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2009年11月13日 (金)

オバマを救う鳩山外交

 イギリス『エコノミスト』の元編集長で、『日はまた昇る』などの著述で有名なビル・エモット氏が、、最近大きく変化した日米両国の政治情勢をどう観察しているか、「DIAMONDonline」がインタビュー記事にまとめている。

 まず、普天間基地の移設問題で日米同盟がギクシャクしているという見解について、国際政治という(冷酷な)世界では、どこに移設すればいいかというテクニカルな懸案だとし、「ワシントンの実務方は怒っているようだが、政権が交代すれば、外交の主要議題は仕切直しを求められるものだ」と、国際感覚からその怒りは正当化されるものではないという観点を示している。

 ということは、アメリカの怒りとは《これまではアメリカの方針に要望をだすことはあっても、最後はすなおについてきた》という従順さが、民主党政権になってなくなったということに対する怒りだろう。同氏はオバマ政権の中枢が、日米関係を冷え込ませるような行動に出るとは思えないとも言っている。

 日本のマスコミが「事務方」発言を報道するのはいいが、これを針小棒大にとらえ、「日本の将来を危うくする」調の社説までかかげたY紙、S紙の《自民外交ボケ》がいつまで続くのか、気になるところである。

 また、アメリカの中国接近が「G2」を目指すもので、ジャパン・パッシングとなる、という見解について、「それは見当違いだ」と断言、「米国が中国との対話により多くの時間を割くのは、中国との関係に確信をもてないから」だと観察する。

 アメリカのこれからの大きな課題は、人民元改革をどう誘導するかであり、鳩山案の東アジア共同体がそれにプラスの影響を与えるとすると、「願ったり叶ったり」でオバマ政権としては、それを「サポートしたいという感じ」ではないかという。

 これも「アジア共同体→反米」という、一部の論調とは全く逆だ。日本の進路を危うくするのは、むしろそういった偏屈な引きこもり精神ではないか。イギリスを本拠としてアメリカとの接触が多く、また日本支局長の経験を持つ同氏は、EUとアメリカの関係をつぶさに見てきている。

 東アジア共同体への展望については、「やや乱暴に聞こえるかもしれないが」と前置きしながらも、アジア版のEUを目指すべきで、通貨統合まで視野に入れて対話をはじめるべきだ、とアドバイスする。日本はより一層ヨーロッパに学ぶべきだということを痛感する。 

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コメント

日本人は気が弱く、「米国の圧力」と言われると「しょうがないなあ」と納得してしまうので、それを、これまで自民党やマスコミが利用してきた可能性がありますね。

投稿: Runner | 2009年11月14日 (土) 01時08分

その通りだと思います。沖縄の人でさえ一部にそれがあります。
地震や台風など自然災害の多い国の処世観でしょうかね。
順応も時により必要ですが、「強い意志」をうやむやにして最悪の場所に逃げ込むのは、国際的に見ても異様な姿だと思います。

投稿: ましま | 2009年11月14日 (土) 07時48分

初めて拝見しました。鳩山総理支持、同意致します。民主党政権が今月末に東京でアフガン和平会議を開催することをご存知ですか?勿論全ての相手から同意を受けて、です。一部マスメディアは知っていますが。既に実務者レベルまで来ていて、間もなくすれば国代表間の会議を開催するところまで来るでしょう。穏健化タリバンやパキスタンや宗教関係者も全て含みます。オバマとしては悲願のアフガン撤退が目前に来ているのです。世界平和に関しての和平交渉を民主党政権は進めていくつもりです。他の国が出来ないことを世界平和貢献として、対米貢献として。実現すれば増派する必要も無いわけで、一日も早く実現して欲しいと思ってますよ。このことと今月末までに発表されるであろう核密約についての情報公開。密約が公開されれば世論は反米と反自民に傾きます。ですから、このふたつを担保に鳩山総理はゆらゆら揺れているように見せながら必死で頑張っているのではないでしょうか?米国を本気で怒らせる直前まで揺さぶるつもりでしょう。自民の田村耕太郎議員も評価していました。トラの尾を踏む直前まで、でも踏まないように、と。(笑)日本の将来がかかっているのですから、安全保障見直しを基地問題を含め、やるつもりです。また彼は宇宙人らしく、東アジア非核地帯構想も国連で外務省抜きで動いていますから、彼の思考は単なる凡人の及ぶところではありません。彼を追い落としたい米軍需産業やCIAまた既得権益勢力の攻撃が激しくなっていますが、負けずに頑張ってほしいと今後の日本を憂う私は切に祈っております。

投稿: ヨウ | 2009年11月16日 (月) 13時26分

言い忘れていたので追加します。
今回、ペシャワール会の中村哲医師を天皇陛下20周年式典に招待しています。民主党のアフガン支援の方針は警察官費用負担と言われていますが、実質は緑の支援であってペシャワール会の活動ともリンクしています。近々に和平が実現すれば、それからが日本の腕の見せ所になりますし、4500億円は、水や農業への支援が主になります。あちらこちらで給油が全てだとか、反米になどと騒いでいますが、真実は別にあるところにある、と言う事です。米国を完全に怒らせてはいけないでしょうが、鳩山総理の粘り腰に期待するしかないと思ってます。

投稿: ヨウ | 2009年11月16日 (月) 13時44分

ヨウ さま はじめまして。コメントありがとうございました。

>今月末に東京でアフガン和平会議
のことですが、9月21日に「試される鳩山外交」(http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-7528.html)という記事を書きました。それに関連して「かつみ」さまからコメントをいただき「いぬづか直史」議員のHPを紹介していただきました。準備は慎重を要するということで、その後の展開を気にしています。もしかしてそのことでしょうか?。

今日に至っても依然として、日本のマスコミ、それに登場する外交評論家などが、世界はアメリカと日本だけだと思っている手合いが多いのでがっかりします。

投稿: ましま | 2009年11月16日 (月) 15時21分

私設秘書の勝見さんですね。
ぜひ、彼の帰国後の11月4日のブログをご覧ください。

状況が変わろうとも
不変の意志が結集した
アフガンを平和にする為
立場を越え
平和への意志が紡がれた

志ある者が勝利したのだ

http://d.hatena.ne.jp/etranger3_01/200911
とあります。結実です。素晴らしいことです。
日本はかつてないほど世界平和に貢献し、誇りを持てる国になるでしょう。


投稿: ヨウ | 2009年11月16日 (月) 16時50分

ヨウ さま
ありがとうございました。
果報は寝て待ちましょう。

APECでの鳩山演説、彼の隠れだ部分を慎重に小出しにしているようで、(世間一般とはちがう)評価をしています。

これについても記事にしたいと思います。


投稿: ましま | 2009年11月16日 (月) 20時23分

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