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2009年11月30日 (月)

鳩山外交発射準備

 11月も今日一日だ。鳩山首相就任以来、国連、ASEANと席の温まる間もない顔見せ興業を続け、核廃絶、温暖化ガス削減、アジア共同体など自民になかった外交の変化をアピールした。安保政策では、鳩山外交のいわゆる「かけはし路線」に否定的な目を向ける一部大手マスコミや閣内不一致などもあってか、普天間基地移転問題など安保見直しなどが来月以降に持ち込まれる。

 このところ、予算の事業仕分けがTV政治番組を占領し続けた。昨日は休日にもかかわらず、円高、ドバイ金融危機などを受けて急遽関係閣僚会議だ。年末を控えた不況対策にどう対処するか、世間の目がその方に向くことになるだろう。

 思い返していただきたい。選挙投票日の前後「インド洋上給油」を打ち切ると日米関係に取り返しのつかないひびが入ると言い立てられた。そして、鳩山外交はアフガンに50億ドルの民生援助を決めた。これに対しても、血も汗も流さない顔の見えない札束外交と非難したメディアや評論家は、一体どこへ行ったのだろう。

 当ブログでは、アフガンの軍事力強化の治安維持より、日本は米軍などの「出口作戦」に協力すべきだと主張してきた。
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-4e5b.html
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-ddde.html

 その準備は着々と整いつつあるようだ。大手マスコミではほとんど無視しているが、そういった和平仲介の中味が公開されずに進んでいるせいかも知れない。それを乏しい報道の中から二つ紹介する。

2009年11月21日  西日本新聞
 アフガニスタンに和平を築く道筋を探る国際会議が23日から3日間の日程で、東京都内のホテルで開かれる。日本政府は既にアフガンへの50億ドル(約4500億円)の民生支援を表明しているが、会議の結果を日本の中長期的なアフガン和平貢献策に反映させる方針。

 主催は「世界宗教者平和会議」(WCRP)などで外務省が協力。アフガン、パキスタン、サウジアラビア、イラン、欧州連合(EU)などの代表を招き、日本からは犬塚直史参院議員(民主党国際局次長)や伊勢崎賢治・東京外大大学院教授(元アフガン武装解除日本政府特別代表)らが参加する。

 「参加者の安全を確保し、率直かつ自由な討議を保証するため」(WCRP)に会議は非公開だが、外交筋によると、アフガンからは反政府武装勢力タリバンとの和平交渉も担当するスタネクザイ大統領顧問らが参加する。

47news 2009/11/25】  
 アフガニスタンや周辺諸国の代表を招き、23日から都内で開かれていたアフガンの和解と平和に関する国際会議(主催・世界宗教者平和会議など)は最終日の25日、「アフガン和平構築で日本は中心的役割を果たすべきだ」などとする提言書をまとめ、岡田克也外相に手渡した。

 会議は、アフガンから反政府武装勢力タリバンとの和平交渉を担当するスタネクザイ大統領顧問らを招き、非公開で開催された。提言は、和平交渉進展に向けて、タリバンに一定の影響力があるとされるサウジアラビアのアブドラ国王らの協力を期待し、イスラム諸国の一層の関与を要求。

 タリバンメンバーが和解に応じて暴力を放棄すれば、タリバン幹部らの資産凍結を命じた国連安全保障理事会決議からメンバーの氏名を削除するよう国連に求めた。

 日本政府は既にアフガンへの50億ドル(約4400億円)規模の民生支援を表明しているが、これとは別に、提言を中長期的な和平貢献策に反映させる。(共同)

 これと符合するように、ブログ「マスコミに載らない海外記事」では、アメリカが裏ルートでタリバンと接触を始めたとする、相当踏み込んだパキスタンの新聞『Dawn』の記事を翻訳掲載している。当事者としてタリバン要人やサウジアラビア機関がかかわっている点も共通している。立体的にものを見る上で大変貴重だ。

 上記報道にある犬塚直史参院議員(民主党国際局次長)は、民主党政権誕生前からこのプロジェクトに参画しており、当然鳩山・岡田両氏もその経緯を承知して新政策を起案したと思われる。いままでは黒衣(くろご)に徹していた日本政府だが、同国際会議から「アフガン和平構築で日本は中心的役割を果たすべきだ」という提言を受けた以上、より前向きに外交努力する責任と義務がある。

 それにより、オバマ政権に「出口作戦」のきっかけを与え、アフガンで貸しを作ることに成功すれば、日米安保の新しい世界戦略を構築する方向に光りをあて、鳩山ロケットの宇宙発射成功を確実なものにすることができるだろう。
 

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