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2010年1月27日 (水)

不毛なテロとの戦い

 日本、そして世界に逆流が吹きまくっている。歓声をもって迎えられたオバマ大統領、選挙で自民党支配の構図をくつがえした日本、いずれも景気回復の足取りは重く、先行きに暗雲がたれ込めている。日本の政治資金疑惑は、検察官対小沢の崖っぷちに立った攻防戦であることがだんだん見えてきた。普天間基地移転に関する政府の混迷ぶりも、国民をいらだたせ、暗い気持にさせている。

 一方、アメリカでも国内問題に大きな悩みをかかえているが、外交・軍事面でも行き詰まっているようだ。国内ニュースの影に隠れてあまり大きく取り上げられていない。そういった変化というか潮流をとらえないで、日本の基地問題を云々することは決して両国の将来にプラスにならない。その観点で、直近のニュースの中からすこし拾ってみたい。

イラク 首都バグダッドで26日、警察の科学捜査施設を狙ったとみられる自爆テロが起き、18人が死亡、80人が負傷した。その前日25日は、同地主要ホテルが目標になり、約40人が死亡している。オバマ公約で米軍撤退を進めているが治安は一向に改善していない。テロの対象は、外国人と外国軍の保護のもと成立した政府機関である。

アフガン・パキスタン 米軍3万人増派を目指したものの基本的に治安回復が達成したとはいえない状況だ。むしろ戦線がパキスタンに移り、内戦の様相さえ呈している。対立は、TTP(パキスタン・タリバン運動)&アルカイダ米国の越境無人機&パキスタン軍である。

 TTPは、アフガンで最多の民族パシュトゥン人で、パキスタン国内でも北西部のアフガン国境から南部にかけて同じ民族が住んでいる。また、パキスタン軍は以前からパシュトゥン人を支持し支援してきた。したがって、アメリカの要請でTTPを殲滅させるという政府の方針にはあまり熱心でない。 

 その戦闘状態の中心が、北西部ワジリスタンから海に面した南部のシンド州まで下りてきたのだ。州都カラチは、同国最大の人口を有し海・陸・空の交通の要衝でパキスタンの玄関口である。また、海に面していないアフガンにとっても、ここを経由して多くの物資が陸送される。

 ここに住み着くパシュトゥン人難民は、150万人とも言われ、故郷をうばったのはアメリカだという反米感情が高く、TTPの潜入が容易になっている。この近くで今月8日に警察訓練センターを狙ったと見られる自爆テロが発生し、すくなくとも8人が死んだ。

 「インド洋の洋上給油は後方支援だ」などとは言っていられない。中止していてよかった。戦線はもう海岸線まで迫ってきたのだ。また、警察の訓練支援ならいい、などとも言っていられない。アメリカが敵視されているのは、現地人の心を踏みにじる暴力装置・軍の存在である。

 日本軍が中国に派遣され、それがいかに日本の善意によるものだとしても理解を得られず日本の敗戦につながった。その教訓をアメリカに伝えることは、決して反米的ではない。日米の指導者は今こそ、冷静・果断に局面の展開をはかるべきだが、その道は遠いというのが現実だろうか。

  

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コメント

不毛なテロをなくす特効薬は一つダケしか有りません。
<アメリカ合衆国>がその<世界戦略>とやらをいっさい止めて、他国に干渉しなくなる事と、<イスラエル国家>を廃止する事です。
不可能ですよね。
<ガイアツ>によって動くのは世界広しといえども日本だけ。
おおよそいかなる民族も、他国からの圧力で動かされるのは<マッピラ>なのです。
世界の半分の<富と軍事力>を有する国が、自分たちの都合で世界中を振り回している現状は、特に経済的にも軍事的にも不利な立場の民族程、敏感に反発します。
その中核が、荒涼たる山岳地帯と砂漠しか無い所に根ざす人々な訳です。
そして、その不毛な砂漠しか無い中で、数少ない<人の命>を養える緑と水を有する土地を、アメリカの後ろ盾を得たイギリスの<トリプル・スタンダード>による裏切りで奪われて<イスラエル>なる国家を強引に創り出されてしまった訳ですから。
そのイスラエルがあれだけ<手前勝手>に強硬である以上、解決策は有りませんね。
残念ですが、テロが収まる可能性は、1%くらいしか無いのでは、と暗澹たる思いです。

投稿: 晴れのち曇り、時々パリ | 2010年1月27日 (水) 18時40分

ツイターで知った情報です。
私は使える単語が少ないので、辞書を引きながらでないと理解できませんが現場の兵隊はこの戦いにうんざりしているのかもしれません。
ソ連のアフガン侵攻を思い出します。

http://bit.ly/6oYwsQ 「戦闘はやり尽くした。あとはタリバンとの政治的解決を」とマクリスタル司令官。

投稿: カーク | 2010年1月28日 (木) 04時34分

時々パリ さま
カーク さま

 コメントありがとうございます。励まされて続き「懲りないアメリカ」を書いてしまいました。

 日本の「古今」のほうは囓ってきたつもりですが、「東西」は遠望専門です。まちがっていたら教えてください。しかし、このところ想定が大きく狂ったことはないように思います。アフガン、イラクの泥沼化は予言したとおりです。(*^-^)

投稿: ましま | 2010年1月28日 (木) 13時14分

テロとは戦うものではありません。防ぐものであると思います。この前のテロ未遂も、テロリストの爆破ミスに乗客は助けられましたね。

投稿: カーク | 2010年1月28日 (木) 19時42分

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