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2010年2月26日 (金)

島国根性

 「島国」という言葉はこのブログでもたまに使います。それは、「島国根性」といわれるような、他国民、他国文化を受け入れないような狭いマイナス面をいう場合と、防衛、安全保障上、専守防衛に好都合なプラスの面をいう場合の双方があり、そのどちらでもない三つに分かれそうです。

 さて、江戸時代の鎖国はどう考えたらいいでしょう。そもそもは、耶蘇教追放の豊臣秀吉から引き継いだものですが、江戸末期の欧米、ロシアが開国を迫った国防問題よりは、仏教や日本の神々と違う強力な神様(一神教)が、天下人の支配体制をおびやかすと見たからだと思います。

 中国や朝鮮には貿易上の例外を認めていたわけですし、いろいろな技術や科学については、織田信長をはじめ、一部の大名は積極的な関心を示しました。外国人だからといって排除するのではなく、優遇してそれを取り込むことに熱心でした。

 幕末の「尊王攘夷」はほんの一時で、「攘夷」の方はあっさりと「開国」に切り替わりました。これは、蘭学など、熱心な外国技術導入の下地があったからだと思います。したがって鎖国は、3分類の「島国根性」とは無関係だと思います。

 日本人のルーツを探ると、北から南から、さらに弥生時代の幕開けには、朝鮮・中国との往来が盛んになり、その後も文字、宗教、芸術に至るまで多くのものを取り入れました。まさに「混合民族」といわれる所以で、日本文化はそこからはぐくまれました。聖徳太子の頃までは、しかとした国境があったわけではなく、人種・民族の区別もあいまいだったのです。

 日本は海に囲まれているからいろいろな人がやってきて住み着いた。日本で自然発生した人などいません。海洋民族でいろいろなものを受け入れそれを発展させてきた、どちらかといえば、開放的・発展型民族ではないかと思っています。

 それが、閉鎖的な「島国根性」を持つようになったのはいつからでしょうか。多分、漢文文化で移入された「中華思想」に、国粋主義が加わった皇国史観がもとになっているのでしょう。江戸時代に水戸藩を中心に「国学」が盛んになりました。しかし、日本人が世界でもっとも優秀な民族だという選民意識は、昭和2桁の戦時中から格段に多くなったように思えます。

 皇国史観はその前にもありましたが、アジア主義が右翼の主流だったように偏狭な排外主義ではありません。また、戦後も成長が続いた段階では、「島国根性」が表に出るようなことはありませんでした。すると、勢いを得たのはごく最近のことだといえそうです。保守を自認する人は「島国根性」とは縁がないはずです。

 人種のルツボといえるアメリカ、多様性を誇るアメリカ。しかし、根強い人種差別意識が底流にあることは覆い隠せない事実です。EUも国境をなくして多様な価値観を認め合うのがその建前ですが、失業問題や風紀・習慣などで排外的な主張がないわけではありません。

 日本で問題なのは、それらの例と違って、自衛隊幹部経験者や現閣僚や元総理大臣まで、それに影響されて政治を左右しようとする人達がいることです。これが、どれほど周辺各国との関係を悪化させ、世界の潮流から遅れをとる原因になっているかわかりません。

 鳩山首相の「友愛」とは、ま反対の精神構造です。首相の指導力がここでも問われることになります。首相は与党とか党内の意見を斟酌して決めるのではなく、何が日本の将来にとって必要か、世界に貢献し尊敬されるような国にするには、どうすればいいかを判断して決めて下さい。

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font size=3 color=blue 私は国際救助隊の創設をめざしています。 国際救助隊は、非武装の常設の緊急救助隊であり、軍隊を削減して、国際救助隊に変えるように提唱しています。 font size=3 color=red 平和憲法を持つ日本は、国際救助隊を世界に先駆けて、設立できる、してほしい国です。 国際救助隊は、日本の新しい安全保障を体現するも..... [続きを読む]

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