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2009年10月17日 (土)

オバマの背中を押せ

 パキスタンのペシャワールでは、昨日(17日)もバイクに乗った男女二人の自爆テロで37人が死傷した。岡田外務大臣は、アフガン、パキスタン、インドネシアを駆け足で回った。なぜか、イスラム圏の国だけだ。いま、何をやらなければならないか、岡田大臣はわかっているはずだ。

 マスコミに出てくるインド洋の給油、警察官の訓練、そんな些末のものではないことは、各方面から流れてくる報道を総合すればわかる。オバマのノーベル平和賞は、選考委員会で委員5人のうち3人が反対していたことがわかった。

 それは、時期尚早論特にアフガン戦争への米軍増派などに関連があったらしい。しかし、強い委員長の推薦があり決定に至ったという。「オバマの背中を押す」という意味を重視したのだ。アメリカではこのところ厭戦気運がたかまり、アフガン増派反対世論が優勢になったようだ。

 反面、同時テロ犠牲者遺族、イラン、アフガン戦争での戦死者遺族、退役軍人の猛反発とそれに乗りやすい若者や共和党右翼のキャンペーンで、オバマ大統領の政権基盤がゆるがされかねない。私は、日本が満州そして大陸侵略の野望に走った一因に日露戦争で払った犠牲の大きさがあったと思っている。

 オバマはブッシュと違い、イスラム圏からもその宗教観で一定の支持を得ている。オバマの国内に存在する難関を乗り越えるためには、強力な国際的後押しが必要だ。そうことは簡単に進まないだろうが、一つ一つのつっかえ棒がやがてそれを実現させる。

 核廃絶にしてもそうだ。日本が94年から毎年国連総会に提出してきた核兵器廃絶を目指す決議案に、アメリカが共同提案国になることが15日に決定した。これまでアメリカ上院が批准に反対していた核実験全面禁止条約(CTBT)もあとを絶たれる感じだ。

 オバマ政権は、今年中に「核態勢見直し」の政策基本文書を更新する予定だ。これまで核の先制使用を否定しなかったブッシュ政権が、核廃絶共同決議案に反対した理由として、毎日新聞(10/17)が次のように説明している。

 核軍縮が専門の英「アクロニム研究所」のレベッカ・ジョンソン所長は「共和党側は『日本が核の傘を求めている』ことを反対の根拠にしている」と指摘し、日本の新政権に先制不使用宣言を支持するよう求めている。

 このことは、すでにこのブログで何度も指摘(カテゴリ=反戦・軍縮)している。先制攻撃は日本国憲法をないがしろにするものであり国連憲章の精神にも反する。また中国は、核兵器開発当初から先制攻撃否定宣言をしている。一方核の傘は、日本が非核三原則の密約を破棄するのことで幻の傘となり、民主党公約の北東アジア非核宣言指向を先どりすることになる。

 つまりこの方針の確立は、オバマ態勢下では日米関係上さしたる問題ではなくなるのだ。その双方を宣言することにより、オバマ路線をしっかり後押しすることになる。さらに、平和都市宣言の核廃絶期限である1020年に向けて広島・長崎でのオリンピック開催のムードを高めれば、オバマが生きているうちどころか、塾頭が生きているうちに核廃絶が実現できるかも知れない。

 

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反戦・軍縮」カテゴリの記事

コメント

株で素人投資家が大損するのは『損切り』が出来ないかららしいですね。
勝負事は勝ちもあれば負けもある。
景気後退局面で持ち株が値下がりしても『そん』を覚悟の早期の『売り』が出来ず、ずるずる時間が経過して結果的に大幅な損害を出してしまう。
本当の勝負師は『いかに勝つか』では無く『いかに負けるか』が何よりも大事であると知っているが、旧日本軍には『いかにして上手く負けるか』(損害を最小限で抑えるか)なんて考えは無かった。
アメリカもベトナム戦争では負けたが、欧州諸国のように何度も勝ち負けを繰り返し経験していないし、ベトナム軍がアメリカ本土を侵攻した訳ではないので『負けた』との認識は一部知識人を除けば一般人には無いのでは。?だから旧日本軍と同じで『良い負け方』を知らない。
第二次世界大戦後、アメリカは30回程度戦争や軍事作戦を繰り返していますが、何れも政権の支持率が落ちている局面で行われ、しかもベトナム関連の4回を除けば支持率に画期的な回復がなされています。
高い支持率だったオバマも一年間で50%台に下落して、それ程下落していないクリントンと逆転したらしい。
オバマが歴代政権の支持率回復の常套手段である軍事オプションの誘惑に負けるとは思いたくないが、レーガンの軍拡路線を修正して、軍縮を打ち出していたクリントン政権が支持率低下で巡航ミサイルをぶっ放した例もあり油断は出来ないでしょう。
ノーベル平和賞のオバマが、ノーベル賞選考委員会の期待に応えてアメリカの『歴代政権とは違う』ところを見せてほしいものです。

投稿: 逝きし世の面影 | 2009年10月18日 (日) 12時20分

コメントありがとうございます。
「損切り」とはよくいったものですね。そのとおりです。すると、オバマ流は「空売り」ですか。軍縮がすすんだところで安く買い戻す、それで「平和創造大統領」の名声をほしいままにする。

とにかく、鳩山・岡田の本気度が試される。あと半年で結果がでるでしょう。保守化したマスコミの誘導に負けないことです。

投稿: ましま | 2009年10月18日 (日) 13時04分

民主党新政権によるオバマの応援なら、マスコミ報道や自民党の言い分とは正反対に、普天間の即時閉鎖と代替飛行場建設の中止の方が正解でしょう。
元々米海兵隊は外征専門部隊(殴りこみ部隊)で防衛用には出来ていないので、日本に大部隊が存在する事自体が(日本にとっては)傍迷惑この上ない存在であるが、アメリカ本国でも平和の為の『軍縮』なら一番最初に削減対象とされています。
元々海兵隊のアメリカ領のグァム移転は前ブッシュ政権のラムズフェルド国防長官が作り上げた世界戦略でアメリカ軍の世界規模の展開の為であり、本来日本の防衛問題とは全く関係ない。
辺野古沖に造るV方滑走路はアメリカの要求ではなく、日本側の事情(対米従属命で海兵隊に出て行ってほしくないのと、従来の日本名物の地元沖縄の無駄は箱物造り)で、普天間閉鎖に対してアメリカ側は海兵隊用のヘリポート程度しか要求していなかった。
海兵隊にはハリヤーなど戦闘機(航空部隊)も持っているが主力は地上の戦闘部隊なのでオスプレイなどの回転翼が主で海軍や空軍のように飛行場はそれ程必要とはしていない。
(自民党政権下での)日米合意(辺野古のV字滑走路)の撤回は、結果的に軍縮を進めたいアメリカの現オバマ政権の応援(後押し)になります。

投稿: 逝きし世の面影 | 2009年10月18日 (日) 16時25分

 民主党の大改革は官邸のシステムだけでなく、防衛・安保も革命的な変化が公約されています。普天間移転はおおせのとおりです。

 ごねているのはアメリカ国防省すじです。同様に日本の防衛省もそう。すでにロードマップが合意され、それで共同訓練もやっているので自衛隊も急にはしごをはずされると現場が困る。八ッ場ダムと同じです。

 ダムと違って外交がからむから国交省のようにはいかない。名護市長選で移設反対派市長当選をみて、おもむろに持ち出すしかないでしょう。防衛指針策定も先おくりです。この問題は、アメリカの変化を確認してからでいいでしょう。賢明だと思います。

投稿: ましま | 2009年10月18日 (日) 17時33分

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