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2009年12月 7日 (月)

日米安保50年へ

 前回エントリー「地政学」にコメントとトラックバックをいただいた。それにお答えする意味で返信を考えたが、長くなりそうなのであらためて記事にすることにした。まずコメントの転載から。

ていわです。------------
 日米安保、第10条は来年の6月23日に行使できるのでしょうか。普天間の現状も、思いやり予算も、核兵器廃絶の流をバックアップするとは思えません。さて、塾頭のお考えはいかがですか。

ていわ さま  ようこそ。----
 安保条約は、1970年までが10年契約で、その後は1年前の事前通告で解除できる仕組みのはずです。だから10年据置き以後1年自動更新ともいえます。たまたま来年が50年という節目だということから、鳩山首相が見直し作業をする提案をオバマ大統領に申し入れ了承されたものです。

 したがって来年6月23日は、条約発効から丁度50年目というだけで、当事国のいずれかが解除の正式通告をすれば、それからの1年間は現条約有効ということになります。また、日米合意の改定なら新条約発効の日をもって旧条約解除となるでしょう。来年6月23日にこだわる意味はあまりないと思います。

 岸・元総理は、それまで無期限だった条約に期限を設けました。アメリカは当初反対で、「ウン」と言わせるために大変な外交努力を払ったと伝えられています。私は、現条約が厳格に守られている限り、安保条約はけっこうまく出来ていると思います。

 問題は、アメリカの圧力に屈した「地位協定」であり、「密約」であり、その後の「ガイドライン」など安保条約の解釈をアメリカ主導でねじ曲げた自民党政治につきると思います。そういったことをせめて他の先進各国並みにしたい――というのが「対等な関係」づくりではないでしょうか。

 その意味で沖縄の海兵隊移転問題は、日本にとって大変重要だと思います。鳩山首相がどれくらい腹をくくっているかわかりません。前回書いたように、アメリカの地政学上の問題などではなく、米軍基地をいかに安く日本国内に維持できるか、という米国内の手柄争いと日本国内にある抑止力信仰や基地建設利権などがからんで、海兵隊移転が遅れに遅れたのが実情でしょう。

 「ペガサス・ブログ版」さんから、米軍はもともと海兵隊の全面グァム移転を考えていた、という趣旨のトラックバックをいただきました。また「とくらBlog」さんからも同様のトラックバックを頂戴しています。そしてマスコミがそれを伝えないことのへの不満もつけ加えられています。

 前から断片的な情報はありましたが、ついに『週刊朝日』12月11日号でその詳しい内情が暴露されました。結論は、「お金」の問題と断じています。インド洋給油もアメリカにとって経済的メリットは減少し、あれほど「日米関係に決定的亀裂」などと騒ぎ立てたのに、いつの間にかあっさりアフガン支援金の話に切り替わってしまったではありませんか。

 別にそれが悪いとは言いません。国益のために一歩も引かないというギリギリの駆け引きをするのが外交です。社民党の福島党首強硬論や時間稼ぎ戦術もその線で考えるべきだと思います。ただ、日米同盟のあり方を抜本的に見直す二度とないチャンスなので、結論を迫られてウロチョロするのは最悪です。国家百年の計を誤らないようにデンと構える方がいいと思います。

 最後に、核廃絶を訴えながらアフガンに3万人増派を発表したオバマ大統領の真意ですが、そこまでわかりません。ただ、国内政治情勢からそう発表せざるを得なかった、また、撤退時期も繰り上げが可能だと考えているふしもあるように思えます。それには、日本を含む各国の世論も含めたバックアップが重要な鍵になると信じているのではないでしょうか。オバマにとっては、辺野古移転など小さな問題です。話の通じない相手ではないと思います。

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コメント

ていわです。
 お考えありがとうございます。日米安保条約はいつでも見直しができる。である以上、対等な日米関係のあり方で粘り強い交渉を追求すべきということですね。

 「お金」が目的で安全保障も脅威論も利用される。確かにそのとおりです。戦争で糧を得るのは政治家だけの特権ではありません。でも犠牲者はいつも市民(庶民)です。この方程式は変わりません。

投稿: ていわ | 2009年12月11日 (金) 15時24分

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