

投稿: 腐敗していた民主党 | 2010年2月23日 (火) 20時44分

政治とカネにまつわるこんな指摘があります。
政治資金規正法の帳簿は、単式簿記である。此れはすごい欠陥法律だ。http://ow.ly/17q3B%20
ぜひ国会で検証してほしいものです。
しかし政治資金規正法は不良法律みたいですね。

投稿: カーク | 2010年2月23日 (火) 21時10分

政治資金規正法も公職選挙法も議員の都合に合わせたザル法だと思います。
所によっていやにこまかかったり、解釈ではどうにもとれるようだったり、肝心なところに大穴があいていたり、違反する人が多すぎて、道交法のスピード違反のように運の悪い人だけが捕まったりする。
一般人から見ると、手に負えない法律です。政治的に悪用されたら、たまったものではありません。だれでも犯人にされてしまいます。

投稿: ましま | 2010年2月23日 (火) 21時28分

ザル法はよくありません。一見、いい加減な法律なので、議員には都合がよさそうですが、それはまったくの誤りでしょう。官僚に操作される隙を作っているといって間違いありません。ザルを撤去しなくては、国民にとってよい政治は行われないでしょう。

投稿: カーク | 2010年2月26日 (金) 06時42分

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