新外交にギヤがかかった
前回のエントリーで「オバマの背中を押せ」を書いたら、早速、岡田外相が「核の先制不使用宣言をアメリカに働きかける」という考えを講演で示した。これは、鳩山新外交方針に慎重かつ確実にギアがかかったことを示す。当塾としては、これをすなおに受けとめ、手放しで喜びたい。
岡田氏は講演の中で「(日本政府が)一方で核の廃絶を強く言いながら、自分のためには先制使用してくれと言うのは、矛盾のない行動であるかというのはかなり議論がある」と指摘。「大きな方向性としての先制不使用は否定できないこと」と語った。
核の先制不使用は18日の「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」の本会合でも議論され、年明けにも出される最終報告書に盛り込まれる見通し。岡田氏は報告書がまとまった段階で、米側に議論を提起したい考えだ。 (AsahiCom、10/19)
8月はじめ、麻生政権が民主党に断末魔のネガティブキャンペーンを始めた頃、「核先制攻撃希望の日本政府」という記事を書いた。アメリカの先制攻撃がいかに日本にとって危険か、そして報復攻撃にも核は使えないということを書いたものだ。
今回の、岡田発言が明快さより慎重さが目立つのは、背景に依然として次のような意見が存在することを意識したからであろう。
米国が先制不使用を宣言した場合、北朝鮮が弾道ミサイルに搭載した生物化学兵器で日本を攻撃しても、米国は核兵器では反撃しないという保証を与えることになる。今回の外相発言は、日米両政府内で波紋を呼びそうだ。(毎日新聞、10/19。電子版ではこの部分をカット)
これほど、あり得ない仮説はない。北朝鮮が日本を狙うとすればノドンだ。弾頭はなんでもいい。何発かは打ち落とせるだろうが、一定の被害はさけられない。仮に抑止力を米国の報復攻撃に頼るとしても、核兵器を使うはずがない。
なぜならば、過剰防衛になることはいうまでもないが、発射基地が散在しているので狙いがつけらない。しかも基地は中国・韓国に近く、放射能被害が確実に他国に及ぶ。そんな危険を犯して、世界で3発目の使用国も米国という愚を犯すだろうか。通常兵器のピンポイント攻撃の方がよほど確実で効果的なはずだ。
このほか、普天間基地の移転問題、おもいやり予算、地位協定その他問題は山積しているが、外交はすべて駆け引きだ。米国防省を先陣に立てて強硬姿勢で臨んでくるだろうが、アメリカでも世界軍事戦略変更、修正が必要なのだ。真剣に相談に乗り、オバマを助ける方向をさぐる方がいい。
日本は、これも前政権末期に、勝俣東電会長や東大・京大教授たちを集めた懇談会で、年末に改定される「防衛計画の大綱」への超タカ派・対米従属の答申意見を出した。もちろん新政権はこれを無視、改定を来年に持ち越すことにした。急ぐことはない。あわてず、次のギヤをどこでかければいいかを思案すればいいのだ。
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