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2009年10月23日 (金)

スーダン

 前々回は「アフガンの動き、急」、続けて「PKO法緩和反対」を前回とりあげた。その中でスーダンへの自衛隊派遣について触れた部分がある。多少とも文化のかかわりあいのあるアフガンとちがって、アフリカのスーダンは日本人にとってなじみが薄い。

 しかし、国際貢献や自衛隊というキーワードでいつ国内問題で取り上げられるかわからない。それにそなえ、概略の知識は持っておく必要がある。詳しくは「Wikipedia」という便利な道具があるのでそちらに譲るとして、懸念としては何があるのだろう。

 まず、位置からいうと、エジプトを潤すナイル川の上流にあたり、アフリカで一番国土面積が広い。接する国は北にエジプト、時計回りで、北東は紅海にのぞみ、対岸がサウジアラビア。さらに隣にエリトリア、エチオピアと続き、南はケニア、ウガンダ、コンゴ。西に中央アフリカとチャド、最後の北西の隅がリビアである。

 地中海沿岸国、アラブ・イスラム国、インド洋接岸国、赤道に近い内陸国、あわせて9カ国に接し、まるでアフリカ北部の「ハブ空港」のようだ。そのせいか、住民は北部がアラブ系イスラム教徒、南部がアフリカ系黒人でキリスト教か土着の原始宗教の信者が混在している。

 イギリス、一時はエジプトが植民地にしていたため1国家としての形成が遅れ、他のアフリカ旧植民地同様内乱が多く落ち着かない。現在も、北半分、南半分それに西側を占めるダフールと三つどもえの紛争がある。

 北部を「中央政府」がにぎり、南部には「自治政府」がある。南部は11年に独立を問う住民投票が予定されているが、南部内部の部族間抗争と石油資源の多い中部で激しい中央政府との境界争いがある。ダフールは、03年に中央政府に不満を持つ黒人を中心とした住民が武装蜂起し、これまでに政府や民兵の無差別襲撃などで30万人が死亡、250万人の国内避難民がでたという。

 同国の背景にはやはり有形・無形の大国の干渉がある。まずアメリカだが、かつてビンラディンが潜伏していたこともあるテロリストの隠れ家だったため、テロ支援国家に指定していた。制裁一本槍だったが、最近は硬軟双方の政策のなかで揺れ動いている。

 中国は、石油開発で力を貸し、政府は石油で稼いだ金で中国・ロシアなどから中古の武器を買って、他民族弾圧に使っている。日本も石油を買っているから虐殺に手を貸していることにもなりかねない。国際刑事裁判所(ICC)は、同国のバシル大統領の逮捕状を出したが、国際社会はアフリカ連合をはじめ必ずしも足並みが揃っていない。

 このような中で、日本は軽率な行動に出るべきではない。やはり、国連などを通じて、紛争国への武器輸出禁止を徹底することとか、力に頼らない内戦状態終結のため、何ができるかを模索する以上のことはできないのではないか。世界の警察官の警察犬役はおことわりだ。

 

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