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2009年10月 3日 (土)

日中文化の相互依存

 毎日新聞に、西川恵の「グローバル・アイ」という連載コラムがある。3日付では、日中文化に長年にわたる補完・共益関係があることについて述べている。最近の体験で、甘粛省にある仏教遺跡・敦煌石窟を訪問し、ガイドの女性学術研究員から堪能な日本語で質の高い説明を受け、感銘したことを書いている。

 彼女は、東洋美術の研究で日本に1年留学した経験を持つが「敦煌研究で、まだ中国は日本に及びません」と言っていたそうだ。たしかに、日本人のシルクロードに対する関心は昔から並々ならぬものがあり、研究レベルもそれなりのものがあるのだろう。

 日本文化が遠く西域の影響を受け、仏教などが漢字を媒介として伝わってきたことは否定し得ない。その漢字について中国は18世紀初頭、「康熙字典」(親文字4万余字)を編集した。戦後、中国がこれを超える辞典を作ろうとしたら、55年に日本で編集された「大漢和辞典」(親文字5万余字)を参照することが必要だということになった。

 84年にその改訂版が出たとき、中国政府は5000部を予約購入し、これを基に新研究を加え日本を上回る大辞典を作成したという。手元に資料はないが、日本には、中国で既に失われたものが多く保存されている。文献も原典にもっとも近い書籍が日本にあったり、『日本書紀』などにも、現存しない文献からの引用が見られたりする。

 中国では、秦の始皇帝の焚書にはじまり、近くは文化大革命に至るまで文献・資料は受難を繰り返してきた。朝鮮の文献でも言えることだが、日本はそこから多くのものを得る一方、豊臣秀吉の侵攻などにより破壊もしてきた。

 中国では、世界的に貴重な北京原人の標本が日中戦争中に、なぜか行方不明になってしまった。大きな歴史の翻弄を受けながらも、お互いの東アジアの文化・文明はお互いに補完・強化しあわなければならない関係にある。

 研究や発掘物などでも、これから日本が参考としなければならないものがどんどん増えるだろう。そういった観点で、「歴史認識」などという偏頗な立場にとらわれず、それこそ「グローバル・アイ」な文化協力を進めてもらいたいものだ。

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