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2010年1月29日 (金)

田沼時代の事業仕分け

 明和8年(1771)、幕府は諸役所の経費節減について5年間の節約令を出した。この頃、日本史上まれに見る天災地妖に見舞われ、飢饉や暴動が相次いだ。100年に1度というリーマン・ショックの比ではない。

 昨寅夏中、御料所旱損の国々多く、御収納高格別相減じ、御勝手向御入用不足に相成り候に付、元払御納戸、御作事方、小普請方、御賄方、御材木方、御細工所、その外遠国御役所等まで、定式臨時共御入用、当卯年より五カ年の間、格別の御倹約仰出され候程の義に付、なおまた左の通り仰出され候。

 つまり、それでなくても危機的な債務体質に、去年は各地の天災による税収不足が加わった、よつて、出先を含む各省庁は一段と倹約に励むよう、とのお達しである。節約令は8カ条にわたるが、そのうち台所料理の節減だけをあげてみよう。

 一 御台所料理下され候儀、当卯年より五カ年の間は、老中若年寄は、御湯漬下され、御側衆奥向の面々評定所へは、香物共に一汁二菜の積り、夜食はこれ迄の通り、一の間二の間御台所下され候面々へも、これまた朝夕夜食共に御湯漬下され候間、その通り相心得らるべく候。只三の間の義(ママ)も、香の物一汁二菜の積り、四の間御台所は、これ迄の通り下され候。尤も席共に御酒は下されず候事。

 中味はよくわからないが相当こまかく品数も少ない。それまでは酒もあったようなので、相当切りつめたものなのであろう。この頃は、老中として田沼意次が幅を利かせた時代である。政治とカネの問題もからんで、政権に対する下々の評判はさんざんであった。

 また当時、黄表紙とか青本、草双紙といったマスコミ印刷物が大流行し、落首、川柳といった草の根発信の政権批判が活溌に行われた。意次の息子・意知が殿中で佐野善左衛門に斬りつけられたテロの一件とともに、記憶に残す方は多いだろう。

  これらは、どうも現世と重なって見えてしまうのである。(参考文献、辻善之助『田沼時代』岩波書店)

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