アフガンは振出しにもどせ
28日、カブールで国連施設が武装集団に襲われ12人が死亡した。イラクではそのようなことがあったがアフガンでは初めてだ。他国の指図による大統領選を妨害するためだ。パキスタンでは同じ日、ペシャワルで爆弾テロ、市民ら91人が死亡200人以上が負傷した。これはTTP攻撃に対する反撃か。もはや、際限がないといっていい。
あえて“俗論”を言おう。「アメリカもNATOも国連もアフガン問題から手を引け!」、これしかない。軍の撤収で一時的に混乱は増すかもしれない。しかし、アフガンですでに国土の8割以上を掌握しているタリバンが全権をにぎり、パキスタンでは軍政が力を得るだろう。そうすればすくなくとも今より治安は回復する。そうして、両国とも国際社会への復帰を急ぐことになるだろう。
カルザイは逮捕処刑され、宗教指導者オマルが地下から現れ復権するかも知れない。しかしビンラディンは公然と姿を現すことはないだろう。アフガンにいない限り「客人」としてもてなす必要がないからだ。パキスタンも外国から潜入したテロ要員を、倒産の危機にある国家予算を割いてまで面倒を見る余裕などない。かつてのようにサウジから秘密資金が流れる可能性が低いとなれば、いずれ厄介払いするしかない。
以上は素人の想像の域を越えるものではない。問題はアメリカのオバマだ。敗戦を決めた大統領として「腰抜け」「売国奴」というネオコンの罵倒にさらされることになる。しかし、ギリギリ今なら間に合う。世論ではアフガン増派に反対する国民がわずかながら多いのだ。
ブッシュから始まった戦争優先体質をチェンジし、アメリカに最後の勝利をもたらす、と得意な弁舌で反撃することだ。このままずるずる先延ばしすると、ソ連崩壊の二の舞となるかノーベル賞が吹っ飛ぶこと必定である。日本も人道支援援助など姑息な対策は一旦白紙に戻し、外国部隊撤退を先行させる道筋をつけるべきだ。
| 固定リンク
「テロとの戦い」カテゴリの記事
- 米に撤兵の勇気があるか(2009.11.07)
- アフガンの動き、急(2009.10.21)
- スーダン(2009.10.23)
- 宗教指導者と民主主義(2009.10.28)
- アフガンは振出しにもどせ(2009.10.29)


コメント
ケネディ、ジョンソン両大統領に仕えてベトナム戦争を誰よりも良く知り、最初は米軍を拡大増強して戦争を推進してきたマクナマラ国防長官は1967年に『アメリカは勝てない』との最終結論に達する。
段階的撤収をジョンソン大統領に進言するが、アメリカが実際に撤兵するのは6年後の1973年ニクソン政権になってからです。
『車は急に止まれない』では無いがチェンジのオバマでもやっぱり『戦争はなかなか止まらない』らしい。
ニクソンは停戦(撤兵)にあたり兵力を増強し北爆を行って『強い大統領』を演出して『負けて撤退』を『勝っているから撤兵する』と国民(世論)を騙して辛うじてベトナム戦争を終結させている。
オバマ政権になってからアフガンに2万1千人の米軍増強したら次は4万人の増強要求らしいが、いよいよアフガン戦争も『終わりの始まり』ですね。
アメリカと言う国は本当に困ったものです。
幾らオバマが撤兵したくとも反対にいったん増強して米軍が『勝った』ことにしないと撤収できない。
イラクがそうだったように、今までの例だと、撤収の前には正反対の動きがあるようです。
投稿: 逝きし世の面影 | 2009年10月30日 (金) 15時36分
アメリカのネオコンがどう騒ごうと世界を覆う厭戦気分をくつがえすことはできないでしょう。
投稿: ましま | 2009年10月30日 (金) 18時18分
私が持っている唯一のベトナム戦争の本を今読み返しています。ベトナム戦争は米国の侵略戦争で、南ベトナム開放戦線とか、北ベトナム軍が受けて立ったわけで、負けを判断するのは容易だった。でも、アフガンは違うようです。アフガンには組織された開放戦線も北ベトナム政府軍に代わる政治的な軍隊が無い。そもそもアフガン戦争という表現は間違いですよね。ただ、米軍の侵略であり、一方的な攻撃です。ニュースで流される「自爆テロ」があるだけ、私たちが知らされて無いだけかもしれませんが、あるいは私が知らないだけかもしれませんが、はっきりした姿が見られない。アフガンやその周辺の抵抗勢力はめいめいにレジスタンスを行っているのでしょう。まさに米軍には底無しの泥沼です。アフガンは振り出しには戻せない。既に、20兆円の軍事費を使い、自軍の死傷者は9.11の犠牲者をはるかに越えている、アフガン側の死傷者はその何倍にもなる。アメリカは、「テロとの戦い」方法が間違いであると認めるべきです。そして「テロとの戦い」に負けていることも認めるべきです。オバマ大統領は、いの一番にこれを表明すべきでしたね。もちろん、でなければ、底無しの泥沼から抜け出すことはできない。たとえ、抜け出すだせたとしても、第三のベトナム戦争、第二の「テロとの戦い」を始めてしまうかもしれない。もちろん、その体力が残っていればの話ですが。
投稿: カーク | 2009年10月31日 (土) 06時47分
カーク さん こんにちは
私がオバマに「いまなら間に合う」といったのは、そもそもアフガン増派を考えたのは、大統領選で共和党支持者も取り込む目的があったためで、その後事態が悪化の一方。
アフガン大統領選が平穏に成立すればそれを期に、という望みも絶たれそうな現在、国民や世界の支持が残っているうちに政策変更をするしかない、ということです。ブッシュなら別の戦争を考えるかも知れません
逝きし世の面影さんは悲観論ですが、そうかも知れませんね。
投稿: ましま | 2009年10月31日 (土) 07時37分