« 観念右翼 | トップページ | 春遠からじ »

2010年1月22日 (金)

取材先疑念に狼狽する新聞

 22日午後の衆議院予算委員会では野党委員の質問が続き、こぞって首相や小沢幹事長の「政治とカネ」の問題を追求した。井上義久公明党委員は、原口一博総務相に対する質問で、情報源を「関係者によると」とした記事について閣僚が記事の書き方にまで踏み込んで批判するのは極めて異例で適切さを欠いている、発言を撤回する意志はないか、と迫った。

 この意見は同日付け毎日新聞の社説と全く符合する。この質問に対し総務相は記者会見での質問の内容と、問題にした発言の前後を復元させ、発言の撤回を拒否した。その内容は極めて良識的、前向きで、毎日社説のいいわけがましい主張より見栄えのするものだった。井上委員は重ねて同趣旨の質問をしたが反論にならず、あっさり質問を打ち切ってしまった。

 当塾では「反小沢キャンペーンの質」と題した記事を18日に掲げた。その冒頭にこう書いている。

 ニュースが一つの事柄に集中し、嵐のように吹きすさぶ状況の下ではブログを書きにくい。何をいっても蟷螂の斧、当たり前のことが非常識になってしまい「流れに棹さす」勢いに勝てなくなる。そういったさなかに世論調査をする読売新聞も読売新聞だが、小沢幹事長は辞任すべきだとする意見が70%にのぼったとする。

 この質問が「小沢氏は議員を辞職すべきだ」だったにしても、そう変わらない数字が出ただろう。これはまさに恐ろしいことだ。戦前、斎藤隆夫の反軍演説が軍部の圧力のもと除名処分を招いたように、法的根拠のないまま、民意だと言って議員辞職に追い込むようなことは決してあってはならない。

 こういった雰囲気を醸成することにマスメディアは、どれだけ自戒の念を持っているだろうか。これまで民主党応援団のようだった毎日新聞が、一転、小沢バッシングの先頭に立っている。(続きを読む

 この豹変ともいえる論調の急激な変化を書いてみたものの、あくまでも個人的な素人判断で自信があったわけではなかった。それについて「新聞が一斉に小沢批判を強めたのはなぜか」と題する論考が21日に現れた。ジャーナリストの大御所・田原惣一朗氏がnikkei bpに書いたものである。

 今回この問題のキーワードは「関係筋」と「リーク」である。当塾が“「関係者」という亡霊”という記事を書いたのは、1か月近くも前の12月25日であった。そもそもの動機は、毎日新聞の金子秀敏専門編集委員が書いたコラムに、産経新聞の記事を例に取った出所「関係者」の怪しさを指摘していたことによる。

 私は、一般の人がニュースをどう受け止めているかについて、新聞社の世論調査とは別にテレビ桟敷での感想を参考にする。それは家族であったり公民館の休憩室であったりする。そこでは、小沢批判に劣らないくらい情報発信源に対する不信も耳にするのだ。

 さらに、ブログなどネット上の意見は明らかにマスコミに対する批判が優勢な感じがするし、有力なジャーナリストの意見も大勢は新聞批判になっているように見える。明日は小沢幹事長が検察の参考人聴取を受けるが逮捕に至ることはあり得ない。

 検察にも残された時間はすくない。決着はどうつくかわからない。ただ小沢が嫌いだ、カネが動いただけでは犯罪者にできない。マスコミは小沢バッシングへ急展開してみたものの先行きが見えないことと、思いのほか世間が同調しないことに狼狽しはじめているのではないか。

そのような意見として、トラックバックいただいた虹色オリハルコンの金木犀さん 
http://blog.goo.ne.jp/hanamiduki87/e/c16c599f5b05fa3f99c2cdb8c2ae1e40
そこでもリンクされているDIAMONDonlineの上杉隆氏
http://diamond.jp/series/uesugi/10110/
ならびにEGAWASHOKOJOURNALの江川紹子さん
http://www.egawashoko.com/c006/000315.html
の見解をここに紹介しておこう。

|

« 観念右翼 | トップページ | 春遠からじ »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

産経がリーク批判に対しておかしな反論をしていますよ。
曰く、メディアスクラムで世間が迷惑を受けるのはリークがないことの証明なのだそうです。

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100124/stt1001240306002-n1.htm

こういう記事を読んでいると、プロの記者の書く記事もネット右翼の書く記事もほとんど大差ないですね。
そりゃ新聞が売れなくなるはずだ。

投稿: Runner | 2010年1月24日 (日) 15時19分

毎日新聞の岸井さんによると、検察官は秘匿義務があるから絶対リークはしない。記者がその表情から読みとる。のだそうです。( ゚д゚)??

投稿: ましま | 2010年1月24日 (日) 16時18分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/33087389

この記事へのトラックバック一覧です: 取材先疑念に狼狽する新聞:

» 【冤罪】犬察の狗たる惨経が何をほざいても、取り調べの全面可視化を実現すべきだ【人権侵害】 [ステイメンの雑記帖 ]
 ↑ 01月22日付け 惨経珍聞 朝刊大阪版より  江戸時代以来、自白偏重主義を続ける旧態依然とした日本の事件捜査では、冤罪の発生が後を絶たない。むしろ現在再審が行われている足利事件でも判るように、 警察・犬察が犯人をでっち上げているケース さえ存在する。  またその場合、警察・犬察は真犯人を取り逃がしているわけであり、二重の意味でその罪は大きい!  さらに、一度犯人にでっち上げられ有罪が確定してしまったら、あとで冤罪だと判明してもその 警察・犬察によって犯人に仕立て上げられてしまった人やその家族の... [続きを読む]

受信: 2010年1月22日 (金) 21時32分

» 検察よりも政権党よりも心配なのはマスコミ! [ちょっと一言]
 ネット上では原口総務大臣が外国人記者クラブで発言したクロス・オーナーシップ禁止を法案化するという発言が大きな話題となってきたのだが、新聞・ [続きを読む]

受信: 2010年1月22日 (金) 23時02分

» 他人事<毎日>と、本音が出た<産経>に対し、意外や詳しく書いた<読売>にびっくり [晴れのち曇り、時々パリ]
ここ数ヶ月の、マスコミの異様さについては、もはや今更の感があるが、その中で各社の姿勢を際立たせる記事と、意外な記事を目にしました。 まず、中井国家公安委員長発言の報道に対する、『読売』と『毎日』の違い。 国家公安委員長「捜査当局からリーク記事」(読売見出し) >中井国家公安委員長は22日の閣議後記者会見で、再審公判が行われている足利事件に関連して、「今の自白中心の捜査と捜査当局から一方的にリークされる記事しか書かないマスコミという中では、冤罪(えんざい)被害はこれからも出ると... [続きを読む]

受信: 2010年1月23日 (土) 07時28分

» 元検事謝罪せず 足利事件再審公判 [王様の耳はロバの耳]
菅家さん、謝罪求める=元検事「厳粛に受け止める」−足利再審公判(時事通信) - goo ニュース 菅谷さんの再審公判が21日22日両日開かれ「自白(犯行)を否定するテープ」と「再度謝る(認める)テープ」をTVの画面で聞きました。 DNA鑑定で無罪と判っていなければ「菅谷さんが犯人」でないかと思ってしまいそうな一齣です。犯人で無い人が犯行を認めてしまう様な取調べに恐怖を感じました。 {/kaeru_shock1/} そして昨日午後にはその時の元検事が証人で出廷しました。 菅谷さんは「無実の人を犯人に... [続きを読む]

受信: 2010年1月23日 (土) 09時52分

» 何れ血を見るまで終わりそうに無い [逝きし世の面影]
小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、政治資金規正法違反容疑で逮捕された衆院議員石川知裕容疑者(36)が、東京地検特捜部の調べに対し、土地代金の支払い直後に同会が金融機関から受けた4億円の融資について、「原資を隠すための偽装工作だった」と供述していることが22日、関係者の話で分かった。 融資手続きには小沢氏本人が直接関与しており、特捜部は23日の任意聴取で、融資の経緯について詳しい説明を求めるとともに、虚偽記載の認識についてもただすとみられる。 (時事通信) 20... [続きを読む]

受信: 2010年1月24日 (日) 10時22分

» 小沢一郎の事情説明 (知事抹殺・11) [木霊の宿る町]
昨日は知人から貸してもらった映画「それでもボクはやってない」を見ました。メデタシメデタシで終わらない映画でした実話に基づくとはいえドラマですからそのまま鵜呑みにはしませんが、検察が起訴すると、それが真実かウソかを見極めようとしない裁判官が多いというのが実相であろうと思いました見ているあいだから重苦しい気持ちになり、気持ちが萎えていきました。警察も検察も粗雑な輩が多い。自分が被疑者にされたらどうにもならない。斧魔だったらめんどくさいから「やりました」という調書にサインするかもな。釈放されるときにバーカ... [続きを読む]

受信: 2010年1月24日 (日) 12時32分

» [テレビ政治]小沢一郎事件での検察リークはなぜいけないのか? [zames_makiの日記]
 2010年暴走した東京地検の小沢一郎への捜査で同時にメディアの問題が噴出した。メディアは検察の流すリーク情報をそのまま垂れ流した。しかし検察もメディアもそれをいけないもの、情報操作を招くものとは考えていないようだ。これは検察・メディア双方の言い分で判る、朝... [続きを読む]

受信: 2010年1月25日 (月) 17時34分

« 観念右翼 | トップページ | 春遠からじ »