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2009年12月 5日 (土)

地政学

 新聞記事の中に、普天間移転先について関西空港が取りざたされていることに関し、政府内に「地政学上、米軍にとってメリットがない」と書いてある部分があった。あげあしをとるつもりは全くないが、日本の安全保障は日本の「地政学」をまっ先に考えるべきで、冷戦当時から続いているアメリカ隷属体制の防衛意識から一歩もでていないことを証明した。

 「地政学」にはいろいろな定義があるようだが、要は、その国の置かれている地理的条件が、政治・経済・防衛、ことに軍事上どのような影響があるかを考える学問だろう。そもそも米軍には、厳密な意味での「地政学」などというものはない。

 なぜならば2001年に打ち出された「不安定な弧」などという、全世界をにらんだユニラテラリズム(一国主義)で米軍再編を構想している。それが、台湾海峡の安定化やオバマ政権の世界戦略の変化から再見直しの時期にきており、日米間の辺野古か関空かなどは地政学上の問題ではなく、あくまでも「おかね」の問題ではないか。

 日本の地政学なら、安保条約にもうたわれているとおり、当然「極東の範囲」が対象である。そして右派がいうように中国・北朝鮮が脅威であれば、国内のどこに基地があるかというのは、たしかに日本の「地政学」上の問題である。

 日本国民が「辺野古に必要」と判断し、沖縄県民もそれを望めば必要であろう。しかし、敵地(中国・北朝鮮)に殴り込みをかけるのが目的のアメリカ海兵隊などはいらない。国土防衛上どうしても必要なら自衛隊を配備すればいいのだ。

 米軍基地と自衛隊基地の差は、そこから他国攻撃に行けるかどうかの違いである。よく、基地の存在=騒音・治安悪化・事故発生で沖縄県民の負担軽減などというが、敵国を先制攻撃しかねない国の軍基地があるということは、その敵国から先制攻撃を受ける可能性もあるということである。その精神的負担については周辺住民にしかわからない。

 米軍の地政学上沖縄がいいというのは、日本を守るためというより、アメリカのために「沖縄は犠牲になれ」というに等しい。まさ戦中・戦後の、沖縄切り捨て論ではないか。県内には「独立」を叫ぶ人さえいる。沖縄県民の痛みや苦衷を本当に理解していれば、決して言えることではない。

 

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コメント

ていわです。
日米安保、第10条は来年の6月23日に行使できるのでしょうか。普天間の現状も、思いやり予算も、核兵器廃絶の流をバックアップするとは思えません。さて、塾頭のお考えはいかがですか。

投稿: ていわ | 2009年12月 6日 (日) 00時23分

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